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漫画から学ぶ仕事論04:「マギ シンドバッドの冒険」

「マギ」という魔神と魔法、迷宮などアラビアンな世界観の漫画。
人気だったのでここを読んでいる方の中にも、知ってる人は多いのではないでしょうか。

本作は「マギ シンドバッドの冒険」は、その漫画の前章となるストーリー。
私はこっちの方が好きだったりします。
そして、マギより先に読んじゃいましたが問題は特になく、単体ですごく面白い作品です。

しかも、「起業」「経営」を志している人には、
漫画を通して開拓者スピリットを感じられる良作なのではと思ったので紹介します。

どんな話なのか?

先の戦争で自国を勝利に導いた英雄バドル。
貧乏なのに恩賞は全て飲み屋で近所の人に奢ってしまう理由は、
戦火にさらされるだけでなく、勝利に酔う自国の流れに疑問を感じているから。
退役兵士として、今後は戦争に関わらないと決めたバドルは、
綺麗な奥さんと小さな息子「シンドバッド」と慎ましい暮らしをしています。

やがてバドルは戦争反対なら非国民だと立場を翻した民衆に石を投げられ徴兵、亡くなってしまいますが、
息子シンドバッドは幼少期から不思議な力の片鱗を見せており、父バドルがこの子はきっとこの戦乱の世に、国を正しい方向に導いてくれる特別な存在なのだと予見した通り、
世界を駆け回って冒険し、七海の覇王となるまでになった、というあらすじ。
シンドバッドがいろんな民族の国を股にかけながら最終的には建国までします(!)。

弱い主人公がだんだん自分自身や敵に打ち勝っていくストーリー、というより
能力に優れ、カリスマ性ある主人公の快進撃、の色が強い。
とはいえ要所要所で挫折はあり、その度に強さ(と大人らしい黒さ)を身に着けていく主人公の変化が見もの。


ちなみに掲載はサンデーではなく「掟破りの無料WEBマンガサイト」として立ち上げられた裏サンデー。

元歌舞伎町No.1キャバ嬢が地元の鳥取県米子市朝日町でキャバクラを展開する「ヒマチの嬢王」、
27歳の女性主人公が離婚→10歳下の性悪ボンボン高校生との恋愛を描きドラマ化も果たした「プロミス・シンデレラ」、
鏡の中に映るものが全て幻覚に見える奇病『鏡の国のアリス症候群』と謎の怪物との戦いを描いた「世界鬼」、
前世があると信仰された世界線で大罪人ハローが何度も輪廻する「懲役339年」
などなど癖が強く面白い作品がてんこもりです。

シンドバッドの黒さを描くには裏サンデーだったのかもしれません。

商売人の物語として読む

この漫画で私が最も面白いと思うポイントが、「商売人の物語だ」ということ。

少年漫画らしく、多彩な種族のツワモノを仲間にしていくストーリー、
個性を活かした戦闘シーン、女性に弱い主人公…という、比較的王道の物語でありながら、
「資金難なので劇場公演をして資金調達をする」
「輸入ルートを確保する」
などなどなど、シンドバッドの商才がいかんなく発揮され、見ていて爽快です。

味方をつくっていく、金策をしていく姿は、
チームビルディングをしていく、資金調達をしていく現代の起業家となんら変わらず、
商売に当たっては「露店を出したら商会にいちゃもんをつけられる」、
建国に当たっては「建国したければ土地がいる」という、
至極リアルな問題に直面する様が描かれています。

決して「ファンタジーの世界だからなんとかなるよー!」ではなく、
ナイキの「SHOE DOG」、オンデーズの「破天荒フェニックス」といった起業物語を読んでいる気持ちにさせられます。

シンドバッドから学ぶこと

読んでいて一番学ぶのは、リーダーとしての姿です。

・組織のメンバーからも意見が出る、関係性作り
指針を決め、責任を取るのは自分。
あらゆる会社の役職者や、自分のビジネスを運転する経営者の方で、ここを意識されている方は多いと思います。

それでありながら、「自分と他人」軸ではなく「仲間と道を開く」という周囲との関係性がシンドバッドの強みです。
不安になったときに殴って止めてくれる仲間、忠言してくれる仲間、
過去に対立した意見が異なる相手も幹部に招き入れて、チームがどんどん大きくなっていきます。

・責任を取る能力
とはいえ、責任はやはり自分なので、時には一人で飲み込むことも。
途中で出てくる建国までのエピソードの中に、シンドバッドが相当直面し、二択を余儀なくされる重大なシーンが出てきます。

ファンタジーの主人公ではなく、経営者としての一面を見せるシンドバッド。
その決断も、闇に消えた事実も、胃の中が逆流するような自身の感情も、
仲間にやたら明かすのでなく、全て自分で背負います。
現代でここまでシビアな話はないとしても、いつか大きな決断のときが来たとき、どう対応するか。

仲間とつくりあげていく。
でも責任は自分で取る。
シンドバッドの成長=仕事人としての姿勢を学ぶ事ができます。

まとめ

私にとって「マギ シンドバッドの冒険」は漫画で読む◎◎〜と全く同じ、起業家の物語。

少年漫画好き、起業物語好き、あるいはその両方という方にはオススメの漫画です。
また面白い作品があったら次回も紹介してみたいと思います。

本日もありがとうございます。

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