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ちび助に捧ぐ

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不妊治療を通して感じたことを私の感覚で書いてます。 気分を害される方がいたら、申し訳ありません。 私の記録代わりでもあるので、気分を、害された方はそっと閉じてください。 でも、も… もっと読む
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記事一覧

私は私とはぐれる訳にはいかないから
いつかまた逢いましょう
その日までサヨナラ恋心よ♪

ポルノグラフィティのサウダージ。

これは失恋をうたった歌だと思うけど、流産を経験してから、よくこの曲が頭の中に流れる。

私の場合、最後が恋心ではなく、我が子。

どんなに辛いことがあっても、私は私の人生しか生きられない。
だから、自分を見失うわけにはいかないのだ。

14歳で友達が亡くなった。
17歳の時

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それはね

移植1回目が着床せずに終わって、私は家のダイニングの椅子に座ったまま泣いていた。

まだ、始まったばかり。
1回目からうまくいくほど甘くない。

そう思って望んだハズなのに、涙が溢れてとまらない。

普通の妊娠と違って、顕微授精の場合、移植前に今回移植する受精卵の写真を見せながら、培養師が受精卵のグレードやこれからの移植について説明をしてくれる。

医師から私の子宮に受精卵が戻されると、今、まさに

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13.よく頑張りました

2 回の手術を経て、出血の原因は解消された。

やっぱり、胎盤の一部残留が原因だった。

なんて皮肉なんだろうと思っていたけど、術後、そうじゃないんだなと思った。

赤ちゃんがお腹の中で生きようと頑張った証なんだな。

それが今回たまたま悪さをしちゃっただけで。

改めて頑張った赤ちゃんの健闘を讃えたい。

本当に、よく頑張ってくれたね。

ママはまた君に会えるのを待ってるよ!

12.H先生

緊急搬送された大学病院は、前回、流産手術した病院だ。

その日の当直はS先生という若い男性医師で、その先生が対応してくれるということを救急車の中で聞いた。

私が絶大な信頼を寄せる女医のH先生は、本日当直じゃないから居ないらしい。

しょうがない。

夜中の12時に呼び出すわけにもいかない(笑)

だから、病院に着いて、ナースセンターの入口で、スタッフと話すH先生を発見したときは、思わず

「H先

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11.なんて皮肉なんだろう

前回の妊娠で、上手く胎盤が根付くことが出来ず、出血が止まらなかった。

そして赤ちゃんを失った。

それから2ヶ月後、再び大量出血で、緊急入院となった。

原因は胎盤の一部が子宮内に残っていて、そこからの出血ではないかということだった。

なんて皮肉なんだろう。

胎盤が根付くことが出来なくて、流産したのに、赤ちゃんが居なくなった後も、一部の胎盤は私の中に残り、容赦なく私から血液を奪っていく。

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10.ナイスファイトだぜ

退院してから、街で妊婦さんや子連れの方に遭遇した時に、自分はどう思うだろう。

想像も出来なかった。

貧血もまだまだひどくて、家の階段すらまともに上がれない。

貧血、ナメてた。
自分の身体が自分のものではないくらい重く感じる。
1週間くらい家にひきこもらざるを得なかった。

久々に外出した駅で赤ちゃんを抱っこしたママに会った。

あー、私が知らないだけで、この親子もいろんなこと乗り越えて来たん

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9.バイバイ、またね

次の日、14:00過ぎに手術室への入室コールがかかった。

病室を出る際、よいよこの子ともお別れかと思ったら、また涙が溢れてきた。

車イスで行くかと聞かれたが、首を横にふった。

どんなに辛くても自分の足で歩いて行きたかった。

手術台に上がっても涙は止まる気配なく、どんどん溢れてきた。

手足を固定された私の代わりに手術室のスタッフが「悲しくなっちゃうね」
と言いながら涙を拭き続けてくれた。

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8.絶望と希望の狭間で

病棟に戻ったけど、私は病室に戻りたくなかった。
同じ病室には、私と同じようなトラブルを抱えた妊婦さん達がいた。
その人達に動揺を与えたくなかった。

私の希望により用意された処置室は隣が新生児室だった。

「ゴメンね」「ゴメンね」
と泣きじゃくる私にダンナ氏も同じくらい辛そうな声で
「お願いだから謝らないでくれ」
と言った。

医師から今後の処置を聞く。
こうなってしまったら、出来るだけ早く手術で

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7.何も話せない

大学病院に搬送されてからの初診察。

内診台に上がってエコーを入れる。

あれ?先生、何にも言わない。

ずいぶんいつもより長くエコーを入れてるなと思ってたら、急にカーテンからH先生が顔を出し、

「赤ちゃんの心拍が動いてないんだ」

と告げた。

えっ?意味がよくわからない。

混乱する私の口から出てきたのは
「このあとどうすれば良いですか?」

突然のことに、悲しいとか、わかんなかった。

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6.安静

大学病院に入院後、私はベッドから1歩も動くことを許されなかった。まだ週数が小さすぎて使える薬もほとんどない。安静にしているしかなかった。
オシッコの管をつながれ、食事も歯磨きもベッドの上。

定期的に出血具合の確認をされる。

このまま無事に退院の日を迎えたい。

ジーっと時間だけが経つのを待っていた。

大学病院入院から3日目、夕方から、診察の予定。
珍しくお昼頃、お腹が痛かった。看護師から医師

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5.救急搬送

大学病院に向かう救急車に乗り込んだとたん、涙が溢れて止まらなくなった。
救急隊の人が「どこか辛いですか」って聞いてきたけど、今は身体より

『心が辛いです』

私はなんで救急車に乗るはめになっちゃったんだろう。
ただ赤ちゃんが欲しいだけなのに。
今も赤ちゃん頑張ってくれてるのに。

救急車に乗る前に医師から言われた
「何かあったら母体優先するので覚悟して」

そんなの受け入れられるわけがない。

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4.真っ赤な日々

妊娠7週目

職場でトイレに行ったら鮮血出血。
ナプキンが真っ赤に染まり、お腹は痛くないけど、怖くて怖くてたまらない。

速攻、不妊治療で通ってた病院に電話したけど、午前の診療は終了したから、午後3時まで待つしかない。
会議室で横になりながら、神様助けてと祈るばかり。

診察の結果は切迫流産だった。

このまま、仕事休んでって言われた。

赤ちゃんが助かるなら、なんでもする!

出血から3日後、再

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3.ようこそ

1回目の顕微授精は採卵、採精出来たけど、受精卵にならず。

仕事とのやりくりが大変で心折れそうになり、私の会社近くのクリニックに転院。

2回目の顕微授精で、受精卵2つ出来た。

移植1回目は着床ならず。

移植2回目

「妊娠してます!!」

やったー!!遂にお腹に赤ちゃんキター!!

医師の言葉が信じられなかった。
私のお腹に赤ちゃんがいるの!?

1回目の移植の方が受精卵のグレードが良かった

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2.結果

検査の結果、不妊の原因はダンナ氏の精子量と質だった。
数も少ないし、元気もない。

「顕微授精じゃないと難しいと思います」

精子検査と一緒に受ける予定だった人工受精も使える精子が見当たらなくて、出来なかった。

医師の言葉に動揺しつつ、逆に顕微授精なら、可能性があるんだ!!と希望が見えた。

でも、お金…どうしよう

そんな時、弟夫婦がマンション買うのに援助してあげたから、お前たちにも平等にって

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