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山白朝子著「私の頭が正常であったなら」

雪に埋もれた昨日でしたが、やっと雪が止み、一息ついています。
さて久々に本を読み終えました。

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最近部屋で、おかしなものを見るようになった夫婦。妻は彼らの視界に入り込むそれを「幽霊ではないか」と考え、考察し始める。なぜ自分たちなのか、幽霊はどこにとりついているのか、理系の妻とともに謎を追い始めた主人公は、思わぬ真相に辿りつく。その真相は、おそろしく哀しい反面、子どもを失って日が浅い彼らにとって救いをもたらすものだった――「世界で一番、みじかい小説」。その他、表題作の「私の頭が正常であったなら」や、「トランシーバー」「首なし鶏、夜をゆく」「酩酊SF」など全8篇。それぞれ何かを失った主人公たちが、この世ならざるものとの出会いや交流を通じて、日常から少しずつずれていく……。そのままこちらに帰ってこられなくなる者や、新たな日常に幸せを感じる者、哀しみを受け止め乗り越えていく者など、彼らの視点を通じて様々な悲哀が描かれる、おそろしくも美しい”喪失”の物語。(Amazon内容紹介より)

巻末の解説に宮部みゆき氏書評が載っているのですが、私は解説で山白朝子というペンネームが乙一氏の別ペンネームと知りました。

それを知って短編集なので再び読み直したら、乙一氏らしい世界観も感じ、別ネームで発表することに何かしらの意味があったようにも感じました。
物語を単に読み進めていると怖さが先に立つ物語がほとんどですが、本作は死に対しての儚さや魂の消えゆく余韻が、とても優しく書かれていることに気づきました。
もしかしたら、乙一氏の異様で怪奇な死と相反した「死」を描きたかったのかもしれません。

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