2024/01/11 茶色の逸材+稲倉

今日は11時に起きた。昨晩は明け方まで起きていたのでこの時間に起きても何も問題ございません。
今日は言うまでもなく事務所ライブの日である。言うまでもないはずである。

メディアで人気の芸人さんとメディアに出ていない、いわゆる一つの売れていないと言われる若手芸人では事務所ライブの捉え方がまったく違うところが面白い。売れっ子タレントさんなんかは「事務所ライブはウケて当然のものなんだからそこを頑張っても何にもなんないよ」みたいな論調で語っている。若手にとっては何をかいわんや、他所のライブは友達と楽しく喋ることができたりノビノビとサロンシップくらい自由に過ごせる。そのライブでの働きが評価されて大きな仕事に繋がることはなかなかないもので、まだ気楽なのだ。自分を評価の対象とする人がいないからだ。別につまんないからって怒られもしない。
しかし若手にとって事務所ライブは事務所内とはいえ評価され、ランク付けされ、一挙手一投足が評価の対象だ。気づけば五木ひろしロボのような動きの若手のなんと多いことか。

そんなことはどうでもよくて、ようはいつでもどこでも自分が面白いと思うことをやればいいのだということですね。

というわけで、13時ころに家を出発して新宿Fu-に向かう。電車の中では日記を書きながら向かった。電車は早くて安くて便利である。
そんなこんなで、事務所ライブが行われる。もう何度も書いているが、辛抱強く書き続けるが、事務所ライブは昼の部、夜の部と二部公演だ。昼の部は自由なネタ。夜の部はネタ見せで披露したネタを磨いたものを、ということになっている。
昨年は、昼夜とどちらも着ているお客様もいらっしゃるからと昼の部も新ネタを作って披露していた。ただ、別にこれによってお客様から人気が出るとかは特になかったので今年はどちらも同じネタという日を増やそうと思っている。いや、こう書くとやる気をなくしている、それがお客様のせいだと言っているようだとなってしまうからよくない。もっと内側の話を言えば、新ネタを1日に二本披露するというのはパワーの消費が尋常でない。
いや、披露すること自体はいいのだが、いかんせんライブの一週間前くらいから、もっといい笑いを頂戴する方法があるんじゃないかと考えるのに、2本分となると髪の毛が抜け去ってしまいそうになるほどのストレスだ。
長生きも芸の内とは言ったもんである。こんな高強度のストレスを受けていると、ある日突然に心停止してもおかしくない。

私は世の中の矛盾を注視して生きてきた。どうやら確からしいと思ったことは、心と体の健康のために遊んだり、休んだりすると「なにをさぼっているんだ」「努力をしろ」と怒られる。一方、そう言われたのだから(言われそうだから)と頑張って頑張って、いよいよ精神がおかしくなると「なぜ休まなかった」「いい仕事のためにはいい休みをとらなければ」と怒られる。
もう うんざりである。なので私は私自身と絶えず会話して、行き過ぎたところは休む努力を、足りないところは行き過ぎる努力をすることにした。これもまたすべては自分次第という話になる。
皆さんも周りに流されず、自分を愛し、隣人を愛せよと私は伝えたい。うすおす。

今月はなんだかよくわからないが、「漫才若手強化会」の出番もないので気楽に過ごそうと思っている。1月は年始ですから気楽にいきましょ。

ここらで話が長くなりまして、この日記の投稿も遅れていますから、ライブの内容については割愛したい。ひとつ言えることは田川くんはあれだけ今回のスタイルのネタに文句を言っていたが、結局はお客様が笑って、先輩から褒められて気を良くしてくれていたみたいだ。まいったぜ。髪の毛が抜ける。そういえば、めちゃんこ白髪が増えている。近々、黒染めしよう。

