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旅の記憶 1994・夏 小さな村の学校にて



30年前の夏
僕はペシャワールの
小さな村にいた


学校の中へ


パパ氏に連れられて
学校の中へ
生徒さんたちが
何ごとかとこちらを見てる


でも並んでくれた


校内をどんどん進む
僕らはわけもわからず
ただついていく

今考えたら
図々しいにも程がある
連れていくパパ氏もだが
ついていく僕らもだ



みんなこっちを見てる


そしてついには
教室にまで案内される

パパ氏が僕たちのことを紹介してくれているが
ウルドゥ語なので
何を言ってい他のかはわからない

まあ多分、日本人の旅行者だ
くらいしか紹介のしようもなかっただろうが


突然の珍客にみんな少々引いているよな・・・


教室には机や椅子はなく
みんな地面に直接座っていた

日本では当たり前の光景が
当たり前じゃないことに
この時少し驚いた

パキスタンの小さな村の
小さな学校

せっかくなんだから
何か気の利いたことでも
話せればよかったが

愛想笑いと
カメラを向けること以外に
僕ができることは
この時はなかった


あれから30年の月日が流れたが
今同じ状況にあったとしても
今の僕にできることもさほどない


これじゃいかんよなあ


30年前の僕から
今の僕に

もっと立派な大人になっていてくれよ

と言いたい気持ちになった



約1ヶ月の旅の終わりが近づいている







続く





続く

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