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親愛なるマーベル・シネマティック・ユニバースへ。

やあ、みんな。

今日は『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観てようやく気持ちの整理がついたので、その話をしようと思う。安心してくれ。ネタバレはない。ここは私がマーベルにめちゃくちゃ感謝の念を書き綴った(それも死ぬほどだ!)の文章が続くだけなのでリラックスして腰を下ろしてほしい。……何?まだエンドゲームを観ていないだって?おいおい、何を悠長に腰かけているんだ、さっさと劇場へ急げ!ハリーハリー!


……よし、観てきたな?じゃあ始めるぞ。薪は十分用意したから暖炉の火の心配はしなくていい。好きな酒を手に取ってくれ。


正直、ここまでマーベル映画に夢中になるなんて全く思わなかった。初めてアイアンマンを観た時、いや、もっと遡ってゲーセンで『MARVEL VS. CAPCOM 2』の筐体をぼんやり見ていた昔の自分に「やあ、そこの僕!君は将来ピチピチタイツの蜘蛛男や緑の巨人が出てくる映画にドハマリするよ!」って言っても全然信じないだろう。あの頃はアメコミ文化というのは、やたら筋肉モリモリマッチョマンが見るからに悪党なやつをHAHAHAと笑いながらパンチするようなものと思って疑っていなかったんだ。テンプレというやつだね。

さらに正直に言うと、サム・ライミ版のスパイダーマンが大ヒットしていた時にも全くピンと来なかった。「手首から蜘蛛の糸を出す?フーン、地味な能力なんだな」なんて感想を持ったものだ(この後スパイディがめちゃくちゃクールなヒーローだと完全に理解するまでにはアメスパを飛び越えてトム・ホランドが演じたシビルウォー、そして史上最高のエンターテインメントアメコミアニメ映画『スパイダーマン: スパイダーバース』を観る2019年(つまり今年だ!)まで待たなければならなかった)。

やたらド派手なアクション、単純で予想しやすい展開、辻褄が合ってないが勢いで進行するストーリー……『アイアンマン』を初めて観た時も、アメコミ映画に対する先入観を捨てられなかったとカミングアウトしておこう。「ああいう映画は難しいことを考えずに頭を空っぽにして観るべき」なんて今振り返るとととんでもない考えをもっていたんだ。エンターテインメントとの向き合い方は、思考を放棄して楽しみの沸点を下げるのではなく、逆にあらゆるシーンから自分だけの薪を調達して人間性を燃え上がらせるようなものでなくては真の意味で感動や感銘を受け取ることはできないというのが今の僕の持論だ。こんな風にね!(僕が暖炉に新たな薪を放り込むと、黒くくすんだ古い薪が粉々になり、パチパチという音がはじけた)

……すまない、少し熱くなりすぎた。話を本題に戻そう。結局のところ、僕がマーベル・シネマティック・ユニバースに夢中になった決定的なきっかけというのはうまく説明できない。ただ、ひとつだけ言えることがある。『アベンジャーズ』以降の作品ーーー『キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『ブラックパンサー』などの素晴らしい作品の数々だーーーが公開され、劇場に足を運ぶたびに「これはもしかしたらとんでもないムーブメントに足を踏み入れているのではないか?」という思いが確実に増していったことだ。そしてそれは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を観た時に確信に変わったんだ。

今となっては全くの杞憂だったが、正直言って、あのインフィニティ・ウォーでさえ僕は十分な期待をしてはいなかった。何度も疑いの声をあげてすまない。でもこれは本当のことだったんだ。『ドクター・ストレンジ』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.2』『マイティ・ソー バトルロイヤル』と、間違いなくMCU作品はキャストや視覚効果、アクション、ストーリーそのすべてが高水準で非常に満足のいく作品ばかりだったが、「これだけの大所帯となったヒーローたちが一本の映画の中に収まり切るのか?」その疑問は未解決のままだった。

これは、新たなヒーローを登場させ、次回作の伏線を投入し、さらにインフィニティストーンの説明までねじ込み、どうにか一本の映画としてギリギリ保っている『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』という前例があったからだ(勘違いしないでほしいが私はエイジ・オブ・ウルトロンはめちゃくちゃ大好きであり、ラストのウルトロンとヴィジョンの問答は全MCU作品の中でもベストシーンのうちの一つだ)。今やアントマンにスパイダーマン、ドクターストレンジにブラックパンサーまでいる現状で一体どうやって話を綴じるのか?それは到底不可能な課題にしか見えなかった。最悪、ヒーローたちがHAHAHAと笑いながらサノスにパンチしてハッピーエンド!というシナリオですら受け入れる覚悟でいたんだ。


それをマーベル・スタジオは、ルッソ兄弟は、ヒーローたちはやってくれた。

それから先は知っての通りさ。


マーク1がテン・リングスのアジトから脱出した時、アベンジャーズをカメラがぐるりと一周した時、スターロードがノリノリで踊っていた時、空港でキャップとトニーが激突した時、インフィニティ・ウォーでヒーローたちが灰になっていった時……そのどれもが記憶に刻み込まれ、僕自身の血肉になっている。それほどまでにMCU作品は人生のかけがえのないものになっていった。この宇宙の拡大を、この目で、耳で、肌で、この体で実感できることはとても幸運なことだっただろう。いや、まだ過去形にするのはまだ早い。これから先もマーベル・シネマティック・ユニバースはどんどん大きくなり、また素晴らしいヒーローたちがスクリーンに現れることだろう。

世界は、宇宙の外の広大なユニバースを知った。無限とも言える可能性と、制御不能な未来を知った。だれもこの宇宙船の行き先を知らない。でも僕は信じている。彼らが光り輝く未知の世界を見せてくれることを。だれも予想だにしなかった未来を実現してくれることを。『アベンジャーズ/エンドゲーム』で彼らは僕たちにチケットをくれた。この輝かしい宇宙船に乗る片道切符を。ワクワクするだろう?この地平線がまだ道半ばの地点だっただなんて!

だけど今は、『アイアンマン』から始まった壮大なサーガに一区切りをつけ、最高のキャスト、監督、脚本家、プロデューサーそのほかこの映画に携わったあらゆる人々に感謝したい。そして敬愛するスタン・リー、素晴らしい宇宙を創り上げてくれて本当にありがとう。



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