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★【投手】ボールの「キレ」を高める

ボールの「キレ」とは、
           直球なら「伸びがある」
           変化球なら「鋭く曲がる」

こと を言うケースが多く、スピードとは違う要素(回転)であることが多いです。


直球のキレの素 「回転数・回転軸」

直球で伸びがあるボールを生み出す要素は、投球したボールの回転数・回転軸になります。

「回転数」

投げたボールが1分間あたりどれくらい回転するか?という数字です。この回転数が多いほどボールに揚力が働き落ちづらく「伸びのあるボール」ということになります。
プロ野球の投手では平均で約2200回転(1分間)と言われています。”キレが良いボール”とはそれよりも回転が多いボール、およそ2400~2700回転くらいのボールを言っているそうです。

「空振りが取れる直球」とは、球速が速いことにプラスしてこの回転数が多い要因が大きく、通常の直球の軌道よりもボールが伸びてくるため打者が空振りしやすくなる… ということになります。

「回転軸」

投げたボールの回転の軸がどのような角度で回転しているか?という数字で、地面に対しての角度で表現されます。

地面に対し垂直な軸で回転すると、重力に対しまっすぐ揚力が働き”落ちにくい直球”となります。

垂直な軸

地面に対し傾いた軸で回転すると、重力に対しまっすぐ揚力が働きにくいので”落ちにくい直球”となりにくいです。

傾いた軸

球速も速く回転数が多くても回転軸が傾いていると、思ったより球が伸びずにバットに当てられてしまう可能性が高くなってしまいます。

地面に対し垂直な軸で回転するボールを投げるためには、地面に対し垂直に腕を振ってボールを投げることができれば良いのですが、実際には腕は傾いて振られることになります。     (右投手は右に 左投手は左に)
その傾きを極力少なくするためには、”リリース時の(腕でなく)手首の角度を出来る限り地面に対し垂直にすること” がポイントになります。

腕が垂直は難しいが、手首を垂直に近付けることはできる

ただし、投球フォームはそれぞれ個人の特徴があるため無理に回転軸を垂直にしようとするとフォームが崩れてしまうことがあります(例 アンダースロー)。
”リリース時の(腕でなく)手首の角度を出来る限り地面に対し垂直にすること”という考え方を自分のフォームで実現するのが難しい場合は、100%実現するものというより”投球を今より改善する際の原則”として頭に入れておくと良いです。

「回転数・回転軸」からの投球改善

投手が課題点を改善していく努力をする際に回転数・回転軸の考え方を持って改善方法を考えていくと、(課題点を100%克服することは難しくても)ワンランクアップした投球を身につけることができるようになります。
 ● ストレートで空振りが取れない(回転数が少ない) →
        回転数を上げる方法を考える。
        回転数以外で空振りを取る方法を考える。
        空振りでなく、ゴロを打たせる投球を身につける。
 ● 回転軸が傾いている → リリース時の手首の角度を調整する。
              クセ球としてそのまま生かす方向を考える。
                 (打者が打ちにくい球を追求する)

”置きにいく”とキレがなくなる

投手がストライクが入らなくなったときに ”ストライクを取りに行く” 投げ方をすることがあります。一般的にこれを「置きにいく」と言います。
置きにいった投球はスピードも伸びもない球になることが多く、打たれたりストライクが入らなかったり…とあまり良い結果にならないことが多いです。

置きにいくと良い結果にならない理由としては、以下のようなものが考えられます。

① 早く正面を向いてしまう
速い球を投げるための投球モーションは、
 ● 横を向いている時間を長くする
          (開かないようにし、すぐに正面を向かない) 
 ● 投げるときの回転動作で生み出す力を強くし、もれなく球を伝える
になります。

しかし、ボールを置きにいくと
 ● 横を向いている時間が短くなる(すぐに正面を向き開いてしまう) 
 ● 投げるときの回転動作で生み出す力が弱くなる
モーションになり、結果スピード・キレともない球になってしまいます。

② 前足の膝が前に出てしまう
投球時の前足(右投げなら左足)は、横向きに加速した体の勢いに対し地面についたときに踏ん張ることで”回転動作の体の軸を作る”役割となります。

前の足で踏ん張り、体の軸が傾くのを防ぐ

置きに行く投げ方をすると、(コントロールしたいためより打者の近くでボールを離そうとして)前足の膝が足のつま先より前に出るほど曲がってしまいます。

体の軸が回転を使えないほど傾いている

これでは”回転動作の体の軸を作る”ことができなくなってしまうため、体は速い回転できずにボールに力を伝えることができなくなります。また、手先だけでのコントロールになるためボールが沈んでしまいます。

”沈むボール”にならない投球

ストライクが欲しい状況であっても
 ● 横を向いている時間を長くする
          (開かないようにし、すぐに正面を向かない) 
 ● 投げるときの回転動作で生み出す力を強くする。
         そのために、前足で踏ん張り回転軸を作る。
 ● 腕を振り切り、力をもれなく球を伝える。         
ことが沈むボールにならないために重要になります。意識としてはストライクを取りに行かずいつも通りに投げる… 感じになります。


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