今日は朝からご飯を食べずに過ごしていた。お昼にケバブサンドを一つ食べただけだった。めちゃくちゃお腹がペコちゃんだったので、帰りはいつもの西武新宿のルーローハンを食べて帰ろうと思っていた。まあ2000円くらいの予算で少しお酒も飲んで帰ろう。財布には確か4000円が入っている。Suicaのチャージ(自動チャージのSuicaクレカを作ろうとしたときは審査が通らなかった)をする分も考えればこれくらいお金があれば十分だ。
と、そのようなことを考えているとプロポーズのギシ(元舎弟の峯岸)御大から「今日は飲みに行きませんか」とのお誘いがあった。ぜんぜん行ってもいいのだが「今日は使えるお金が3000円しかない」と逃げ腰で返した。ギシ御大からは「まあまあまあ、みんな来るから」とのこと。むしろ面倒かもと思った。すると田川くんが「まあ来なよ!みんな来るからさ♪」となんやこいつという感じで言ってきた。今年の田川くんは今までの他者への悪事を反省して人と関わる機会を増やそうとしているから、強気なのだ。

居酒屋へ行って席に着く、ライブに出ていた芸人がたくさん集まっての大宴会だった。それも、ほぼ全員後輩だ。まずいって!使えるお金が3000円しかないと言ったはずだ。ギシくんにはあらためて「マジで3000円しかないよ」と言ったが「いいよいいよ」とのこと。まあ、そこまで言うならばまさか稼げていない先輩芸人が10人超えようかという後輩のお金を全額出すなんておかしなことはしないか。そこは男気のあるギシくんが補填してくれるのだろうと期待を込めて楽しむことにした。

茶色(プロポーズと爆弾世紀末の4人)は本当に変な人の集まりだなと思った。
会計になると、ならたくんがお会計をしまーすとおっしゃった。私は先ほど述べた通り、3000円しか出せないぞと思っていると、酒に酔った田川くんが近づいてきた。「ならたさんが茶色の四人と稲倉さんの5人で全額出そうと言っていて、ひとり8000円だって。」やばいって!無理だって!
いや、私は後輩芸人さんの食事にお金を出すことは嫌じゃないし、私もたくさん先輩に飲み食いさせてもらってきたから払いたい気持ちがある。そしてこの人数で4万円は安すぎる。もっと飲んで食えばいいのにとも思った。
しかし、今日の私は違う。本当に財布にお金が無いのだ。財布を再度見る。小銭で500円玉があった。なんとか4000円は出せる。

ならたくんが集金に回ってきたところで、全員の変なところが出た。
まずは田川くんだが、彼はお酒が入ると本当に最低な人間性が本性を現す。なんとかお金を払わないで済む方法はないかと動く。いろいろと喚き始めて、近くにいた田原かいようくん、嬉しい朝よしだくんが引いていた。あまりにも田川くんが払いたくなさそうにするものだから、二人がそれぞれお金を出そうとする。すると田川くんが喜んで頂戴しようとすると、ならたくんが「絶対に後輩には払わせねえ!」と貰おうとしない。
そこでギシくんが本当に足りなければ貰うことにしようと提案するも、ならくんがキレて、プロポーズの二人が変な感じになった。
このシーン、ならたくんの男気がかっこよく見えるが騙されてはいけない。彼は実家暮らしで税金も基本的には無税の男で、お金には苦労していないのだ。ミクロな視点とマクロな視点、大事にしていこう。

私はどうしても現金がないものだから、なんとか4000円を渡して500円玉でもって帰ることにした。ギシくんは店にケータイを忘れた。田川くんは払いたくなさそうにしていた。ならたくんは無税、無家賃の男だ。全員変人じゃねえか。あと、書き忘れていたが稲倉さんはとんでもなくバイトをしてお金があるはずなのに今月をあと1万円で乗り越えなければいけないらしい。どんな金の使い方しとるんじゃ。へんなやつらだなあ。

家が近い嬉しい朝のよしだくんと電車で帰った。よしだくんは田川くんの本性を初めて見たようでたまげていた。そして本当に面白い人ですねとおっしゃった。お笑いの世界でしか彼は生きられないのよと伝えておいた。

めちゃくちゃお腹が空いていたので、カップラーメンを食べた。ああ、ルーローハン食べたかったな。

今日面白いと思ったことは「茶色は逸材が揃っていることを見せつけられてしまった。そして田川くんはあらためて頭一つ抜けた変人だと痛感した。」

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。