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恋愛ができないのか、セックスができないのか。ノンセクシャルの婚活の話。


昨日、初めてノンセクシャルの女性とお話した。

ノンセクシャルというのは、恋愛感情は持つけれど、他人に対する性的欲求を持たないセクシャルマイノリティのこと。妊娠出産については結構個人差があるらしい。

に対して、アセクシャルというのは、恋愛感情は持たないけれど、性的欲求はある人のことを指す。

実をいうと、うちの会員さんの中には、アセクシャルの会員さんがちらほらいる。でも、当人たちはアセクシャルという言葉自体知らなくて、自分は、恋愛感情を抱きにくいんだろうなぁーと漠然と分かってるだけのケースが多い。だから、恋愛抜きで結婚ができる!という弊社のうたい文句に惹かれて入会するアセクシャルの方が多いのだ。実際、アセクシャルの成功事例はたくさん見てきた。
体感的にも、やっぱり腐女子には、ノンセクさんやアセクシャルさんが多いと思う。


数年前、恋愛感情を他者に抱かない人が、会員さんの中に結構いると気づいてから、アセクシャルについてよく調べるようになった。だからノンセクシャルという単語の存在は知っていたのだけど、あまり身近な存在じゃなかったので、そこまで気にしていなかった。

でも今回ノンセクシャルの方と出会えて、実際にお話しできて、本当によかった。むしろ今までこんな知識不足で婚活事業に従事していたことを、恐怖すら感じる。

婚活において、アセクシャルとノンセクシャルの違いを理解するのはめちゃくちゃ大事だ。

恋愛ができないのか、セックスができないのか。

天と地ほど違う。
これを当人が知らないと、婚活期間は地獄の拷問期間と化す。
アセクシャルこそ、その特性がお見合いという恋愛不要のシステムにドはまりするのだが、ノンセクシャルの場合、急に婚活の難易度が上がる。

私は今まで、アセクシャルだと推測する方に対してもノーマルの方に対しても、「手をつなげるかどうか?キスができるか?夫婦になって性交をすることになっても大丈夫か?」という基準を、相手を見るときの指標として用いていた。
「ドキドキとかビビビッと来るとか全然ないんですけど良いんですか。」という質問をよくされるので、要はセックスできるかどうかで相手を見るよう勧めていたのだ。

こんなことノンセクさんに言っていたら、全員アウトに決まっている。

いや、待てよ。わたし、今思い返したらあの人ノンセクだったのでは、、という女性にも同じ質問をしている。

成婚退会する前、「うーん今は無理なんですけど、顔は好みだし、気も合うので、いずれ大丈夫になるかもしれません。今はそういうの無理だから少し待ってと彼に頼みました。」と彼女は不安そうに言っていた。

私は、彼女の夫となる男性のセクシャルの特性を把握していない。もし彼女が本当にノンセクだったとしたら、誰も悪くないのに、二人ともが不幸になる。

やばい。

ノンセクさんだってやっぱり将来や経済が不安なのだ。セックスはどうしても怖いけど、パートナーは欲しい。顔もいい。性格もいい。もちろん年収も。
だからセックスに対する恐怖抵抗感を押し殺して、飛び降りるのだ。結婚に。
ということは、私は、崖の先端に立つ彼女らの背中を押していた?

もしそうなら、どうすればいい。今から。

電話をかけるか。今更?会社に黙って?むりだ。

でもまだ籍を入れてないカップルもいるかも。
いやでも、それは全て私の勘違い見当違いで、ただの杞憂に過ぎないかもしれない。むしろ女性のほうが確信犯で、ふふふと笑っている可能性もある。

どちらにしろ、もう確認するのも怖い。

でもやっぱり、だめだ。何か変わるかもしれない。夫婦の話し合い方が。今週、連絡を取ってみよう。元気?って声を聞いてなにげなくさりげなく探ってみよう。

私がLGBTという単語を知ったのも10年前くらいで、最近ではもう、この単語を知らない人のほうが少ない気がする。でも、ノンセクとかアセクシャルって、どれくらいの人が知っているんだろう。私は少し前まで知らなかった。夫にも聞いたけど、知らなかった。

そういえば夫の職場にもいる。横顔が美しくさわやかな青年なのに人生で彼女を作ったこともなく、今後も作る気の全くない人。毎回飲み会で酔った上司にからかわれてるらしい。

私の前の職場にもいた。他のふわふわして可愛い女子からは、彼氏ができないから開き直ってるんじゃないの、と影で言われていた。

思ったより多いのでは。彼らがどれだけセクハラを受けてきたのか想像すると、胸がドキドキする。だって私も言ってたかもしれないから。誰かをどこかで傷つけてきたと思う。

これって、本当に婚活業界にはもっと広く知れ渡らなければいけないことな気がする。


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