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「死なない」という幻想

コロナからこっち、自分にいろいろな影響を与えてくれた方々がずいぶんといなくなった。
書き上げればキリがないくらいに。
もちろんこれ以前でもそうであったのだとは思うけど、コロナよりこちらではずいぶんと意識させられている。

何によらず、人は死ぬのだ。必ず。例外はない。
それを何より感じたのは志村けんさんであった。
緊急事態宣言が出る直前の衝撃だった。
「志村けんて死ぬんだ…」っていうのが一番最初の気持ちだった。
書くまでもなく氏はテレビの向こう側の存在で、それは一種、永遠に生き続けるかのような印象をどこか自分の中に持っていたからだと思う。

自分も周りも歳を取らず、今あるものが未来永劫続いていくと子供の頃に思っていた時期があった。
なんなら今でもそんなお伽話みたいなものを信じる部分があったり、そうであったらという願望が顔を覗かせる時がある。
残念ながらというかありがたいことにというか、そんな事は当然なく、時間は前に前に進んで、ぽつりぽつりと親しい人や身近な人たちが、或いは憧れた人たちが消えていく。
ストーンズは誰ひとりいなくならず、ずっと転がり続けると思っていた。ジェフ・ベックがいなくなるなんて想像もしなかった。高橋幸宏もチバもそうだ。遡るならボウイだって。
みんなずっといるもんだと思っていた。
でも、そんなことはなかった。当たり前に。

幸い、身の周りの親しい(と、勝手に僕が思っている)人たちはみんな元気だ。
「向こう10年、黒いネクタイ締めるつもりはないからな!」と誰かがいなくなる度に言ってきた。
これはそうあって欲しいという願望であって、実際の所はわからない。が、そうあって欲しいと心底思う。


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