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チリ:「10月18日運動」によるインフラ攻撃の犯行声明

英訳原文:https://freedomnews.org.uk/2023/07/13/chiles-18-october-movement-claim-responsibility-for-explosive-attacks-on-capitalist-infrastructure/
英訳原文掲載日:2023年7月13日
西語原文:https://lapeste.org/2023/06/manifiesto-del-movimiento-18-de-octubre-y-adjudicacion-de-ataques-con-explosivos-a-infraestructura-capitalista/
西語原文掲載日:2023年6月14日

英訳は、ローハン゠ライスによる。
画像は、Marcellablues / CC BY-SA 4.0 / プラサ゠デ゠ラ゠ディグニダー、2020年2月28日、カラビネーロスが投げた大量の催涙ガスで長い間広場で呼吸できなくなった。
(訳註:英訳原文と西語原文で異なる箇所は西語原文に従った。)

「10月18日運動」の声明

チリの民衆へ

最初に申し上げておく。資本主義インフラに三つの爆弾攻撃を行ったのは、私達「10月18日運動」である。「マウリシオ゠アレナス゠ベハス部隊」がバルパライソで、「ラフケンチェ゠ピルマイゲン部隊」がビオビオ州で、「ルイサ゠トレド部隊」がニュブレ州で、それぞれ破壊工作を実行した。以下にその理由を説明する。

チリに暗い時代が訪れている。これを象徴するのが、大衆に浸透するファシズムの萌芽だ。現在、保守的で退行的な右翼が主体となり、新憲法が起草されている。新憲法は今後数十年この国の運命を支配するだろう。ないしは、最低でも、単に独裁時代の憲法を維持するだけになろう。それにしても、資本主義国家の構造的弊害を明らかにした民衆叛乱から4年も経っていない。数百万人が結集して、AFP(年金改革)を拒否し、医療と教育の私有化に反対し、人間の生命に必要な水を守り、環境を保護し、不安定な仕事を拒絶していた。それなのに、どうしてこんな情況に至ってしまったのか?全て周到に準備されていたのだ。

セバスティアン゠ピニェラの犯罪政府が窮地に立たされ、2019年11月15日に和平協定が締結された。その後初めて、資本主義システムの秩序と組織的虐待を永続化させてくれる救世主が現れた。右翼と政治家階級全体は、ボリッチを使って当面のアジェンダを計画した。学生運動を引き継いだ年若い人物が事態を収拾できると理解し、制度基盤を変えて民衆の要求を反映する憲法制定公約を付け加えたのである。

新憲法という法的幻想は、パンデミックと同じぐらい、民衆を解体した。民衆は理解するチャンスを手にした。今や、全てが変わることは何も変わらないことなのだ。最初の憲法制定会議--与党政府と共産党が独占権を持っていた--は大失敗に終わり、寡頭政治集団・政治家階級・メディアによる充分練られた保守反攻の下地が作られた。彼等は無力な政府に対し独自の安全保障アジェンダを打ち出している。政府は何の対応能力もなく、その時までは新憲法制定議会を意のままに動かしていたのに、今では最貧大衆の中で右翼の支持率が上がっているのを見守っているだけだ。新憲法制定議会では、次の50年間、強力な自由貿易政策の下で新自由主義モデルが再編される。そして、安定性が保証される。市場が国から好き放題金を奪い続けるためには安定性が必要なのだ。同じことを1833年にリルケンで寡頭政治集団が、1925年にアレサンドリ政権が、1980年に独裁政権が行った。企みは繰り返されているのだ。

これが、ナイン-レタマル法の制定を説明してくれる。今や、刑事警察が叛乱中に人権を侵害しても、遡及的に免責される。そして今や、彼等は政治家階級と経済モデル双方を庇護する武装勢力として強化され、民衆の要求を迫る新たな暴動や結集に対抗している。その最たる例が、ビニャ゠デル゠マールのMarrichiwew(先住民族)の暴力的立ち退きである。数多くの家族が居住権を奪われている。

