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島のインじぃ言いたい砲台1

はじめに

 瀬戸内海のある島で発掘調査の仕事をしており、仮に「島のインじぃ」と名乗っておきます。最近、砲台調査に携ったことがきっかけで、各地の砲台を訪ねる”決意”をしました。

 趣味と実益を兼ねた仕事でいいなあとお思いでしょうが、実は砲台は苦手分野です。まず何と言っても“怖い”。ネットで調べると必ずと言って良いほど、👻👻スポットと書かれていて、そのうちチビるかもしれません。二つ目は古いものは大好物ですが、コンクリートとレンガの構造物にはあまり“古さを感じない”からです。

 とはいえ、この仕事を続けるなら、遺跡との“縁”は大事にしなければなりません。さらにごく新しい時代にもかかわらず、意外と資料も研究書も十分でないこの分野、とにかく実見してみなければ始まらんのであります。

 もし砲台に関わらなければほぼ知識も興味も無い状態で人生を終えていたであろう、そんな専門家ともマニアともほど遠い、素人にうぶ毛が生えたような現在進行形の解説です。間違いがあればご指摘ください。

兵庫県洲本市生石山砲台の説明板より

砲台とは何ぞや?

 「砲台」でなく「要塞」という言葉なら知ってるという人も多いのでは無いでしょうか?「要塞」がいろんな軍事施設の総称なら、「砲台※」は要塞の中で大砲を撃つ場所に限定した用語です。
 また要塞名には知名度の高い広域の地名が付きますが、砲台名はより狭い範囲の地名が付けられるため、どこなのかピンとこないことも多いです。

 そして大砲の種類・大きさ、築造時期等によって、砲台の構造も変わってくるであろうと、そこが調べどころなのだと考えています。
 私が発掘調査をするのは、カノン砲(上の写真と図)という大砲を備えた砲台で、まずは比較対象として“カノン砲の砲台”に焦点を定めます。他の大砲の種類や違いについてはいずれまた…

 下に全国のカノン砲の砲台を表にまとめました。全国の要塞11ヶ所中の砲台64
ヶ所、このうち一体いくつ訪ねることができるのか?この表は完成するのか?
 では未知数の現在進行形で、Let's Ho〜dying⁉️

カノン砲の砲台

※大砲を撃つ施設として「台場」という用語もあり、幕末頃を「台場」、明治期を「砲台」と言う場合が多いようです。
 また同じ「砲台」でも「堡塁(ほるい)」という用語が使われる場合もあり、前者が海上の敵船を攻撃するのに対し、後者は砲台の背後(陸側)で敵の上陸に備える役割を果たすそうです。

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