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生活の建築知識.85

おはようございます。

新築工事とリフォーム・リノベーション工事では実施のために注意することに違いが大きくあります。
新築であれば基本的には図面通りに実施することが可能です。
しかし、もし問題が発生したときは大きく工事が遅延する可能性も持っています。
逆にリフォーム・リノベーションですと、必ずしも図面通りに実施出来るかはわからない可能性がありますが、問題が発生しても随時変更をかけながら進めることになると思われます。
みなさまが新居を用意する際にどちらかをご検討するにあたって、工事の違いによってどのような問題やその影響があるのかを今回は説明していきます。

冒頭ありました通り、新築工事は図面通りに実施されることが前提となっています。
契約内容が含まれているから当然と言えばその通りですが、それ以外にも新築をする際には届出を行わなければいけません。
また、瑕疵保険への手続きなどもあり、図面と異なってしまうとそもそも各検査に通らなくなってしまい、完工に至れないことが1番大きな理由だと思われます。
そのような背景から、図面とかけ離れることはまずないわけですが、いざ図面通りに実施出来ない問題があると厄介なことになります。
よく聞く問題としては地中障害です。
これは建物の基礎を作る前に地中に杭を打ち込むことが多いのですが、その時に地中内部にゴミや大きな石・岩などがあり実施が難しくなることです。
この時に杭の位置を再検討するのか、地中障害を取り除くのかしなければいけませんが、どちらも簡単な話ではありません。
建築申請の届出をする際には構造に関してもその内容を記載して行われます。
ですので、杭計画の大幅な変更があれば場合によっては申請し直しとなってしまいます。
申請し直すと早くても1ヶ月は工事を中断せざるを得ないでしょう。
一方で、地中障害を取り除くことはどの程度実施に時間がかかるかは正確に把握出来ないケースがほとんどです。
とにかく手を付けてみるものの、いつまでも障害が出続けるケースも耳にします。
もちろん他にも問題となるものはありますが、とにかく新築の際に発生してしまう問題は長期の問題となるケースが多くあります。

一方でリフォーム・リノベーション工事ではそもそも申請はほとんどありません。
ですので、書類上の制限は新築と比べればだいぶない状況となります。
また、改修の実施において図面通りに出来るかは既存の状態に大きく左右されます。
配管の位置が良くない、断熱材が実施されていない、防水が損傷しているなどしばしばあることで、そもそも既存の図面がちゃんと保管されていないケースも決して少なくありません。
もちろん契約上、計画図面通りに実施したいところですが、既存の状態を保障することは契約外となりますので、むしろ問題があればすぐに変更をしながら修正していくことが重要になります。
程度にもよりますが、もし図面通りにならず、変更することに手間取ってしまうと工期の延長や追加費用が発生しかねません。
そのような意味で、改修を行う際には業者もですがクライアントも迅速に対処しなければならない場面があるということをご認識ください。
変更が当たり前だという言い方になってしまってるかもしれませんが、もちろん大幅な変更ではなく軽微な変更がほとんどです。
改修を行う業者は、いかに軽微な変更を迅速に対処するかという能力が大切であり、慣れていないとズルズルと遅くなってしまうハメになります。

どちらにも一長一短特徴がありますが、どのような問題が発生するか認識しておけば、何を重視せてどのように対処すべきか整理しやすくなります。
間違いなく問題がないことが1番良いですが、高額な一点ものの商品であるため問題も多岐に及ぶ可能性が高いことをご理解頂き望んでもらえれば冷静な判断が下せることでしょう。

では、また。

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