「男の服にだってもっと彩りがあっていいんじゃないのかい」

オレンジ色のコートと緑色のマフラーを身に着けて彼は誰よりも颯爽と街を歩いていた。

しかし、それを蜜柑のようだといってバカにする連中がいた。そんな彼らはねずみ色だった。

「もっと彩りを」

彼はねずみ色の波間を今日も漂う。

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