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過去を手放す

 慢性的な空虚感と虚無感に悩まされ、存在意義を求める生き方を試みた結果、薬物使用と自己探求による現実逃避に溺れ、もはや自分の行動に責任を持てないところまで自分を追い込んだ。

 第三者からみれば、それは4つの言葉に集約される「自業自得」としか言いようがないが、当事者からすれば、かつて経験したことのない敗北感と絶望感であり、無の世界は自分の作り出した投影に過ぎないことを理解する「奈落の底」であった。

 司法病棟にいる間、自分の過去と折り合いをつけ、精神的な死と向き合うプロセスを見つめながら、自分自身と向き合う機会を与えられていることに気づいた。何もない中でも自分に何ができるかを考えるようになり、同時に自分の過ちの原因についても考えるようになったが、それも自責の念や自己卑下に陥ってしまうため、本当の意味で自分と向き合うことではなかった。

 自分がどうなりたいか、どうしたいかを考えなければ、それに見合った思考や行動を生み出すことはできない。依存症は意志では治らないと教えられているが、新しい人生は意志から始まると考えるようになっていた。自分の意志がどこにあるのかを見つけ、そこから新しい可能性を生み出したい。自分に見切りをつけないために。

2015 3/24


すべての終わりは新たなる始まりである。

Unknown

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