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北欧ミステリ『特捜部Q―檻の中の女―』デンマーク映画 2020.5.9

自分の判断ミスで、部下一人を殉職させ、自分ともうひとりも重傷を負ったコペンハーゲン署殺人課の刑事カール。三ヶ月の治療を終えて復職したのですが、新設されたセクションに配属を命じられます。過去20年の未解決事件の書類整理。いわば閑職です。部下はシリア系のアサド。移民の彼にとっては、初めてやりがいのある仕事で、やるき十分。ふたりがまず選んだのは5年前の美人議員失踪事件です。

自殺、と処理されてはいますが、カールは捜査結果に疑問を持ちます。当然、その事件を担当した刑事はいるわけで、あまり目立った捜査をすればあつれきが生じます。が、ふたりはどんどん突っ走ります。失踪したとされるフェリー、議員の秘書や仲間、精神障害の弟、捜査は隣国スウェーデンでにまで広がり…。

「世界一幸福な国」といわれるデンマークですが、どんよりと曇った冬は、不幸せな感じで、ミステリーにはぴったりです。主人公のカールは、妻と別れて一人暮らし。妻がいま同棲している男の連れ子が、時折と彼の家に泊まりに来たりします。そんな家庭環境や、移民の相棒とのやりとりなど、おそらくデンマークのいまを感じさせるものなのだと思います。原作では多分そのあたり、かなり書き込まれているはず。シリーズが進むにつれて、わかってくるのでしょうね。

原作は、ユッシ・エーズラ・オールスンが2007年に発表した小説。現在までに7作が発表さえ、日本でも翻訳されています。全世界では評判で、シリーズ累計2400万部突破のベストセラーです。北欧ミステリーで10本あげるとしたら必ずリストに入ります。

カール役のニコライ・リー・カースは、先日WOWOWで観た『Face to Faceー尋問ー』では悪役のひとりで出演していました。

もう何本か観てみましょう。


2015.1.24 日本公開
原題:Kvinden i buret
製作年 2013年
製作国 デンマーク
配給 マグネット・コミュニケーションズ
上映時間 97分
監督 ミケル・ノルガード
原作 ユッシ・エーズラ・オールスン
出演 ニコライ・リー・カース/ファレス・ファレス/ソニア・リクター

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