記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

20240316-映画の感想にネタバレがある

 映画を観てきた。「変な家」を。観てきた。
 今日の日記はほぼソレです。


【注意書き】
※以下原作も映画も普通にネタバレします。パンフの内容にも少しだけ言及します。
※原作読了。漫画も既刊3巻まで読了。オモコロの記事は読んでいますがYouTubeは未視聴。
※そして「個人の感想です」と言うくらいの予防線は張らせてほしい。













 ここまで改行して古のInternetだなとか思っている。




































 個人的には、あまり好きではないな……と思った。良くも悪くも原作の淡々とした理路整然さが私は好きで、しかし、映画はそれを一つの鍋に入れてぐちゃぐちゃにかき混ぜられている印象を受ける。

 原作からの改変がそれなりにある。改変自体に異を唱えるつもりは毛頭なくて、実際変えて良かったところもあるのだが、原作が好きな人間としては面食らってしまった。そこから自分のチューニングを「原作準拠の実写化映画」から「原作のエッセンスが垂らされたホラー映画」に合わせるのに少し時間を要した。

 あと、あまり好きではない理由として単純に苦手な要素があるというのも大きい。それについては後述。


 主人公、雨宮。彼の職業がライターからYouTuberになっている。こういう改変とかは別にどうでもいいな〜って思っていた。個人的にはライターという職業だと伝わりづらいのだろうし、YouTuberだとわかりやすくていいわね、と好意的な解釈をしていたくらいだった。そもそも、もとの小説がモキュメンタリーなので、そういう「別物(っぽいもの)」にするしかない。なぜなら「雨穴」としては描けないからだ。
 他の登場人物で言えば、栗原は変わり者だが整然とした印象だったものが、変わり者、の部分が強調されていた。柚希も、とても暗鬱な印象になっている。ただし、これはパンフレットの雨穴氏インタビューを読む限り、そういう要素のある人物のようなので、まあいいのだろうか。ここは漫画版の柚希のイメージに引っ張られているのかもしれない。でも、影があるのとただ暗いのは違うのでは?

 原作では慶太(綾乃の夫)が淡々と手紙で記したのみの箇所や、喜江が語る片淵の家について、映画では映像になっている。それらがホラー要素の増強に一役買っていた。それはある程度予想できていたけど、いやでも、桃弥くんにその要素は必要だったんだろうか。
 なお、片淵の家の歴史についてはかなり簡略化及び若干の改変がされている。また、ようちゃんが亡くなった話も全カットされている。
 幻覚剤という存在、見た目のインパクトが抜群の高嶋政伸演じる清次、チェーンソーを振り回す祖母の文乃、因習村の皆さん。インパクトがすごい。なんとなく、雨宮と柚希が車で本家に向かうシーンの演出でこれはなんかあるやろな、と思ってしまった。実際は松明を持ち仮面をつけた村人の皆さんが大挙してきた。なんで?

 あと、個人的に「幻覚剤」という謎アイテムがよくわからなかった。綾乃や慶太を支配していたのは「因習/呪い」に支配され続けている「人間」からの恐怖(逆らうと何をされるかわからないという恐怖)なのであって、そういう薬剤で正常な判断力を奪うというのはなんか違うなあって……。あと気になったのは幻覚と現実の曖昧さ(これはわざとかもしれない)。

 ただ、原作はあまり明確な結末というものが描かれないのに対して、映画では余韻を残しつつちゃんと話を締めていたのは良かった。あの結末はより、なんか、嫌だったが。抜け出せていなくて。柚希が気の毒すぎる。

 さて、個人的な苦手ポイントがいくつかあった。
 冒頭、栗原がいちごのパフェらしきもののクリームをグッチャグチャに掻き回すシーンがある。あれが本当に駄目だった。食べ物をぞんざいに扱われるのが私は本当に苦手。
 あと普通に家に忍び込むっていうのも、「それ建造物侵入もしくは不法侵入じゃないの!?」みたいな部分のほうが気になってしまった。
 それと、YouTubeの再生回数についてめちゃくちゃ言ってくるマネージャー柳岡。彼が出てきては再生数について雨宮にチクチク言うのだが、そのシーンのたびに「こいつ嫌なやつだな……」と思った。演じてたのはCreepy NutsのDJ 松永氏なんですね。余談ですがBling-Bang-Bang-Born、最近めちゃくちゃ聴いてます。
 あと、これが一番嫌だったかもしれない。ジャンプスケアがある。ホラーが苦手ということではない。ジャンプスケアが苦手なのだ。本であればそういうことはないから読めるのに。そして本にそういう要素がないから油断していた。

 結果として、「原作がめちゃくちゃ好きな人」「原作改変に対する許容度が低い」「ジャンプスケアが苦手」みたいな人は見に行かないほうがいい。
 逆に原作小説未読の人はホラー映画として楽しめるのかもしれない。




 あと、エンドロールの原作協力にオモコロの名があって、長島さんと原宿さんとみくのしんさんの名前があった。知ってる名前だ!となった。
 長島さんとみくのしんさんは本名なのに、原宿さんだけ原宿なのか、と思った。オモコロ知らない人があのエンドロールで「なんかめっちゃすごい名前の人がいる!」とかならないだろうか。きっとそれはみくのしんさんの本名のことですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?