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ペアリングイベントのはなし ⑤【これで最後】~モクテル1杯目

順番前後して、このモクテル1杯目が最後。
だいぶ長くなったな、この話

これはカクテル1杯目と同じくイチゴをメインとした。
なぜなら、どういう形にせよ主材は共通化した方が体験として良いと思えたから。
カクテルとモクテルの比率は予想通り前者が圧倒的に多くなる(だってBARのイベントだからね)。その状況で全てが違うとどうしても一体感に欠ける。より率直に言えば疎外感みたいなものが出る気がした。
だから「同じ釜のメシを食う」じゃないけど、少なくとも見た目の統一感を図っておいて損はない。

話が長くなる前にレシピ行きましょう。

イチゴ 50g
ポール・ジロー スパークリンググレープジュース 2022 45ml
ジャスミン茶 45ml
シンプルシロップ 2tsp

これもこれで悩んだ割にかなり凡庸。
②でも書いたように、単体での主張をすれば良いってものでもない。要はケーキと合わせてどれだけ相互補完して増幅できるかに目的がある。

イチゴの甘酸味を主軸として、まずスパークリンググレープジュースのハチミツを思わせるコク、品のある甘味を。
そこへ少しの肉付けと安定感にシンプルシロップ。
しかしこれだと重くなりすぎる。そこをある程度ライトにしつつ華やかな香りと清涼感を加え、軽やかにするためにジャスミン茶。
一番悩んだのはこのジャスミン茶の分量。
初めは30mlとしていたけど、時間の経過と共にスポイルされるように感じたため最終的にポールジローと同量にした。
香りの主張が強い割に「切る」までいかない「いなす」ような柔らかさはとても良い仕事をしてくれたと思う。

わかりやすいペアリングとしてはカクテルより良かったかもしれないという気がしている。
言ってみればベリーソースを伸ばしてドリンクにしたような感じだから。
逆に言えば、それ以上へ昇華できなかったのは僕の技量と発想力のなさとも言える。
そんなわけでこの1杯については複雑な気持ちだ。
対照的にカクテルは各素材との補完&増幅という意味において良いものを作れた。
まあどちらも一長一短。
これを狙って振り分けられたなら今回のドリンクは文句のないメイクだったけど、残念ながらそうではない。
しかし初回の結果としては良いデキだったと少なからず自画自賛。

問題は次。2回目である。
イベントの真価が問われるのは初回じゃない。
最初は気張るし、肩に余計に力が入るしでモチベーション高く、プレッシャーも必要以上に感じるからだいたいにおいて失敗しないのだ。
「良かった良かった。次もいける!」と勘違いしがちな2回目は変に自信をつけているところが危ない。「事は”転がし始める”よりも”転がり始め”に事故を起こす」と肝に銘じて次回に臨みたいと思う。

というわけで宣言通り次は5月終わり予定。

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