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心が折れることを考えもしない傲慢な世界では助けを求めて叫んでも自助努力と谺するだけ

昔…自分が空想好きな子どもだった頃。
自分がもし、体が不自由になったらどうするか考えたことがあった。
そのときは「発信し表現する手段が残っているうちは生きられる」
と思っていた。

安易な十歳の俺。

五歳の頃から自分の中に表現したい何物かがあった。
生きることは表現することであった。
八歳の俺の詩。

   線路
電車が走り出す
線路も走り出す

線路が走る
線路が分かれる
線路が合わさる
見ていると不思議だ

電車が止まる
線路も止まる

小学二年生の俺の詩はたしか地域の文芸誌に載ったがなくした

やがて絵に夢中になり
美大に行きたい表現して生きたいと願ったが
親の反対でかなわず

(自分で働いて定年退職したら、雑誌のカット描きになりたい)

それが密かな野望だった。
四十代の俺。

お前さ、
事故で右手の神経やられるから。
そしたら、あっさり心が折れるから。
人間は驚くほど脆いぞ。

左手で描けとか口で描けとか
それは自分の表現にはほど遠い
それでも色々手段やツールは試したんだ。
ダメだったな。

描き続けていた奴が窒息した。
脳のどっかが壊れたらしい。
俺はうつ病患者になった。

死人同然になって、
ゾンビのように棺桶から起き上がって、
ショートストーリーを書き始めた。
詩を書いた。

川柳に出会った。

自分が表現したいことに限りなく近い物であった。

事故から二十年、川柳詠んで十年前後だと思う。
夢中で走って来たからな。

死ぬまでにひとかどの川柳人になってみせる。

野望。

だが、まさか落とし穴があるとはな。
Twitterで「脱うつ川柳2022」ってのがあって見てしまった。

この辛さネタになるからメモっとけ

Twitter「脱うつ川柳2021」受賞句

これが川柳なのか?
これが「脱うつ」として「良い」と評価される川柳なのか?
では、俺の地獄は「ネタ」なのか?
「メモっとけ」ってなんだ。なぜ指図できる。
俺の地獄はそんなに軽いのか?

川柳は、人を傷つけても目立ったもん勝ちなのか?
(そういう意見があった)

俺は川柳がわからなくなった。
詠めなくなった。
今ここ。

だからって死ぬのはなぁ、違うなぁー!

十歳の俺が叫ぶ。
まだ終わってないだろ。

ちょうど、AIに絵を描かせるのが話題になって
描いてみたんだ。
AIってバカだな。
不気味でグロテスクだぞ。
だが、パーツを描かせてレイヤーで重ねて表現すると多少ましだぞ?

そしてAIで描いた絵がこれだ。

Dream
Dream

俺、絵が描けるかもしれない!

ところが著作権の壁が…
AIはツールだと俺は思うんだが、
出来た絵の著作権はAIにあるんだと。

いや、俺は加工している。
コラージュだから、俺の作品じゃないのか?

どうもその辺は微妙らしい。

さて、俺は絵を描くのか?
それとも再び川柳が詠めるようになるのか?
人生、後半戦だいぶ切ってる。

俺は一歩踏み出した。

俺たちの戦いはこれからだ。

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