カメレオン ジョニー・デップ

前作、アリス・イン・ワンダーランドは視聴してたけど、続きを見てなかったから、視聴してみた感想。

あらすじ―――――――――

アリスは3年間、父が遺したワンダー号で旅をしていた。
そして途中で海賊の襲撃に遭うが、なんとか難を逃れ無事にイギリスへ帰郷した。プロポーズを断った相手 ヘイミッシュがアリス邸を奪おうとしていることを知る。ヘイミッシュがワンダー号を渡せば、家は返してやると言うが、アリスの母親は納得しているが、愛する父の形見を失いたくないアリス。そこへアブソレムの声が。その後を追うとそこには鏡が・・・
その中へアブソレムは入っていくと、その後を追うアリス。

アンダーランドの世界へ来たアリス―――――――

久しぶりの面々に喜びを感じていると、マッドハッターの不調を知らせるのだった。
ある日、マッドハッターはいつものようにふざけて遊んでいた。その時、青い帽子を見つけた。それを見てマッドハッターは家族の悲劇を思い出した。
オルベンダッシュの日、赤の女王のペットのジャバウォッキーに家族が殺されたというのだ。

それを聞いたアリスは、マッドハッターの家へ。
マッドハッターもアリスの訪問に歓迎していた。その瞬間、
マッドハッターは”アリスだよね?君しかいないんだ。君はアリスだ!変わらない。だから俺の事信じてくれるよね?”と言う。続けて家族の話をするマッドハッター。”何年も前に死んだ。と思っていた。俺が初めて作った帽子だ!ずっと昔に父さんが捨てたんだ。だからここにあるなんてあり得ない!!なのに今、ここにある。帽子が無事ってことは家族も無事ってことになる!” マッドハッターは自分は家族の面汚しだと思ってた。父親は厳格な人だったと。ある時大喧嘩をした。でも謝らなかったことを後悔している。でもこの帽子があったってことはやり直しができるかもしれない!とアリスに語った。アリスは”貴方の家族は・・・ただ・・・。力になりたいの。あなたの家族はみんな亡くなったのよ。ずっと前に・・・連れ戻すことはできない。ごめんなさい”
そう言った途端、マッドハッターはアリスに信じてもらえなかった悲しみの怒りで、アリスを家から追い出した。

そのことを仲間に告げにいく。
白の女王が過去に行ってマッドハッターの家族を救う事を提案する。マッドハッターを救いたいアリスは危険を承知で承諾した。
タイムという時間を管理している人の元へ行き、クロノスフィアと呼ばれるものを借りるために――――――
タイムに事情を説明したが、借りることはできなかった。マッドハッターを助けたい一心でクロノスフィアを盗んでしまう。
過去に戻る先は、マッドハッターの家族が殺された日――――――
のつもりだったが、誤って赤の女王の戴冠式の日に来てしまった。
そこで若き日のマッドハッターと出会う。家族の居場所を訊き、一緒についていくと・・・赤の女王の戴冠式の式場だった。マッドハッターは女王に被せる王冠を差し出す役目だった。赤の女王の配下の者が王冠を乗せるその瞬間、赤の女王の頭に王冠が乗らず、無理やり乗せようとした時に王冠が壊れてしまう。それを見たマッドハッターは吹き出してしまう。それにつられて他の者たちも一斉に笑い出してしまった。そのことに腹を立てた赤の女王は復讐を言い出すのだったが、王様から女王の座にふさわしくないと赤の女王から妹の白の女王にすると言われ、赤の女王は妹の白の女王にお前のせいだと言って、出て行ってしまう。

吹き出してしまったマッドハッターは父親からきつく言われる。そのことに腹を立てたマッドハッターは家出をする。アリスはマッドハッターに今ならまだ間に合うから、戻ってとお願いするがマッドハッターは聞く耳持たず。
白の女王とマッドハッターの家族との話を偶然聞く。赤の女王の頭が膨れ上がったのは私の所為だと言う白の女王。そこでその原因を作った出来事がなければいいんだと思い、アリスはまた時間を遡る。

赤の女王と白の女王が小さい頃。母親の作ったパイの残り一個を白の女王がこっそり食べてしまう。そのことで妃様から怒られ、誰が食べたのか訊かれたが、白の女王は自分が食べたとは言い出せなかった。食べてないのに赤の女王が責められた。理不尽に腹を立て城を飛び出した赤の女王は、時計にぶつかりそうになる。それをアリスは止めるも結局、赤の女王は頭を打ってしまう。そこでアリスは思い出す。
タイムが ”過去から学ぶことはある!” と言っていたことを・・・アリスは過去は変えられないんだという事に気づいたのだ。
そしてジャバウォッキーがマッドハッターの家族を襲った日に遡り、家族が実は赤の女王に捕まっていたのだと知るのだった。

現在へと戻ったアリスは、真っ先にマッドハッターの元へ―――
マッドハッターは死の直前にいた。仲間たちも覚悟したような顔で泣いている。しかしアリスは諦めなかった。それに答えるようにマッドハッターが目を覚ます。アリスがマッドハッターに信じてあげられなかったことを謝り、家族は殺されてなかった!赤の女王のところにいると言うとマッドハッターたちと白の女王と共に赤の女王の城へ行くことに。
そこで手分けしてマッドハッターの家族を探す。女王の部屋で見つけたのは、アリのように小さくなった家族が容器に入れられていたのだ。しかしその瞬間、赤の女王が現れ、一行は捕まってしまう。赤の女王と白の女王はクロノスフィアを使い過去に行く。その時、同じく捕まっていたタイムが、過去の自分に見つからないように――――と忠告するのだった。

