2023/5/26 いかりを上げよ、帆を揚げよ。

いつ寝ていつ起きたかはもうわからない。
だいたいネタを考えるときはそんな感じだ。寝るという本能的な行動とネタを書くという理性的な行動、これが決闘する。
決闘とは言ったが、本能軍は食べる、飲む、飲酒、喫煙といった仲間をぞろぞろと連れてきている。ムシキングで言えば、本能軍はコーカサスオオカブトに蝶やカナブンがあたりをぶんぶん飛び回ってきーもちわりーな状態。一方、理性軍はコクワガタ単体である。

ネタを考えるっていうのはそれだけたいへんなんだよという比喩である。漫才師がこんなことを書くのは野暮天も野暮天、BIG野暮天というのはわかっている。
しかし、この日記だけは一切嘘を書かないと決めているので書いた。漫才のネタは全部嘘みたいなもんである。人と話すのも多少のおべんちゃらを入れてしゃべるわけだから、一か所くらい嘘を書かない場所を作らないとどれが本当の自分かわからなくなっていく。日記を書くのはおすすめです。

今日は夜に漫才協会の若手で行われるライブがある。
若手漫才師が、漫才の技術向上のために行う練習会のようなライブだ。ご協賛いただいたお客様には1000円をいただき、練習会をご覧いただく権利と交換している。

一組2本の漫才を用意して発表する。私はとにかく書いたわけだ。ぎりぎりまで書いた。いっぱい書いた。情熱大陸でのmiwaさんくらい書いたのである。

15時まで書いた。何時に書き終わるか見通しが立っていなかったので、田川くんには集合時間を連絡していない。書き終えたところでLINEのトークでネタの台本を送った。既読はつかなかった。16時に出発したので、そのタイミングで私は先に会場に入って練習しておく旨を伝えた。
16:30に田川くんは起きたようだ。ほぼ新ネタ2本の日に度胸あるな。17:30頃に到着するとのこと。

そこから支度して電車に乗って高円寺に17時に到着し、ぼそぼそと独り言を言いながらネタを頭に入れた。

今日は田川くんの変なところが存分に出た日だと思う。田川くんは基本的に自分以外の人間は全員下だと思っている。そうはいっても先輩や年長者は形だけでも敬わないといけないというのは知ってい。そのため先輩芸人がいる場所では緊張感をもって動く。今日のライブは全員なめることができる人たちなのでかなり気を抜いていたのだろう。変なことばっかりしていた。

私が一人で会場で練習していると、17:34にLINEが届いた。「俺は今、南の商店街あたりにいるけど、どこにいる?」というメッセージだ。
これはずるい行動だ。17:30頃に到着すると言った手前、前後10分くらいでの到着が相場だろう。しかし高円寺周辺に17:34に到着した。相場の時間を超えて遅刻ととらえられる可能性が出てくる時間だ。

私は事前に会場で一人で練習をすると伝えているのだから、当然会場にいるのはわかっているはずだ。しかし、お前がどこにいるのか探していたら遅れてしまったという嘘をつくるためのメッセージである。全部お見通しである。

このパターンは私もずっと田川くんと一緒にいるので知っているのだ。
例えば21時から公園で漫才の練習をする約束をすると、21時に最寄り駅などについた旨を連絡するのだ。彼の中でメッセージを送る時間が集合時間ならセーフだと思っているのだ。お見通しである。

ひとまず二人でネタを反復しておぼえる。ある程度おぼえたところで会場に戻る。戻る道中、ニュースの話をする。
岸田首相の息子が大暴れしていることについて話した。田川くんとしては、あれくらいのことで叩く日本は住みにくいなという意見だった。

いや感覚よ!

ニュースの話はいろいろな意見があるので日記ではなるべく書かないことにしているが、岸田首相の息子に近い感覚を持っていて面白いと思ったので書いておいた。

このあとライブが始まった。ライブの内容についてはいったん置いておこう。とても有意義な会になったと思う。

はやぶさ丸(旧・幸せの家)の笠生くん(以下、K氏)は直前まで2本のネタを書いて3時間ネタ合わせをして、臨んだそうだ。素晴らしい!

漫才56号(旧・感動タイガー 堀江さんの元コンビはわっしょい、わっしょいでの元相方の藤田さんは右脳左脳(解散)、現・ウーデンガーデン)のお二人はアリネタではあるがこれを磨いていきたくて臨んだそうだ。すばらしい!

プロポーズは完全アリネタを2本やっていた。Boooooo!Boooooo!
ブーイングの嵐だ。ヌートバーが打席に立つとブーイングではなく、ヌーイングが起こる。しかしプロポーズにはシンプルなブーである。
これが新人大賞ファイナリストの余裕というやつだ。うらやまCを超えてうらやまDである。

あと田川くんは2本ともネタの最後を間違えていた。

ライブを終えて堀江さんが飲酒をしたそうにしていたので、みんなで行くことになった。堀江さんは内臓を売ったお金で後輩に飲み食いさせている。芸人だなあ。
K氏は自身の性行為遍歴を嬉しそうに話していてよかった。なんなら性別は問わず、ここにいる人全員と性行為をしてもかまわない、自身の性器を触ってもらって構わないと言っていた気がする。
私も寝不足のところにお酒が入って記憶があいまいなので、間違っている可能性もあるということだけは書いておく。

それにしても、いあー多様性であることよ。漫才協会は思想・信条・性別・性自認・年齢・国籍・人種・障害の有無・おもしろい・おもしろくない(順不同)にかかわらず全ての芸人を受け入れる。最高の組織のうちの一つである。
凝り固まった私の脳に刺激を与えてくれる。

さあみんなも漫才協会に入ろうではないか。たくさんの漫才師が所属すると会費が安くなるので助かる。

今日面白いと思ったことは「やばいやつとコンビを組んでいる奴のほうがよっぽどやばい奴だということがわかる会だった」


昨日お越しいただいた皆様、ありがとうございました。
行こうと思っていたけども来られなかったという方は、来月の開催時にはぜひお越しいただければと思います。
6/20(火)開催予定です。

お越しの際にはぜひ、正直・誠実・一生懸命な私にご連絡をいただければと思います。

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。