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間違えも失敗も言えるようになれ!最初から裸だったら、何だってできる

先日 MIU404 を見返したと話をしたけれど、今日もそのお話しを。これも当時、あまり自分では気にしていなかった言葉だ。

そもそも主役である二人、綾野剛さん演じる「伊吹藍」と、星野源さん演じる「志摩一未」ばかり目で追っていて、その他の役どころの言葉ひとつひとつを咀嚼してはいなかった。

二周目の強くてニューゲームは面白い。概ねのストーリーがわかっているから、着目する点が違えば、自分の心に響く場面も変わってくる。

「間違えも失敗も言えるようになれ!」
「バーンって開けっぴろげによ。最初から裸だったら、何だってできるよ!」

これは第6話「リフレイン」のワンシーン。

志摩一未がまだ捜査一課に在籍していたとき。当時の相棒であった香坂刑事は、志摩に一人前の刑事として認められたい気持ちが溢れ、焦り、手柄をあげることを急いでしまった結果、証拠の捏造に走ってしまった。

その話を聞いた、警察庁刑事局長の父をもつキャリアの新米である九重世人は、ぽろりとこぼすのだった。

「俺が香坂刑事だったら…志摩さんに言えたかなぁ?自分が使えないやつだって…認めるのは怖いですよ」

その言葉を受けて、機捜のお父さん的存在である陣馬耕平は、九重の腕を強く握り、引き寄せ、真っ直ぐで鋭い目つきでこう言った。

「間違えも失敗も言えるようになれ!」

あまりに突然の、そして真剣な陣場の表情と声色に驚き、たじろぎ、言葉を失う九重。その様子を察した陣馬は、驚かせてしまったことをごまかすように、頬を緩め、茶化すように、しかし本気の想いを込めて、こう続ける。

「バーンって開けっぴろげによ。最初から裸だったら、何だってできるよ!」

自分のことを真剣に想ってくれる人がいる。自分は一人ではなく、支え合って前に突き進める仲間がいるのだと実感した九重。これが彼にとって、スイッチのひとつだった。

ウェブディレクターとして働いていると、よく思う。自分の失敗を認めるのはツラい。自分のせいでチームのみんなに迷惑が掛けてしまうのは、申し訳なさに潰されそうになる。

いや。正直に話をすると、迷惑をかけてしまったことへの申し訳なさじゃあない。自分の至らなさ、だらしなさを、自ら公表しなければならないことの恥ずかしさが、鉛のような重さで背中にのしかかる。

「自分がヘタをこいたせいで、自分の能力が低いせいで、その尻拭いをチームメンバーである皆にお願いすることになりました」と伝えることは、ホントに、ホントに苦しいことだ。

しかし陣馬さんはいう。「最初から裸だったら、何だってできる」と。

「自分が使えないやつだと認める」ということは、前提として「自分は、程度の大小はあるにしても、使える人間である」と認識をしているわけだ。

心の中で、自分に対する自信が、少なからず存在するということ。それが、慢心、傲慢、横柄、自分への過大評価、謙虚さの欠如、に繋がる。

スタートラインが間違っていたんだ。

そもそも、自分は何者でもない。何も持ち合わせていない。自分可愛さに、ありもしない物を守ろうとして、無い物を失うことに怖がっているだけ。

シンプルに考えるべきだ。間違いや失敗をして、まず最初にすべきこと。それは謝ることだ。自分を守ることではない。

常に一歩引いて、自分のことを後回しにし、他の人たちへの助けや支えになることを第一に考える。
「自分が他人よりも優れている」などという "驕り" を捨てて、常に学ぶ姿勢を崩さない。他者の存在を認め、尊重することこそが重要なのだ。

と、言葉にするのは簡単だけど、その心を持ち続けることは簡単じゃあないね。

しかし覚えておくべきだ。

謙虚で、素直で、そして何事にも一生懸命な人を、責めるような人はいない。他人のために振るった努力を、恥だなんて思う人はいない。

心を開け。裸になる勇気が必要だ。

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