この法的-政治的枠組み全ては、間違いなく、所有権剥奪による資本主義的蓄積という新たなプロセスを強化しようとしている。経済成長を口実に、土地と水は(えり抜きの)新商品になり、先住民に損害を与えている。そして、ここでもまた、左翼を自称する政府は、TPP11協定の承認を表明し、ロスブロンセス鉱山会社の拡張を許可し、キンテロ・プチュンカビ工業地帯の汚染を許し、林業がワルマプ(先住民族マプチェの故郷)にもたらした生態系災害に対して全くと言っていいほど対策を講じていない。

まさにこの場所で、「マウリシオ゠アレナス゠バヘス部隊」がバルパライソの高電圧塔を、「ルイサ゠トレド部隊」がイタタの鉄道線路を破壊した。イタタの路線を使っているのは、アラウコ社の「ニュー゠ヴィレッジ゠セルロース」工場--アンヘリンニ゠グループの一部--の原材料だけである。この路線に人は乗っていない。乗っているのは、この林業会社のユーカリの木だけである。この会社がユーカリの木を伐採することで、生態系・イタタ川・周辺コミュニティが大きな被害を被っているのだ。

政治家階級と企業階級が企てた新秩序が、高貴なマプチェ族の抵抗を絶滅させようとしている。マプチェ族の昔ながらの領土は林業会社と地主に奪われているが、マプチェ族は日々彼等と戦っている。ここ数週間、政府は右翼と一緒になって、アンゴル拘置所にいるマプチェ族の政治犯を罰そうと画策していた。受刑者達を遠くの刑務所に分散させ、コミュニティと家族から引き離している。私達が知る限り、マプチェ族の抵抗によって、マプチェ領土内に利権を持つ資本家の情況は悪化している。だからこそ資本家は、マプチェ族の士気を挫いて服従させようとしているのだ。例外常態、かつてないほどの軍国化、政治家階級による立法アジェンダ。既に材木の窃盗に対する(新しい)法律が承認され、次には(林業王の)私有財産を保護すべく差押法が公布されようとしている。それでも私達は資本家が失敗すると分かっている。この情況に対峙して、私達は、マプチェ族の人々に、ハンガーストライキ中のマプチェ族政治犯に、抵抗するマプチェ族コミュニティに、友愛の挨拶を送る。今後の陰謀にご期待いただきたい。

「ラフケンチェ゠ピルマイゲン部隊」によるロスアラモスの高電圧塔の攻撃は、この文脈にある。この村落は領土内の弾圧政策を計画する中心地であり、カラビネーロス(チリ国家警察)と海軍特殊部隊の基地がある。この行動と同時に、私達は、ランカグア・コンセプシオン・プエルトモントに移送されたマプチェ族政治犯を即時アンゴルへ戻すよう要求している。

(ピノチェトに権力を与えた)クーデターから50年。私達は、躊躇する余地などないと明示した。右翼・ボリッチ・ボリッチの恥ずべき行為は、国民の団結を偽装して、歴史的区切りをつけようとしている。思い出してほしい。英雄達の血は固まっていない。最後の拘留者がどこにいるか分からないままで、容赦も忘却もない。犯罪者として逃亡を続ける人民に眠る時間などない。アレクシス゠ローペス・パンチョ゠マロ・APRA・全ての共和主義者・資本主義政治家階級といったファシストに、ハッキリ示す。おまえ達は私達の階級の敵だ。寝た子を起こしてやる。

チリ民衆に訴える。目を見開き、迫り来る新しいシナリオをしっかり見よ。自分の町で・環境保護グループで・労働組合で・学生連合で・アカデミーで、再度組織を作れ。10月18日に爆発した激情をもたらした諸原則を再び議論しろ。AFPをぶっ潰せ。医療と教育の民営化を終わらせろ。水を守れ。命を守れ。民衆のためのチリを取り戻そう。

叛乱で投獄された全ての政治犯、
マプチェ族、アナキスト、破壊活動分子に自由を。

新たな亡霊がチリを徘徊している。

10月18日運動
2023年6月14日

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