見出し画像

【井戸尻史跡公園】野点庵、遺跡で飲む珈琲

はじめに

 井戸尻考古館の周囲には商店はおろか自販機すらありませんでした。かつては井戸尻史跡公園のハス田の隣に農作物販売所があり、飲料の自販機がありましたが、農作物販売所は閉じたままで自販機もなくなってしまいました。
 実はそれよりずっと昔には、考古館の中(下足箱のあたり)に自販機が設置されていたそうです。少し驚きですが、売り上げ不振だったのでしょう。いまでは自販機の存在を知る人も少ないようです。
 そして数年前から、ふたたび考古館に自販機が設置されました。今度は建物の外側にあります。ちょうど公用車(=軽トラ)のある前あたりです。売れ行きは分かりませんが、飲料すら買えないのは見学施設では不便なので助かります。

目立たせないところが井戸尻的

珈琲野点庵

 そんな、井戸尻考古館の飲み物事情をまず書いてみましたが、史跡公園の道路に面した駐車場に山小屋を思わせる茶色く塗った軽トラのキッチンカーが現れるようになりました。
 エンドレスに流れる「コーヒールンバ」のオムニバスCDの音響が聞こえ、「珈琲野点庵」と描かれた自作の旗が翻ります。
 コーヒーを入れてくださるのは荒川じんぺいさんという装丁家、森のエッセイスト、流木造形家など多彩な肩書きをもつおじいさん。数年前まで旧富士見高原療養所資料館の館長もされていて、有名な方なのですが、筆者は荒川さんのことは存じておりませんでした。スミマセン。

日よけテントで夏仕様の珈琲野点庵

 おそるおそる覗いて、コーヒーを注文したのが最初でした。そのあとは何度か訪れて、荒川さんが装丁を担当したミステリー作家さんたちのお話とかを聞かせていただきました。

景色の中で

 珈琲野点庵がオープンしたのはコロナ渦の2021年(令和3年)の夏です。長野と山梨にまたがり営業しています(末尾に週間スケジュールを記載)。保健所の許可は両県から個別にもらうため苦労されたそうです。
 常連さんやお友達がよく尋ねてきています。筆者のような若輩でも数回行って覚えていてもらえれば常連さんの仲間入りです。
 筆者のお気に入りは「水出しコーヒー」です。やわらかな味です。なによりもこの景色と遺跡の前で風にあたりながらコーヒーを飲めるのは最高です。

甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山が連なります
富士山が顔を出すはずですが雲に隠れていました

おわりに

 冬も営業されています。冬は風があたるので、けっこう厳しいものがあります。それでも、井戸尻へ行ったときには立ち寄りたいコーヒー屋さんです。
 野点庵の出店スケジュールです。(2023.11.23更新)
 月曜、定休日
 火曜、テンホウ富士見桜ヶ丘店
 水曜、テンホウ富士見桜ヶ丘店
 木曜、井戸尻史跡公園
 金曜、井戸尻史跡公園
 土曜、三分一湧水
 日曜、三分一湧水
 最新情報は荒川じんぺいさんのフェイスブックでご確認ください。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?