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少年法は必要なのか。

今日Netflixで東野圭吾さんの「さまよう刃」を観た。自分の娘をレイプの末無惨な形で殺された父親が、加害者に復讐しようと奔走する映画だ。

そして加害者らは17歳の少年である点が大きなポイントで、少年法という法律に守られる人間と、そうでない人間を描いている。

日本の少年法は少年の健全な育成を目的とし、非行少年に対する処分や手続きを定めている。少年事件は検察官が処分を決めるのではなく、全ての事件が家庭裁判所に送られ、家庭裁判所が処分を決定することを特色としている。

また、少年に対しては原則として刑罰(懲役、罰金など)ではなく、保護処分(少年院送致など)を課すこととされているのだ。そして2022年4月に、少年法が改正された。

主に18歳〜19歳の少年に対して従来よりも厳しく処罰することが可能になった。具体的には、改正法では18歳および19歳の「特定少年」に対する罰則が強化され、1年以上の懲役または禁錮にあたる強盗罪や強制性交罪などが逆送の対象とされるようになった。これにより、「特定少年」は成人と同様の刑事手続きで処罰される可能性が生じている。

これらの改正については、日本弁護士連合会からも問題点が指摘されている。改正法の施行に当たっては、拡大された「原則逆送」対象事件に関して、家庭裁判所において対象者の要保護性について十分な調査を行い、犯罪類型の幅や犯情の軽重、要保護性を十分に考慮して逆送の当否を慎重に判断することが求められている。

少年法撤廃論も当然あり、被害者遺族の心情や少年非行の抑制などの観点から一定理解はできる。一方で再犯率の観点だと、刑事犯罪で検挙された者の再犯率はだいたい50%くらいだが、非行少年が処分された後に再非行に及ぶ割合は30%くらいで、非行少年3人に2人は社会的に更生している、というデータになっている。これを高いと見るか低いと見るか難しい所ではある。

だが映画に描かれているのは、被害者遺族が少年への復讐をすべく、更なる二次被害を生んでしまう惨状だ。更生する未来へ希望を託すのか、被害者の気持ちを汲むのか、非常に難しい問題である。

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