Are you okay?
私は英語が好きだ。
映画が好きで10代の頃から無我夢中で色んな作品を観た事が大きい。
映画を観る時はやっぱり字幕派。
俳優の表現力や声も存分に楽しみたいのである。
故にリスニング力は人並みにあると自負している。
部屋に閉じこもってばかりだったが短期間、海外でのホームステイも経験した。
しかし大人になり、英語と全く縁のない生活を長らくしていると、突然の機会に動揺し自分の思っていた実力が出せずに後悔してしまう結果になるのだ。
以前、娘と一緒にテーマパークに行った際に3人掛けのアトラクションに2人で乗った。
久々のスリルに私も娘も高揚しながら、出発を待っていた。
すると、隣りに1人の女性が乗ってきたのだ。
アジア系の方だった。初めは日本人だと思っていたのだが、急に私に流暢な英語で話しかけてきたではないか。
要約すると、
スピードが出たりする乗り物は苦手なんだけど友達に大丈夫って言われて乗ったんだよね。これって本当にヤバいやつじゃないよね?
回転とかしないよね?
こんな感じの会話だったと記憶している。
突然の英語。
アトラクションもう始まる。
娘チラチラこっち見てる。
とりあえず何言ってるかは理解できた。
しかし、こんな時に気の利いた英語が出てこない。
出てきたのは映画でたまに見かける
まぁまぁかな、という表情と共に手の平をヒラヒラさせるジェスチャーのみ。
すると、相手から
ちょっとだけ?と言われ、イェースイェースと答えるにとどまった。
その時、アトラクションが出発。
ふと隣りを見れば誇らしい眼差しでこちらを見つめる我が娘。
聞かずとも何を考えているのかが伝わってきた。
ママ、英語喋れるんだ!すごいね!
このままでは、いけない。
せっかく英語を話せる機会だし、娘からの羨望の眼差しを受けた今、ジェスチャーだけで終わらせるわけにはいかないのだ。
アトラクションは佳境に入る。
ガタンゴトン揺れ、例の彼女も必死に安全バーにしがみつき、たまにウォウォと驚きの声を上げている。
大した事ないよと伝えたつもりではいたけれど、彼女にしたら全然大丈夫じゃなかったのかもしれない。
よし、アトラクションが終わったら彼女に私から話しかけよう。
でも、何て言う?
こんな時に使える英語は何だ!
周りの絶叫を背に私は無我夢中で思いつく限りの知恵を絞っていた。
よし、あれしかない。
私は心を決めた。
アトラクションが終わり、安全バーが上がる少し前。
今だ!
Are you okey?
言ってやったぞ娘よ!
勝ち誇る私。
すると、彼女はアトラクションが無事に終わり安堵したのだろう、怒涛の英語を私に浴びせかけてきた。
要約すると、
ありがとう。やっぱ最後の方とか怖かったんだけど、まぁ何とか大丈夫だったかな!
ってか、うるさくなかった?ごめんなさいね!
とにかく大丈夫よ。ありがとう。
こんな内容だったと記憶する。
もちろん、私は全身全霊で彼女の英語を受け取り、たまに微笑み、映画で培ったジェスチャーで乗り切った。
全てを終えて外に出たら青い空と光輝く娘の眼差し。
ママすごい!
私はその一言に👍ジェスチャーで答えた。
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