Maharishi Institute:アパルトヘイトの傷を癒す教育機関
アフリカ大陸には、教育課題が山積です。
ただ、国や地域、同じ国内でもそのエリアやグループによって、異なる課題を抱えています。
アパルトヘイトが制度として終焉してから28年経った南アフリカでは、国内での格差が大きな問題になっています。
そんな状況下で、革新的な取り組みで、若者の未来を切り開いている教育機関について紹介してもらいました。
マハリシ・インスティチュートって?
マハリシ・インスティチュートは、ヨハネスブルグのダウンタウン(CBDやタウンとも呼ばれています)にある、高等教育機関です。
南アフリカの貧困エリアは、子どもへの虐待や暴力、ハラスメントなどが非常に起きやすい環境にあります。
子供のころに虐待・暴力を受けた子どもは、大きくなった際に”正しい”決断をする能力が低下してしまうと研究で示されています。
論理的に、頭でそうした方がいいと思っているのに、それができない。
そうしたハンデを抱えた若者は、大学に進学しても、途中でドロップアウトしてしまう人が多いのです。
そうした負の影響を緩和するために、瞑想(メディテーション)が有効だと言われています。そしてこの教育機関では瞑想がカリキュラムの一部にあり、卒業のために必要な学位になるそう。
奨学金制度も充実していて、卒業後就職率もよく、卒業後に給与の一部を母校に寄付することで、現役学生の学費をサポートするような仕組みになっているそうです。
南アフリカの失業率は30%ほど。特にタウンシップ(アパルトヘイト時代の非白人居住地)に限るとその数字が50%を下らないともいいます。
そうしたコミュニティでは、高校卒業率も高くなく、大学に行ったとしても卒業できない、卒業しても就職が困難など、課題は山積みです。
そのソリューションの一つとして、着実に卒業生を生み出し、変化を生み大している教育機関だといいます。
実は私のパートナーがこの創業者と繋がっており、そんな個人的なつながりでこの素敵な取り組みを知りました。
Webサイト(2022年10月参照)では、これまで14.5億南アフリカランドの寄付が卒業生からあり、現在2万人近くの卒業生が働いていて、就職率は95%。そしてそうした卒業生によって、養われた家族が15万人ほどだと推計されています。
こうした歴史的に抑圧されていた層の家庭では、今の世代が家族で初めての学位取得者であり、正規の仕事を得ているケースがほとんどなので、自分自身だけではなく、その家族(そしてアフリカンカルチャーだとほとんどの場合は、両親や子どもだけでなく、従兄弟や叔父叔母も含めた拡大家族)を養い、次の世代の学費や生活費をサポートすることも多いのです。
そんな教育機関、マハリシ・インスティチュートのWebサイトはこちら
今でこそ、卒業生の寄付のよって、持続的な運営をされていますが、もちろん始めた当初は、財団や企業などからの、寄付や融資に支えられていた事業。
教育が次の世代、しいては社会を良くするのであれば、こうした取り組みが、もっともっと広がってほしいと願っています。
ちょうど先日、エコノミストのこの動画を見ていました。
こちらは先進国の視点で、今の世代が親世代よりも稼ぐことができない時代になっていること、またソーシャルモビリティが低くなっている現代の課題について述べられています。
生まれた時の家庭環境が、そのまま将来の経済状況のヒエラルキーを作っている現状。
この動画の中にも、教育や教育制度の役割について触れられていました。
南アフリカやアフリカを見ていても、かなり面白い教育関係の取り組みがあるので、ちょこちょこ紹介していこうと思います。
それでは、今日はこんなところで。
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