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F1種と種苗法と自家採種

最近またTwitterの界隈を賑わせている話題

種苗法

そこでセットで持ち出されるタネの話にF1がある。
以前にもF1と固定種の話は記事にしているけど、

改めて今回気になる記事を拝見したので補足&解説していきたいと思います。

かもしとたね*日々の素88さんのこちらの記事

この種は一代限りで、代々種を採り続けるということが出来なくなっている。

*自家採取のススメ・自然交配と一代交配
https://note.com/akarameya88/n/n98030e99ccbc

種を採り続ける事ができなくなっているわけではなく、性質がばらけるという自然現象です。

これはメンデルの法則でいう雑種強勢の性質がF1で、F1の子F2の性質がばらける自然の摂理。性質がばらけるので種が取れないわけでもなく食べられないわけでもない。ただ、いわゆる先祖返りをする。人間でも親に似ているけど、祖父母に似ている部分もあるのもそれ。

雄性不稔とは、遺伝子の異常であり生殖異常であるから、
自然界では自然淘汰されるものだ。

確かに雄性不稔は遺伝子の異常ではありますが、それがなぜ絶滅せずこんにち人間が交配に使っているのか、それは花粉を作らせないミトコンドリアの遺伝子の働きを抑える核があるから。
詳しくはこちらの強と産業大学のページに記載があります。

生殖異常や突然変異は恐ろしく、気味の悪い物に見えるかもしれませんが、それが人為的であれ、自然の摂理であれ生物の進化の過程を身近で感じることではないでしょうか?

子孫を残せないような野菜を日常的に食べていて、
人間の体に支障はないのか?人まで雄性不稔になっていないかしら?

なりません。
なぜなら人間と植物の生殖機能は違うから。
根こぶ病のニンジンや尻腐れ病のトマトを食べてもこぶはできないし、お尻も腐りません。
もしも雄性不稔を食べて体に支障をきたすのなら、人類誕生から食べ続けている葉緑素で光合成ができるようになって欲しいものです。

そんな野菜たちが健やかであるとは考えにくいが
そこら辺の研究は、きっと曖昧にされているのだろう。
都合が悪いからね!

上記の京都産業大学に問い合わせればその野菜が健やかで、より深い研究がなされている事がわかります。

誰にとって都合が悪いのでしょう…


改正種苗法の話
登録品種と一般品種の解説はまさにその通りなのですが、

農家さん達は、栽培しやすいF1種を使うことが多いだろうから、
その作物の種を自家増殖してはいけなくて、毎年種を買いなさい、
と言っているのだ。

それは誤解です。
F1を作ろうとしたら農家が片手間にはできません。モチは餅屋、種は種屋。
毎年種を買いなさいと命令されているわけではなく、作りたいから買うのです。買い過ぎて翌年に持ち越す、なんてことも多々…
アブラナ科やナス科などは交雑しやすく品種改良されたF1種を選ぶ農家は多いですが、キク科、マメ科、芋類は交雑が少なく自家採種する農家は多いです。自家採種するような品種は主に代々伝わる伝統品種(一般品種)だったり、許諾を取って増殖する登録品種だったりします。
苺などブランドを守るために許諾料がそれなりにする物もありますが、許諾不要、無料の登録品種も数多くあります。
自家採種できてもかもしとたね*日々の素88さんのおっしゃる通り

色が混じった風変わりな人参ができてきたり、
大根も、赤大根と黒大根と白大根が混じって黒っぽい白大根や
首が赤い白大根になったり、
カボチャ同士も交配するから、蒔いたものとは形の違うカボチャが
できたり・・

その品種の特徴を生かせない種ができてしまい、品種名と乖離した特徴を持つ物も出てきます。それでは商売にはなりません(家庭菜園なら楽しいで終わりですが…)
その為に事業として農業を行う場合は自家採種しても数年に一度は新たに種を買う。なんてこともあります。



企業を守るための法律でしかないようだ。

それも誤解です。
育種家を守るための法律です。
育種家とは植物などの品種改良を職業とする人のことです。
個人では果樹の育種家が多い印象です。
これまで盗まれ損だったり、労力に見合わない報酬だったりと、苦労続きの育種家にちゃんとお金が回って、持続可能な新たな研究を可能にする法律です。


ちなみに

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