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二次障害ってなに@超簡単解説(全文無料)

今回は以前出てきた二次障害についてです。発達障害について説明していると避けて通れないのがこの二次障害です。今回は二次障害について簡単に解説していきます。
以前二次障害を紹介したADHDの対応についてはこちらも合わせて読んでいただけるとより理解が深まります。

二次障害とは

ざっくりいいうと二次障害とは、発達障害の特性を理解してもらえずに、周りから怒られたりボロカスに言われたりすることで、自信を喪失してうつ病などの別の問題が出てきてしまうことです。


できなかったら怒られるのは当たり前では?と思った方もいると思います。
ですが、発達障害というのは本人ではどうしようもないことがある状態なので障害という言葉がついているのです。

わかりやすくいうと、目が見えない人に「これが見えないのか!」と怒ったところでどうすることもできませんよね。言われたら嫌な気持ちになったり、ショックを受けてしまうことでしょう。

発達障害も、同様に本人にはどうすることもできないことでガミガミと言われると、嫌な気持ちになったり、「ボクはダメな奴なんだ」と自己肯定感を失っていくという現象が起こります。

特に、グレーゾーンや通常クラスにいる発達障害を持つ子は目が見えない場合や、肢体不自由と違って、ぱっと見では全くわからないものですから、周りの子や平均と比べて「これぐらいできるだろう。できないのは甘えだ」とされやすく、二次障害に陥りやすいのです。



では、自己肯定感を失った結果おこる、二次障害にはどんなものがあるのでしょうか。

二次障害の種類

● 体の不調……頭痛、食欲不振、不眠 など

● 心の不調……過剰な不安や緊張、うつ病、抑うつ気分、不安障害、適応障害、依存症、不登校、引きこもり など

● 行動面の問題……強い反抗、暴言・暴力、自傷、反社会的行動 など


体や心に出る場合もあれば、攻撃的な行動として出る場合もあります。そうした子が問題のある子として扱われてしまったりするのです。

二次障害が起こる理由


なぜ二次障害が起きるのかというと、周りからの理解がないと、「頑張っているのにできない」「僕だけができない」「またできなかった」という失敗体験を繰り返して、劣等感を募らせていきます。大人たちからは怒られ、同級生からはからかわれるという日々が続き、「どうせできない」と「自分はダメな奴だ」と全てのことに対して無力感を感じてしまいます。
こうしたどうせ何をやってもうまくいかないと思うことを学習性無力感と言います。

こうして自分を責めると心が傷ついて体の不調や心の不調が出てきたり、大人への信頼を失って攻撃的になったりします。


どんどん悪循環になっていくのがわかりますよね。大人と子どもの対立は基本的には大人の方が強いので一方的になり、場合によっては子どもの心や人生を破壊してしまうこともありうるのです。

このような、自己肯定感が下がって二次障害があらわれると支援が相当大変になります。おそらく世の中にある放課後等デイサービスなどの発達障害の支援をしている施設では、小学校中学年ぐらいまでに来てくれた方が自己肯定感があまり下がっておらず、スムーズな支援がしやすいと思っているのが本音でしょう。

それぐらい、二次障害が現れると元々の発達障害への支援に比べて難易度が上がります。より複雑に絡み合っていくと、ますます困難になっていってしまうのです。発達障害そのものよりも二次障害の方が問題と考える人もいます。

二次障害の予防と対策


なので、二次障害は予防と対策が非常に大切です。発達障害は生まれつきのものなので仕方ありませんが、二次障害は予防ができます。
有名な予防と対策は、

・周囲が特性を理解して、本人も困っているということに気付くこと
・特性を理解して環境調整を行うこと
・できることをまずは褒めていき、達成感を感じてもらうこと
・できないことはハードルを下げて、できるところに合わせて少しずつステップアップさせていくこと

自己肯定感を下げないことと、本人の特性に合った支援が何よりも大切です。



まとめ


二次障害というのは発達障害を理解されずに怒られて別の問題が出てきてしまうことでした。
発達障害は人よりもその悩みが理解されにくく、自己肯定感を失うことが多いです。
実際に、二次障害が起こると非常に複雑な問題となっていくので、子どものできることに注目して褒めていく。できないことはハードルを下げてスモールステップをしてできるようにして褒めていく。何よりも自己肯定感が大切です。うまくいかなくてもプロセスに注目したり、過去と比較して褒めていくという工夫が大切です。



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