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【無料公開】 ゾーンディフェンス:世界チャンピオン デシャンのノート

ディディエ・デシャンによる、ゾーンディフェンスで留意すべきこと :

・守備の場面でチームに取り入れられるよう、ラインとライン上にいる選手の数を使ってプレーシステムを定義する
・ボールを失ったときにチームが使っていたディフェンスのポジショニングを知る
・選手らの守備レベルを知る
・各選手は深さと幅に応じて自分のエリアを知っておかなければならない
・深さと幅のゾーンのスペースの減少は守備の効率を高める
・ゾーンディフェンスにより、チームのスペースへの司令や組織、分配が維持できる。ディフェンスは自身のゾーンを決して放棄してはならない
・他のラインのチームメイトのサポートは個々の失敗のリスクを減らす:連帯意識はこのタイプの守備の効率性において非常に重要な側面である


このタイプの守備はいくつかの弱点も持っていることを練習の過程で理解しなければならない :

・対戦相手は試合の間何度もゾーンに入り込むことができる
・2つのゾーン間の近い部分では守備においていくつか迷いを引き起こす可能性がある
・ピッチ上のある点で同じエリア内にいる2人または3人の対戦相手


実践的な適用


ここでは世界チャンピオンであるフランス代表監督デシャンのノートから抽出した、ゾーンディフェンスシステムにおけるディフェンスラインの練習方法についていくつかの例を紹介する。


練習① 4対4での水平方向への前進


<目的>
4枚ラインでのディフェンスの動きのシチュエーション練習:対戦相手の水平方向への前進
<概要>
対戦相手はどちらかのサイドから最大スピードで始めなければならない(水平方向への前進)。
それぞれのプレーヤーのゾーンの近くにいるときはボールを攻撃し、ボールがゾーンから離れたらラインに戻る。
<キーファクター>
・コミュニケーション
・プレスをかけている間、近くの選手とのパスコースを閉じる
・ディフェンスは一度に2回プレスをかけるべきではない
・ボール保持者へのすばやいプレス


練習② 4対4での垂直方向への前進


<目的>
垂直方向へ前進してくるチーム相手の組織化されたディフェンスのシチュエーション練習
<概要>
1人の選手がドリブルをする。ボール保持者のゾーンにいる選手が攻撃している間に、ディフェンスはエリアの端に後退する。他の選手らはそれぞれ左または右からカバーしながらとどまる。
<キーファクター>
・コミュニケーション
・ボールへの注意を失うことなく後方へ走る
・ボールを持った相手にスピードを合わせる
・ペナルティエリアの端を越えて後方へ下がらない


練習③ 個人に言及する4対4+ゴールキーパー


<目的>
攻撃:ゴールする
守備:ボールを取り返したあと、ボールをサイドに置いて点数を獲得する
<概要>
フォワードがボールを受けるたびにスペースを減らす(狭くする)。相手チームが後方へパスをしたら、ディフェンスラインは1歩前に出る。2番目のラインの3人の攻撃選手の1人がボールを持つたびに、全体をそのサイドにスライドさせボール保持者へとアタックする。
<キーファクター>
・相手チームを危険の少ないゾーン(サイド)へ誘導する
・相手チームが前進するたびに深い位置でスペースを少なくする
・フォワードへ高いボールが渡った際の中央のカバー


練習④ サイドゾーンで相手チームへ焦点を当てた6対4


<目的>
サイドゾーンでのディフェンスの行動改善
<概要>
相手チームのピッチ中央から始める(相手ボランチがボールを持った状態)。攻撃選手がサイドレーンのターゲットゾーンに入った場合、ディフェンスはボールを取り返し2回パスをして1点獲得する(サイド方向への守備誘導を優先する)。攻撃選手は中央でゴールに結びつけることができたら、2点獲得する。
<キーファクター>
・正確な深いディフェンスを維持する
・サイドでよりアグレッシブになる
・中央を優先的に守ると同時に近いマークのビジョンを維持する
・サイドで後方へのパスを出す前に相手選手の前へ出る
・マークのいない選手は、相手チームがゴールにつなげそうな重要なゾーンをカバーする


(2018.07.17)

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