レイヤリングについて思うこと。

今日は登山服のレイヤリング、とりわけ肌に一番触れるドライレイヤーというものについてnoteしてゆきたいと思います。

レイヤリングとは?

レイヤリングとは登山における服の着かたの一つで、ざっくりと言うと「重ね着をして、いろんな天候・気象や状況に対応できるようにしよう」というものです。

従来の登山業界では3レイヤリングが一般的で、それぞれベースレイヤー、ミドルレイヤー、シェル(アウター)の3階層に分かれています。

一般的には、ベースレイヤーは肌から汗を取り込んで逃がし、肌を快適に保つ機能を、ミドルレイヤーは保温を、シェルは過酷な外部環境から体全体を守る機能を持っています。

他方、数年前からファイントラックは5レイヤーシステムを提唱しています。以下にそのレイヤーの機能を示します。

ドライレイヤー:嫌水性の素材で肌を覆い、ドライに保つ

ベースレイヤー:ドライレイヤーから汗を受け取り、ミドルレイヤーに伝えると共に保温する

ミドルレイヤー:ベースレイヤーから汗を受け取り、発散するとともに保温する。

ミッドシェル:ほぼ全ての環境に適応し、行動間常に纏って体を保護する

アウターシェル:雨風雪等の過酷な外部環境から体を守る

・・・といった感じでしょうか。

僕的には「4レイヤー」かなぁ

いろんな意見があると思いますが、僕の体感としては5レイヤーを使う機会は殆どなかったです。ミッドシェルは、ミドルレイヤーとシェルの機能をある意味中途半端に持っているので、使いどころが難しく却って荷物となってしまう印象でした。

僕は安全志向なので、山がどんなに快晴であろうと、シェル(3シーズン時はレインウェア)は持っていきます。シェルを着ないということは天候がある程度安定しているということなので、ミドルレイヤーだけでも用が足りてしまうのです。

趣味は人それぞれ、山の状況も千変万化するので、かならずしもこれが正解とは限りません。それぞれのやり方があっていいと思います。

ドライレイヤーはすごいぞ

そんな中で革命的だと感じるのは、ドライレイヤーの概念です。

僕はめちゃくちゃ汗っかきで、アウトドア=汗との戦いと考えています。普段の生活でも尋常じゃないくらい汗をかくので、周囲の人に心配されてしまうくらいです。

そんな僕はどのように行動しようとも汗が出てしまいます。真冬であろうともそれは同じで、そうなったとき「汗冷え」は本当に深刻な問題でした。

僕が本格的に登山用具を買い揃えたとき、まず真っ先にこのドライレイヤーの導入を決心し、そして使ってみました。

温かいのです。行動している間、ずっと。

夏にも半袖を着ていきました。

不快じゃないのです。

そういうわけで、僕はここ数年間ずっと「4レイヤー」を意識して山を登ってきました。

KBTITの衝撃

ついこの間ランニングをしている時、汗をかいてシャツがビッタリと体にはりついてしまいました。どうにも不快でこれを改善する方法はないかとスポーツやさんを何件も周り、素敵素材のランニングシャツを探しましたがピンと来るものがありませんでした。

そんな時、頭にふっとミレーの発売したヤバいやつの存在がよぎります。

それはドライナミックと呼ばれる、種別としてはドライレイヤーとできるであろう装備でした。

発売当初から気になってはいたのですが、あまりにヤバいデザインに完全に一歩引いていたのです。

「これを期にちょっと試してみようか」

買ってきました。

色については、黒か白なら、絶対に白を選べと(口コミに)言われていたので白を探したのですが、残念ながら残っておらず、上下黒と相成りました。

着てみました。

鏡を直視できません。これは完全にアウトです。KBTITよりヤバいです。筋肉をつけることを決意しました。でもいいのです、性能がよければ。まずは試してみることから始めなければ。

KBTITで走ってみた

そんな訳で新装備の全身網タイツを着て、その上からふつーの速乾Tシャツと短パンを着て真夏の炎天下に走りに行ってきました。

するとどうでしょう。首から上は汗でダラッダラなのに、ドライナミックを着ている部分からは一切汗の感触がしないのです。

すごいを通り過ぎて若干気味が悪かったくらいです。

そして涼しいのです。服と肌の間にドライナミックによる空間ができて、汗を効率的に気化させているようです。

効果を実感した私は夏の山行で早速ドライナミックを使ってみました。標高2500mくらいの山に登ったのですが、汗冷えを一切感じません。また、暑さもさほど感じません。Tシャツを触るとグッシャグシャですが、肌に濡れている感じはありません。これは素晴らしいものだと実感しました。

濡れていない、汗冷えしないということは、当然ながら疲労度も全然違うのです。今回の山行は、いつもに比較して疲労が全く残りませんでした。

ドライナミックの欠点

山から降りたら待っているのは何でしょう?

冷たいビールと温泉です。

そんな訳で、山から降りたその足で温泉に向かいます。

料金を払い、脱衣所に行き、Tシャツを脱いだところではたと気づきます。鏡を見ると網タイツの怪しい男がそこにいました。

かなり刺激的な格好です。

そして脱いでみます。うっすらと網の跡が身体に残っているような気がしなくもありません。

これまたかなり刺激的です。

ドライナミックを脱ぎ着する時は、他人の目に注意することが必要であることをまなびました。

まとめ

ドライレイヤーはいいぞ!

ドライナミックは汗っかきには最高だぞ!

性能なら間違いなくドライナミック。

人目を気にするならドライレイヤー。



最後まで読んでいただいてありがとうございます!