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【ネタバレ注意】「ミッドサマー」の感想と考察|ルーン文字も解説💐

このnoteでは個人的に印象深かった部分について感想や考えを書いていこうと思います。

まだ見たことない人この映画を簡単に説明すると

透き通るような世界観でありながらも、とんでもなく刺激的な描写「家族」「共同体」とは何かを伝えてくれる素敵な映画です。
特に音楽と色彩は抜群に素敵です。🌼🌷🌼🌷

「究極に無駄な時間」とか「気持ち悪すぎて無理」とか言われてますけど、全然そんなことはなくて、個人的にはめちゃくちゃ好きな作品でした。
2時間20分早!みたいな感じです。🌼

宗教とか倫理が好きな人、頭の固い人には是非見てほしい映画ですね💐💐

クリスチャンはクズ

あくまで個人的な感想ですけど、クリスチャンは相当なクズ野郎だと思いますよ。

・冒頭から「ダニー」に対して億劫そうな態度で接する
・1年前から別れようとしてる
・ダニの家族が死んだときでさえ、何も言わない
・旅行の計画も教えてくれない
老夫婦が死ぬ「ättestupa」でもダニーを心配する素振りは見せず

それに対してダニーは「クリスチャンラブ!」みたいな感じで進んでいっちゃいますからね、そういうところがこの映画のいいところ。

マジックマッシュルームの描写はガチ🍄

マークが「自然を感じろ、一体化しろ」と言っていますが、その通りです。
トリップの経験がある人ならわかると思いますが、このトリップシーンは軽くフラッシュバックを起こすレベルで精巧です。
呼吸する度に視界が歪み、ゆっくりと世界がグネグネしていく感覚。
ダニーはバッドトリップで発狂していましたが、他は気持ちよさそうでしたね。

気になる方はこちらをご覧ください

終始、花が動いたり、木が呼吸しているかのように見せたり。トリップの描写は監督がこだわっていたのかもしれませんね。

ダンスの前にも不思議なお茶を飲んでトリップしていましたが、あの描写は個人的にかなり好きです。
特にダンスの後半、ダニーが彼らの言語を理解し通じ合うシーン。絶妙に引き込まれます。

ダニー(フローレンス・ピュー)の狂演

彼女の「泣く演技」は本当に引き込まれますね。
独特な低温ボイスと嗚咽音、見ているこっちまで息苦しくなるような泣き演技をしてくれます。
終盤の悲しみを共有するシーンでは”共同体”と共に悲しみを分かち合っています。
全員で一斉に”ダニーの悲しみ”を表現するシーンは狂気じみていてこの映画らしい素晴らしいシーンだと思います。

ペレはどうしてダニーに固執したのか

冒頭で分かる通り、ダニーはいかれポンチ妹によって家族を亡くしてしまいます。
ペレが彼女を選んだ理由は、彼女が傷つき易く、カルト思想に染まるタイプの人だと思ったからでしょう。
この映画はカルト宗教がどんな人に、どんな影響を与えていくかを忠実に再現していると思います。

・脆弱な人を蝕む。
・愛する人との感情を断ち切らせる。
・同情し、相手に傾聴する。
・彼らを特別で高貴なものとして扱い、洗脳していく。

ᛞᚱとは何なのか

ᚱ:読み方は”ラド”
意味は乗り物・車輪であり、旅や成長、進化を意味している。
ᛞ:読み方は”ギューフ”
愛情、”日”の逆を意味している

監督曰く、この映画の為に「Affekt」という独自言語を作ったそうです。
“Every symbol has a unique meaning, and we assigned those meanings to specific characters,”
「すべてのルーン文字にはそれぞれ意味があり、キャラクターそれぞれに意味を割り当てました」
ということらしいです。
ダニーの服のルーンがいい例ですね
「ᛞᚱ」で彼女の新しい旅路(カルト宗教への帰依)を意味しているのでしょうか

石碑・老夫婦の終幕

このシーンは登場人物が最初にこの村への畏怖を感じるシーンです。
狂気じみたカルトの文化が生々しく描かれています。

ᚱᚱ↑”の部分に血が塗られています。
これはおそらく輪廻転生を表しているものだと思います。
は長い人生の旅路、↑は天国を意味しているのではないでしょうか

ペレの説明にもあった通り、72歳で命のサイクルを終えるこの村では転生が信じられており、死者の名は次の子供へと継がれるといいます。

ただ死ぬシーンはBGMも無くひたすらに惨いですね。
老婆は大岩に頭から落下し、まるで果実にように頭がぺちゃんこになります。
老父は垂直落下し足の骨がぐちゃぐちゃになるも一撃で死ぬことができませんでした、オーディエンスからは”痛み”を共感され、4人の執行人の手により頭を潰され生涯を終えます。
わざわざアップにしなくてもいいのにドアップで頭を潰すのですから、やっぱり監督はおかしいですね

Incest(近親相姦)によって生まれた神聖な”何か”

近親相姦によって生まれ、劣性遺伝子を持った少年。
村では人間とは違い、無垢で神聖なものとして扱われており、なかなか強烈なインパクトを与えてきます。
彼が村の指針を決めていたのか、シンボル的な何かだったのかは不明ですが重要な役割を担っていたのは間違いないでしょう。

生贄のラスト †THE SACRIFICE†

クリスチャンは熊の生皮に押し込まれ6体の死体、2人の生贄と共に聖堂で焼かれます。

ダニーは洗脳されていく中で自分に降り注ぐ不幸はすべてクリスチャンのせいだと思い込んでいるのではないでしょうか。
周りの”共同体”は生贄が燃やされていくなかで、己の穢れや悪いものを浄化せんとばかりに、踊りながら顔と体を掴んでいます。
ダニーにとってもそれは同じで、目の前で自分に取り憑いた穢れが燃やされていくのを見て浄化を実感しています。

ダニーの最後の笑み

最後にダニーがほほ笑んだのは、穢れは消え、孤児だった彼女に”家族”ができたからではないかと考えています。

終わりに

以上で考察?というかレビューは終わりです。
皆さんそれぞれ思うことがあると思うので自由な感性でこの映画を楽しんでください。
もし、「こんな風に思ったよ!」とか「これはこうじゃない?」
みたいなのがあればコメントください。楽しみにしてます


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