コンサルはどうやってクソPJをねじ込んで会社を滅茶苦茶にするのか

 以前、noteにて「コンサルに潰されない為の正しい付き合い方」という記事を書いたのですが、その際に冒頭で
 https://note.com/bank_of_itabashi/n/n938ff6b0a0c8

「御社をつぶしたのは私です。 ~コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする」という本を紹介しました。

これも非常に示唆のある内容で良いのですが、作者は米国人のカレン・フェラン氏で、紹介される事例はほぼ米国の物です。近時、日本でも起きている類似の事例としては某地名のコンサルティング会社がコンサルを務めた企業が次々と不祥事を起こして会社が存亡の危機に立たされるという事態が起きました。勿論私自身は同社との付き合いはないのですが、様々なコンサルによって会社が侵されるという事態は間近で見てきました。そこで今日は彼らがどの様に来襲して会社を滅茶苦茶にするのか、その具体的な過程を書いていきたいと思います。

大企業の多重ファイアウォール

 突然ですが、一般的な大企業は様々なファイアウォールを備えています。そもそも変な訪問やセールスは受付を突破することもできませんし、問い合わせ窓口も外注していたりします。また何とかセールスに漕ぎつけても契約は全て調達部門を通じなければ不可であったり、そもそも反社チェックに引っかかれば全てがご破算です。取引どころか事業部の担当者とコンタクトする事すら一苦労なのです。コンサルで打ち込んでくるクソPJは正面から事業っ部の担当者が見れば正直言って愚にもつかない物も多く、正攻法でやっては無視されて終わりです。ではその様な中コンサルはどの様にしてどうしようもないクソPJを押し込んでくるのでしょうか。

意思決定者に突き刺さる

 答えは大変にシンプルであり、彼らは経営に近い役職者の俗人的な繋がりを利用してきます。「〇〇さんにご挨拶したいって人がいてね」と、繋がりのある相手に言われてしまうと容易には断りづらいのが立場のある人間です。コンサルはこうして役職者を会食等に誘い出すと興味のありそうな話題を引いて「分かっている」感をアピールしつつ、雑談の様なセッションを設定します。重役というのは実は結構孤独です。そこでじっくりと話を聞いてよしよしされ続けると案外コロっと落ちてしまいます。そこで満を持して件のクソPJを押し込みにかかる、という寸法です。

 真っ当に仕事をされている方であればここで一つ疑問を抱く筈です。役職者と言えば、業務を突き詰めて突き詰めて上り詰めたプロ。そしてブレーンを大量に抱えています。常識的に考えてそんな所にクソPJを投げつけた所でにべもなく撥ねつけられて終わるのが自然です。勿論、大半の物は現にそれで終わってくれるのですが、恐ろしい事にクソPJの中にはこれを突破してくるものがあり、すると現場を地獄に叩き落します。何故その様な事態が起きるのでしょうか。

何故クソPJがファイアウォールを突破してしまうのか

 この答えは一言で書くと、クソPJというのはとにかく見栄えが良いのです。とんでもなく革新的で、全ての問題を解決し、無理難題を推しつけられている自分の苦悩を解決してくれる、その様に一見して見えます。例えるのであれば「永久機関」の様な物でしょうか。それが実現しさえすれば正に世界のあらゆる問題が解決することになります。すると「これは素晴らしい!今すぐ検討を進めなさい!金も人も幾らでも使え!!!」となる訳です。そうして地獄の窯が空く事になります。しかしここでもう一つ疑問が浮かぶのではないでしょうか。それほど素晴らしい内容であるなら、同業他社・あるいは社内で何故既に検討・実践されていないのでしょうか。実はそこにこそクソPJのクソPJたる所以が隠されています。

何故クソPJは見栄えだけ良いのに絶対に上手く行かないのか

 ここまで来れば勘の良い方は気が付いたかもしれません。そう、クソPJとは故意にせよ、あるいは解像度の粗さ故に無意識にせよ、

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