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ブローバック:イスラエルはいかにしてハマス創設支援からハマス爆撃に至ったのか

原文:https://theintercept.com/2018/02/19/hamas-israel-palestine-conflict/
原文掲載日:2018年2月19日
著者:メディ゠ハサンとディナ゠セイダーメド

(訳註:原文内のリンクの一部がリンク切れになっているため、当該リンクを削除しています)

ハマスはイスラエルを破壊したがっていますね?しかし、メディ゠ハサンがブローバックに関する新しい動画で示しているように、イスラエル政府高官は自分達がハマス結成を助けたと認めています。

ハマスについてあなたは何を知っていますか?

イスラエルの破壊を誓っていること?テロリスト集団で、米国欧州連合から非合法扱いされていること?ガザを強権的に支配していること?ロケット弾迫撃砲自爆攻撃で罪のないイスラエル人を何百人も殺していること?

しかし、ハマスが、「イスラム抵抗運動」のアラビア語の頭文字をとった名称で、ユダヤ人国家が存在しなければ、恐らく今日存在していなかったとご存じですか?イスラエルは、1970年代後半に、パレスチナの非主流派イスラム主義者集団を世界で最も悪名高い武装集団の一つに変えたことは?ハマスはブローバック(訳註:秘密作戦の意図せぬ副産物)だということは?

これは陰謀論ではない。1980年代初頭にガザでイスラエル軍政府長官を務めたイツハク゠セゲヴ准将のような元イスラエル高官に耳を傾けよう。セゲヴは後にニューヨークタイムズ紙の記者に、パレスチナ解放機構やヤーセル゠アラファート(彼自身ハマスを「イスラエルの被造物」と呼んでいた)率いるファタハ党のような世俗主義者と左翼に対する「対抗勢力」としてパレスチナのイスラム主義運動に資金援助していたと語っている

「イスラエル政府が予算をくれた」と退役准将は告白した。「そして、軍政がモスクに予算を与える。」

「とても残念ですが、ハマスはイスラエルが作り出しました」とイスラエルの元宗教問題担当官で20年以上ガザに勤務していたアヴナー゠コーエンは2009年にウォールストリートジャーナルに語っていた。1980年代中盤、コーエンは、パレスチナの世俗主義者に対してパレスチナのイスラム主義者を支援し、占領地で分割統治させないよう警告する公式報告書を上司に提出した。「私は(中略)この現実が目の前に飛び込んでくる前に、この怪物を解体する手立ての発見に尽力するようお勧めする」と彼は書いていた。

上司達は彼に耳を傾けなかった。そして、ハマスは、私が「インターセプト」の短編動画シリーズ第5回で解説しているように、その結果だった。ハッキリ言っておこう。まず、イスラエルはパレスチナの政治的イスラム過激派を増強する手助けをした。それがハマスであり、その前身のムスリム同胞団だった。そして、イスラエルは方針を転換し、過激派を爆撃・包囲・封鎖して壊滅しようとしたのである。

過去十年間だけで、イスラエルはハマスとの戦争を3回--2009年・2012年・2014年--行い、その過程でガザにいる約2500人のパレスチナ市民を殺害している。一方、ハマスが殺害したイスラエル民間人の数は、パレスチナの他の世俗的戦闘集団よりも多い。これが、ブローバックの人的代償なのだ。

「一連の出来事を振り返ってみると、私達は過ちを犯したのだと思います」と1980年代にガザに駐在していた元イスラエル軍アラブ問題専門家デヴィッド゠ハシアムは後に述べていた。「ただ、当時は、どんな結果になるか誰も考えていなかったのです。」

考えたことなんてないだろ?

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