【Sound #1】 3Dライブのサウンドメイクのこだわりをご紹介！
はじめに
はじめまして、バルス株式会社のサウンドチームです！
バルスでは、年間約50本の3Dイベントを制作しています。（※2022年、2023年実績）
3Dイベントは3DCGの表現はもちろん、照明や音など多岐にわたる要素で構成されます。
バルスのサウンドチームは、3Dイベントにおける音周りの業務全般（ライブで使用するシーケンスの作成、効果音の制作、当日のPAとマニピュレート、ライブ後に販売するBlu-rayのMix・MAやマスタリング等々）を担当しています。
これから数回にわたって、バルスのイベントにおけるサウンドメイクのこだわりや、個人でも実現できる音周りのtipsを発信していきます！
今回の記事は、バルスで行っているサウンドメイクについてご紹介します。
バルスのサウンドメイク
会場ありのライブ配信と配信のみで実施されるライブ配信で大きくサウンドメイクのアプローチが変わりますが、小規模な構成で実現できる配信ライブのサウンドメイクについて「空間の構築」と「インスト（カラオケ音源）の質感」の2点をピックアップしてご紹介します。
空間の構築
バルスでは、3Dのステージの形状や大きさによって、ボーカルやインスト音源の響き方の調整を行っています。
例：大きなアリーナステージの場合
大きなアリーナ規模のステージでの演奏・歌唱を想像した時、多くの人が「音が響くイメージ」を持っていると思います。
ライブや演劇用に設計された実際のホールは、使用用途にマッチした音の響きを計算して設計されるので想像した響き方と異なることがありますが、実際にこの「誰もがイメージとして持っている響き方」をベースにボーカルやインスト音源にかけるリバーブ（エコー）を作っていきます。
また、ライブ会場がある程度の広さになると壁に声などの音が反射し、その音が自分の耳に届くため、聴く場所によっては反響に遅延が付加されます。
それらを考慮して、上記のようなステージであれば、反響が長め、かつ左右への広がりが大きなリバーブ（エコー）と、大きく目立たない程度にディレイ（遅延した反響音）をMixするなど、3D空間の画とマッチしたサウンドメイクを行っています。
一方で、ライブハウスのような小さめ、かつ音を吸収する素材が壁に使用されていると推測されるステージでは反響を小さめにし、キレのあるサウンドになるよう調整を加えます。
上記ライブはライブハウスでのパフォーマンスを想定しているため、リバーブ（エコー）を弱めにセッティングしています。ラップのパフォーマンスも相まってリズム感を重視したサウンドになっています。
どのような場合も「音楽として破綻しない」ことを意識して、ライブを観るリスナーが音楽を楽しむ体験を得られるようサウンドメイクを行っています。
インスト（カラオケ音源）の質感
インスト音源も原曲の雰囲気を損なわない範囲で調整を加えて、ライブ感を演出していきます。
パラデータ（ドラムのキック、スネア、ギター、ベースなどのパート毎に分かれた音源）があればそれを用いてライブ用にミックスを行うことが一般的ですが、コンパクトに実施するライブであったり、パラデータが存在しない楽曲を使用する場合はパラデータでミックスを作成することが困難であることがあります。
そのような場合は、ミックス済み音源の低域やドラムのキックを調整することで、配信でありながらライブ会場で聴く音をイメージできるようサウンドを作っていきます。
音源に適用すると下記のような形になります。
今回は比較しやすいよう大きく処理を施していますが、実際は元のミックスを損なわないよう大きな変化は加えずに、ライブのノリを配信でも楽しめるよう演出することを目指しています。
これらの手法を用いて、時には要素を引いたり、新たな要素を付加したり、様々な処理を行なって3Dライブのハイクオリティなサウンドを作っています。
おわりに
バルスではハイクオリティな3Dライブを実現するため、サウンド面でも様々なアプローチを行っています。また、個人VTuberの方でも気軽に3Dライブを実現できるようなプランも提供しています。
とにかく3Dライブを実施したい！サウンドにこだわったライブをしたい！など3Dライブに関するご要望がございましたら、是非お気軽にご相談ください。
＜問い合わせフォーム＞
https://balus.co/contact/
次回は3DライブのBlu-rayやOP・ED映像のサウンド周りについてご紹介いたします。お楽しみに！
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