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闘いの挽歌【テキトーでも上々移植】

カプコン 1986年12月24日発売

原作は同年に発表されたAC版となっています。

忠実な移植を目指したと云うよりは、ファミコン向けにマイナーアレンジを加えた作品となっています。

これまであった同社の移植作品とは違っていて、純粋にゲーム部分を再現しようとしている節が見受けられます。

今迄がグラフィックス7、サウンド2、ゲーム性1……と云う案配だとすると、本作はゲーム性6、グラフィックス4、サウンド2……ほどに変化していると云えるでしょう。

これにより「魔界村」などと較べて断然まともに遊べるレベルとなっています。

どのような理由で以て移植方針が変わったのかを知る術はありませんが、これは歓迎すべき方向転換には相違ありませんね。

穿った見方をするならば、ファミコン性能では致し方ないと云う理由で、AC版グラフィックスの再現を諦めて見たら、ゲームとして遊べるレベルのフレームレートを入手する結果が付いて来ただけ……とも考えられます。

原作であるAC版がマイナーであるが故、見逃され易い作品ではありますが、ゲームメーカーであるカプコンがファミコンへオリジナル作品を提供する前夜に、その岐路を確認させてくれる重要なゲームであったと云えるのかも知れません。

高難度で知られる原作をマイルドな風合いに調整した事で、現在でもそれなりに楽しめる作品となっています。スクリーンショットを撮る為にプレイして見たのですが、25年後に改めてゲームとしての「不朽」を考えさせられました。売上本数と話題性に優れ未だ語られる事の多い「魔界村」よりもずっと楽しめるゲームであると肯える皮肉を以てして。

2011.12.09

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