クソ考察:Get Wildは農業への回帰

Get wild and tough ひとりでは解けない愛のパズルを抱いて

Get Wild / TM NETWORK / 1987

ワイルドであれ、タフであれ。
農業とはまさにワイルドでタフでなければ生き抜けない世界。

というわけでGet Wildは農業のことを歌っているというクソ考察を真面目に考えてみようのコーナーです。
あまりに歌詞を引用しまくるとJASRACに使用料を支払わなければいけないので、適宜脳内で補完していってください。

アスファルトとタイヤは都市の風景。しかしこれも、「農業の暗喩なんじゃないか」というフィルターに通せば違ったものが見えてくるでしょう。
つまりアスファルトは畑、回転するタイヤは耕運機のメタファなのだ、と。
このように、Get Wildは都市の風景を使って農業への回帰を呼びかける歌詞なのだと解釈できます。
「耕運機、畑切りつけながら」なわけです。夜が明けきらないうちから畑仕事に精を出すので、そりゃ暗闇も走り抜けます。
スリルと明日への怯えは、天候や気温に左右されやすい農家の不安な心境を表していますね。
その後の歌詞もわかりやすく、農産物を生産する自分と消費者との関係を「誰かのために生きられるなら」「なにも怖くはない」と語っており、日本の食を支える農家の誇りが読み取れます。

さて、サビを農家フィルターを通して読んでいくと、ここでも面白いものが見えてきます。
ワイルドでタフ、これはもちろん農家のこと、農業への回帰を解いています。愛のパズルとは、作物の品種改良を指しているのでしょう。たしかに、メンデルの遺伝についての発見のように、多くの育種家たちの努力によって品種改良という愛のパズルが解かれてきました。農業は自分一人の力ではなく、そうした歴史の積み重ねの先端にあるのだという感謝と敬意の表現です。
ここで突如、「この街で優しさに甘えていたくはない」と自省を促すのは、そうした農業の成果である農産物を消費する都市部への批判ですね。その続きの歌詞は、単にリソースを消費するだけでなく、「君だけが守れるもの」を探し、食料自給率を上げようという呼びかけと解釈できます。

「クルマのライトにkissを投げ」ている娘がなぜ「車道で踊」っているのか。「冷たい夜空をステージに」していることから、ここは屋外であることがわかります。夜のとばりが降りたあとも車のライトを頼りに後片付けをし、あるいは家路につく農家への祝福を表しているわけです。それが悲しい「おどけ」であるのは、そうまでして重労働をこなさなければならない農家の人手不足、後継者不足を、心の底では嘆いているからでしょう。
しかしそれも、「誰かのために愛せるのなら」という農家の気高い精神を強くしているのだ、と説いています。

ここで再びサビが来ますので、農業フィルターを通して読み解いていきます。
「一人では消せない痛み」。これは農家なら誰もが経験のある、台風や災害による作物の廃棄を意味しているととれます。一人では到底太刀打ちできない損害に対処するため、農協への加入を薦めているのです。
「この街で自由を持て余したくない」のはやはり都市部への批判であり、そうした災害時に、やれ電車が止まっただの、帰宅難民だのと浮かれ騒いでいる都市の人々と、自分の畑を命がけで守っている農家との温度差を表現しています。続く歌詞もそれを補強します。

サビの繰り返しです。意味はすでに解説したので省略します。最後は「Get wild and tough」、「ワイルドであれ、タフであれ」と農業への回帰を呼び掛けて歌詞が終わります。

まとめ

・Get Wildは農業への回帰を歌っているよ
・都市の大量消費ライフスタイルを批判しているよ
・先人たちの試行錯誤を讃えているよ
・農協への加入を薦めているよ
・そんなわけねぇだろ


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