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慣れない環境が辛いときほど、ダラダラ長居してしまおう

江原啓之さんの『スピリチュアル生活12か月』にこんな趣旨のことが書いてありました。

慣れない環境で気持ちが落ち込んじゃうのは、自分のオーラがまだなじんでいない証拠。そんなときはできるだけ長くその場にとどまる。もしくは、その場のムードメーカーになっている人のそばにいるようにする。すると、空気そのものになじんで、気持ちを前向きにできる。

同じようなことを、知り合いの心理カウンセラーの先生からも聞いたことがあります。

子どもの園や学校の新年度の保護者会は、初めての顔ぶれでめちゃくちゃ緊張する人が多い。そんなときは開始時間の15~20分くらい前、会場にまだ誰もいない時間から好きな席に座って待つ。すると、あとからどんどん人が入ってくる。

場の雰囲気というのは実は最初にいる人に左右される。だから最初からいることで場の雰囲気に飲まれにくくなり「自分は最初からいた」という事実が安心材料になって緊張しにくくなるといいます。

どちらにも共通するのは「いたくない場所ほど、長い時間いよう」ということ。その場にとどまる時間が長ければ長いほど「慣れない苦痛」がやわらいでいく…。


いやいや、でも、慣れないところにいると一刻も早く帰りたくなっちゃうよ…。そうです。そうですよね。

私もそうでした。

小学生の息子が少年野球をはじめて、土日祝の活動に父母もサポートのため任意で参加することになりました。そこで苦痛だったのが「お母さん同士の交流」です。

私はいろんな人と当たり障りない会話をするのが苦手です。協力して何かをするよりは、与えられた仕事を1人でもくもくとこなすのが得意で。

少年野球のお母さんの役割はお茶の準備、体調を悪くした子どものケア、「水分とってね~!」などの声がけ、試合の際のスコア付け、会場の片づけ・掃除など。

ただ働いている時間より「見守る時間」が圧倒的に多いので、お母さん同士で何かしら立ち話する時間も長い。ゆえに関係を良好に保つための気遣いが必要になります。そう。こうしたことをいちいち考えなければならないから、子どもが「少年野球、はいりたい!」といったときは、たじろぎました。

でも、入ってしまったのだから仕方ない。

自分にムチを打ち、最初が肝心と「今月からチームに入った○○です。よろしくお願いします」と初対面の人へのあいさつはキッチリ。分からないことは「これって、どうやってるんですか?」ときちんと聞く。こういうのって慣れている人には何のことはないけど、私にとっては2時間のトライアスロン終えたあとみたいな疲労感のある作業でした。

修行だ、これは武者修行なんだ… と思いながら、チームの子どもたちの名前を覚え、コーチの名前を覚え、お母さんの名前を覚え(下の名前でみんな呼び合っている)、活動に参加してきた4ヵ月。


結果、今は「気を遣って疲れること」がなくなりました。なんというか、「なかの人」になった感じです。

思い返してみると「なるべく顔を出す」という行為が、慣れるまでのスピードを2倍、3倍にしてくれたような気がしています。

別に必死こいて誰かと交流しなくても、その場にいるだけでその環境に勝手になじんでいきます。「まったく練習に来ないあのお母さん」より「いつも顔を見る、あのお母さん」のほうが、好意的に見られることは確かです。

私の涙ぐましい努力が実を結び、今は自分が手伝いたいとき、子どもが「見にきて!」というときだけ、練習に参加することができるようになりました。今までは「行かないと、ほかのお母さんに悪く思われそう」と思っていたのに。


居心地が悪いと感じる場所があるなら、一度でもいいから「帰らずに、そこに長くいる!」ってことが居心地を良くする近道だ、というお話でした。

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