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はじめての虫垂炎

虫垂炎。
なかなかメジャーな病気だが、ならなければならないものだ。

わたしも30年近く生きてきて、もうならないだろうとたかをくくっていた。
人生とは予測のつかないものである。


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先に述べなければいけないのが、わたしはまだ「虫垂炎の疑い」であり、投薬による治療の途中であるということ。

あと2日ほどたたかって、その結果次第でこの先の治療方針が決まる段階である。


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始めに異変を感じたのは、爆弾低気圧が日本列島を襲った日であった。

猛烈な倦怠感とからだの痛み。
それだけならいつもとかわらなかったのだが、どうにもみぞおちから下に痛みがあるのが不思議だった。

寝ているほどに酷くなるからだの痛み。
なんだか嫌な予感ばかりしていた。

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次の日、発熱した。
微熱だが確実に体が温かい。
そして昨日より確実に体が痛かった。

この時期の発熱ほど恐ろしいものはない。
すぐにPCR検査を受けにいった。

陰性だった。

なんでやねんっ!
こんなに自然とツッコんだのは初めてだった。

あと鼻からの検査は、絶対に鼻血が出たと思うほど痛かった。
鼻血は出なかった。


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次の日、そう言えば便秘が続いていたな、と思いお腹を触った。
マッサージも兼ねて、と揉むように腹全体を押していて異変に気づいた。

右下腹部に触ると刺すように痛む箇所がある。

くしくも父が虫垂炎の経験者であったため電話をした。
「右下腹部を触るとお腹全体に痛みが走った。気がする。」という情報を得た。

なんとなくまずい気がしてかかりつけの消化器内科に駆け込んだ。


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平日の午前中だというのにものすごく混んでいた。

先に診察室に入った人たちは、多くが処置室へ回されビニール袋に押し込められた「下剤セット」を持って帰っていった。
そんなにカメラをする時期なのだろうか。


そんなことを思いながら2時間待ち、やっとわたしの番がきた。

ちょうど前回処方された漢方薬が切れるタイミングだったため、そちらの報告と追加の処方希望だと思われた。
ではお薬出しときますね、を先生が言いきる前に実は!と話を持ち込んだ。

発熱があったこと。
みぞおちより下に張ったような違和感があること。
右下腹部に刺すように痛む箇所があること。

ひとつずつ伝える度に先生の顔は曇った。
そしてその病院で初めて触診を受けることになった。

結果、痛む箇所はドンピシャ虫垂であることが分かり、急きょ血液検査が行われることになった。
もう午前の診療時間を1時間も超過しているのに申し訳なかった。


結果、凄まじい炎症状態であることが分かった。
白血球数は10000を軽く超え、炎症反応の数値もオーバーしていた。

自覚症状と検査結果から、虫垂炎の疑いと診断されるに至ったのだ。


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今回のことで一番怖いと思ったのは、発熱したらとりあえずPCRをしないといけない状況であることだ。

実際、現在の医療現場では、発熱があったにもかかわらず陰性だった人たちの原因探しがより手間で、なおかつとんでもない病気が見つかることがままあるらしい。 

わたしは自覚症状を頼りにすぐ消化器内科へ行けたが、そうでなければどうなっていただろう。

コロナの新たな恐ろしさを知った機会であった。


おしまい。

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