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読んでいるようで何も読んでいない

たとえばメールを読んでいて

「おかわりはいかがですか」かと思ったら
「お変わりないですか」だった、

みたいな読み間違いが多い。非常に多い。

しっかりじっくり、
集中して読んでいるはずなのに
びっくりするくらい誤読している。

こういった調子の
「自分で間違って読んで、
それで勝手に早とちりする」みたいな
愚行が続くものだから
ついにはキャラクターまで作ってしまった。

また、誤読だけでなく読み落としも多い。


ある時はこうだ。
コンテストに参加しようとする。
キャラクターを募るコンテスト。

募集要項はいたってシンプルだった。
・キャラクターは1体
・背景は不要
・クレジット表記(©️azukimimiko)しない

ふむふむ、なるほど。
そうして私が描いたキャラがこうだ。

2体、かつ背景付き。
たった3つしかない注意事項のうち
2つも破っている。これはひどい。

「ふむふむ、なるほど」などと言いながら
実際は一文字も読んでいなかったのではないか
というほどの無視っぷり。

結局そのキャラクターは、
強引に接触させて
「くっついてれば1体」という
独自のルールを開拓し、

背景にいたっては
「これは背景じゃなくてキャラの一部だ」
とかなんとか暗示をかけて
強行突破で応募した。

ルール違反で落選しそう。


他のコンペの時もそうだった。

張り切って参加したアイデアコンペ。
募集要項を何度も何度も読んで、
いつでも見れるようにと、印刷までして
読み込んだ。

それにも関わらず、メインテーマである
「気持ちに寄り添う」を思いきり無視。
我が道を突き進んだ作品を提出。

一体、私は
募集要項の何を読んでいたのだろうか。

しかも作品形態すら
規定と異なっていたらしく、

担当者から直々に
「みみこさんすみません、今回のコンペ
なんですがこういう内容でして…」
と連絡が来て、
しっかり読んだはずの募集要項が
もう一度送られてくるという始末。

脳天が地球の核に到達するまで
土下座して謝りたい。

だが1つ弁明させていただきたいのは
決して悪気はないということだ。

むしろ、己の愚かさをよく知っているので
これ以上過ちを繰り返さないよう
いつも念入りに読み込んでいる。


それなのに、それなのにだ。

この日本語のできなさは一体何なのだろうか。
実はアメリカ人だったりするのだろうか。

それにしては欧米の血が流れていそうにない。

よくこの頭で国語のテストなんか
できていたものだ。


そしてこの、ざんねんな生き物の
さらに残念なところは
インプットだけでなくアウトプットも
下手くそだということだ。

つまり書き文字。
漢字の間違いが一向に改善しない。

学生の頃の話をしよう。

中学生の私、ちょっと絵が描けるからって
クラスTシャツやら、うちわやらの
デザインを任されることになった。

意気揚々と書き上げる。

出来上がる。

印刷される。

多い。横棒が一本多い。
「超最強」の「超」が
ムカデと化している。

印刷されてから気づく私。
血の気が引いて脂汗が吹き出た。

こういった具合の過ちを繰り返し、
私の誤字歴史は
深く刻まれていったのだった。



文字を書くことを覚えてから
今日まで、安定して末期の私。

そしてこの重症さは、
仕事にも影響を及ぼしている。

イラストの依頼を受ける時、
作成内容に手書き文字も
含まれていることが時折ある。

来たぞ書き文字…!

日常茶飯事に
「入浴」を「入溶」と書いてしまう私は
厳重に注意。

たとえどんなに簡単な漢字でも
毎回Google先生と一緒に確認する。
2回、3回確認する。


間違う。

クライアントからメール。
「みみこさん『乾』がくるまへんになっています」

申し訳ない。
この星の寿命が続く限り謝りたい。


ある時は「気を付けてください」と
お叱りを受け、またある時は
「私共も気づかずすみません」と
謝らせてしまう。

どちらにしても、ごめんなさいでしかない。


一体、いつになったら私は
立派な日本人になれるのだろうか。


落ち込んで隣を見ると母、

クックパッドのレシピ
『材料はたったの5つ⭐︎簡単お好み焼き』
を見ながら、2つ入れ忘れて
完成させている。


さらには父。

目の前にあるジャムを
ないないと言って探し続け
とうとう冷蔵庫に「閉めろ」と
催促されている。

これはダメだ。
目腐れDNAが家族全員に刻まれている。

私は諦めてヤクルトを飲むことにした。

おしまい


最後までお読みいただきありがとうございます!いただいたサポートで体にいいごはんを犬と猫に買ってあげようと思います。