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人生で一番尊敬しているカップル

祖父の中では、祖母はまだ生きているみたいです。

祖母が亡くなり、1年が経ちました。

未だにふと祖母と過ごした日を思い出して、本当にもうどこにもいないのかな?と不思議に思うことがあります。
いつでも帰れば「遅いじゃないの」とプリプリ嬉しそうに文句を言いながら明るい声で迎えてくれそうな気がして、でもそうじゃないんだなぁと半信半疑で考えたりします。

同時に、祖父が施設に入って1年が経ちました。

祖父は、祖母が亡くなったことをよく忘れているようで。
自分が施設にいるのは理解してるみたいだけど、祖母は元気で家で待っていると思っていて、
母や親族が顔を出すと「(祖母が)寂しがるから家の方にも行ってやりんさい」と言うそう。

あぁぁ、それはどっちがいいのかなぁ…と私が思ったところで母が、

そうなんよ。
最初は「亡くなったんよ」と訂正していたけど、
最近はみんな「そうね〜」と話を合わせとるんよ。
と。

なんだかすごく切ないような気もして、
でもそっちの方がいいような気が、私もしていました。



仮に順番が逆で、祖母が1人残されていてたら。
絶対に寂しがって精神的にまずかっただろうな〜と思います。
だから大好きな祖父と一緒に、自宅で最期の1日まで元気に過ごせて、ある意味で先で良かった。

そして、祖父は祖母が元気と思って生きている…

なんともいえない気持ちになりつつ、
何が事実とか正しいとか、本当はなんでもいいこともあるんだな〜と思いました。


「金やチャンスはどうにでもなる。人を大事にしなさい」と言った経営者の祖父と、
「うちのお父さんが一番賢いんだから」とニコニコ隣に座っていた祖母は、
私にとって尊敬の対象であり、最高のカップルです。

もう一生、一緒に畑に行ったり、スーパーまでドライブしたり、こたつでテレビを見ることはない。
それは未だに信じられないですが、たくさん楽しい思い出があります。

2人の孫になれて幸せ。
だから私は私のやるべきことをやろう、と改めて思った日でした。


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