二人が遡った先は、白の女王がこっそりパイを食べた日だった。
陰から見ていた二人だったが、白の女王がやっぱり謝らないことに腹を立て赤の女王は、飛び出して過去の自分に対面してしまう。
その瞬間、赤の女王は一瞬にして固まってしまい、過去を変えたことで世界が崩壊していく―――――――

捕まっていた一行だったが、赤の女王の配下たちが牢屋を開けて助けてくれた。急いで後を追うアリス一行。
追い付いた矢先、世界が崩壊していく様を見て、クロノスフィアをタイムに返すべく急いで帰還するのだった。

急いで帰るも、崩壊はすぐそばまでやってきていた。
アリスは懸命に走る。最後の力を振り絞りタイムも時間を一瞬戻したが、崩壊は免れない。
クロノスフィアを本来あった場所に戻すその時、アリスは固まってしまう。

その時、クロノスフィアが力を取り戻し世界は再び時を刻む。
赤の女王が元に戻り、白の女王は嬉しがったがすぐに赤の女王は嫌そうな顔をした。パイ事件の日に正直に謝れなかったことを後悔していた白の女王は赤の女王に謝る。そして二人は仲直りし、マッドハッターは白の女王に EAT ME と書かれたお菓子をもらい、マッドハッターの家族は無事に元に戻る。
マッドハッターは家族と久しぶりの再会に喜んだ。そしてアリスに家族を紹介したい、アリスとここで暮らしたいと言うのだが、アリスは家族の元へ帰らなければいけない。家族の大切を十分に分かっているマッドハッターは、アリスと鏡の前で別れるのだった――――

現実に帰ってきたアリス。ちょうど船の所有権譲渡のサインをする瞬間に、アリスは母親に船はもういい。それよりも母親が大事だと言う。
母親はその言葉を聞き、プロポーズを断って正解だった。アリスの自分の意思を貫き通す子だ。だから私もそうするわ!と言って、書類を破いてしまう。
母親とアリスは共に、ワンダー号の船に乗って、新たな旅に出るのだった――――――――


今作は ”時間” ”後悔” ”家族” ”仲間” というキーワードが色濃く出ていたように思った。
父親を亡くしたアリスは、その現実を受け入れようと自分に言い聞かせているように映った。それでもまだアリスは父親の死を完全に受け入れ先に進むまでには至ってないかのようだった。
マッドハッターのと共に家族を探す旅の中でタイムと出会い、

過去は変えられない

仲間を信じる力 そして自分を信じる力

というものを見せてくれた。
冒頭のアリスは、時間は残酷だ。大切なものを奪ってしまう。という認識から終盤は、奪い去る前に与えてくれる。毎日が宝物。毎時間、毎分、毎秒が・・・そして父親の形見の懐中時計をタイムに渡す
というところで、父親の形見を永遠の時を生きるタイムに渡すことで、父親を思い出の中で永遠に残るという意味と、アリスが手放す事で、父親が死んだと言う過去の中に囚われていた自分との決別を意味することだと感じた。

マッドハッターがアリスに アリスじゃない!信じてくれないのはアリスじゃない!って言ったところは、家族が生きているという自分の勘を信じてくれなかったアリスを残念だと思ったという事で、自分の勘だけど、それを無条件で信じてくれるのはアリスだと理解していたのに、それが裏切られたという事でマッドハッターは悲しんだ。それはマッドハッターを通して、アリス自身が自分に向けた事の暗喩になっていると感じた。
アリスが自分を信じて、困難を切り抜けた航海の旅とは逆に父親の過去から抜け出せない自分、それがマッドハッターとアリスという構図を使っていたのだと。

今作の旅の中でタイムが 過去から学ぶことはできる という一言とが全てで、過去は変えられない。後悔や失敗の過去から学べ!! という事。
白の女王が謝らなかった事で、赤の女王は頭を打ち、膨れ上がる。そのことで戴冠式の時に恥をかき、誰も愛してくれないと心を閉ざし、都合が悪いと敵意を向ける。やり直しの機会の時でさえ、謝らなかった事で世界崩壊の危機に導いた、マッドハッターが父親に謝らなかった事で、謝る機会を失ってしまった。そう。過去の失敗が現在に繋がっている。過去の一瞬の判断が未来を大きく変えてしまう。どれだけ後悔してもどうすることもできないこともあれば、あの時言えなかった事を言う事で変わることもある。
限りある時間の中で、後悔のない生き方、後悔した過去を乗り越え次に生かすという当たり前な教訓を今一度思い起こさせる作品だった。

やっぱりマッドハッターはジョニー・デップでしか成しえなかったキャラクターだと思う。いつも思うが、彼はキャラクターに命を吹き込む事がすごく上手いと思った。スクリーン中のキャラクターが実は存在しているかのような錯覚を起こすのだ。そしてそのキャラクターに圧倒的な存在感を出すことができる事。
彼でないと成し得なかったと言わせるだけのものを提供できる。
これが彼の才能だと思う。

だからこそ、ハリウッドで第一線で活躍できる俳優なのだと思う。

ニート満喫すべく、毎日映画を見てるわ!最近!
ニートもあと数日で終わるけど・・・泣

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