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美術覚え書き

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美術(アート)に関する様々な文章を集めています。 作品の見方、作者(画家)の面白いエピソードなど。 現在開催中の展覧会に関する記事もここに。
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記事一覧

尾形光琳《燕子花図屛風》

東京・表参道にある根津美術館には、年に1回、4月半ばからの約1ヶ月間だけ見られる作品がある…

新記事アップ~『北欧の神秘』

楽活さんに、『北欧の神秘』展(SOMPO美術館)に寄せた記事がアップされました。 スウェーデン…

テルマエ展へ行って考える

今日は汐留ミュージアムの『テルマエ』展の内覧会へ。 古代ローマの生活文化を、「入浴」を中…

もっと早く出会いたかった

「もっと早くこの画家(作品)に出会いたかったな」 先日、SOMPO美術館での『北欧の神秘』展の内…

新記事アップのお知らせ~ウスター美術館2本目

ウスター美術館展に寄せた2本目の記事がアップされました。 印象派の誕生と、その広がりを通…

気になる作品~「画家ボナール ピエールとマルト」

今年の秋に公開予定の映画『画家ボナール ピエールとマルト』が、今週末からのフランス映画祭…

鈴木其一〈朝顔図屏風〉メモ

朝顔といえば、たぶん多くの人にとっては、小学校時代の思い出と結び付いていることだろう。 私も、ベランダに名前入りのプランターが並ぶ光景を今でも思い出せる。 金地に花を配する構図は、尾形光琳の〈杜若図屏風〉に通じるものがあるが、鈴木其一の描く朝顔に、懐かしさよりも怖さに近いものを感じてしまうのは、葉や花の密集ぶりのせいだろうか? 蔓はどこまでも延々と伸び、葉を伸ばし、花を咲かせる。そんな予感がする。まさに無限の生命力とも言えよう。 鈴木其一の生きた19世紀の江戸は朝顔ブーム

ルソーの緑

エキゾチックなジャングルの絵で名高い巨匠アンリ・ルソー。ナポレオン3世時代にメキシコ遠征…

徒然日記

桜を描いた絵を探していたら、面白い人を発見した。 織田、という名前からも察せられる通り、…

モネの究極

印象派に焦点をあてた展覧会というと、必ずと言って良いほどあるのがモネの<睡蓮>。 会場で…

書きたいネタメモ~マネと二人の女性画家

前々から書きたいと思っているネタの一つが、この作品、マネの<エヴァ・ゴンザレスの肖像>。…

中尊寺金色堂展記事アップのお知らせ

『中尊寺金色堂』展の記事が、楽活にアップされました。 展覧会の予習として、奥州藤原氏に関…

マティス雑感~切り絵のルーツ

『マティス 自由なフォルム』展では、切り絵だけではなく、画業を志した初期や、彼の主要テー…

マティス 自由なフォルム内覧会~求道者マティスの見出だした答え

国立新美術館の『マティス 自由なフォルム』展の内覧会へ行ってきた。 コロナ禍で延期になっていたが、無事に明日から開催される。 昨年の東京都美術館での『マティス』展は、マティスの初期作品が中心だったが、今回はニースのマティス美術館のコレクションをもとにしているためか、マティスのキャリア全体を網羅しながらも、メインはやはりニース時代の作品、特に切り紙だ。 その目玉が、何と言ってもこの〈花と果物〉だ。 80歳のマティスによる、縦約4メートル、横約8メートルに及ぶ、文字通りの大作。