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【雑記】知的活動に必要な語彙の獲得について

実際の問題として、知的活動を行いたい人たちにとって、利用可能な言葉の量が増えることは、非常に重要だと考えられます。

その点を踏まえた上で、仮に、自分の知らない言葉を調べず、勝手に自分の知っている言葉に変換(都合のいいように変換)してしまうという悪い癖に気付かず、そのまま放置してしまうと、例えば、以下のデメリットのために、知的活動の障害になり得ます。

①言いたいことをうまく表現できない

②読んだこと・聞いたことを理解できない

③物事を深く考えられない

④感情をコントロールできない

⑤言葉遣いの間違いが多い

文章の行間を読む等、何かを類推すること自体は必要ですが、類推したなら、それが正しいかどうかを確かめなければ、語彙は決して増えていきません。

しゃべり言葉等の語彙は、極めて限定されており、複雑な概念は、文章でしか表されていないものも多いのも事実です。

言い換えると、言語化能力とは、ストックした語彙を活用して言葉にする力。

つまり、頭の中で考えていることを言葉に変換し、さらに、それを相手が理解しやすい表現で伝える力のことです。

この言語化能力を含めた結晶性知能(*1)を高めることは比較的簡単で、語彙を増やすために、読書をしたり、音声コンテンツ(ラジオやポッドキャスト)を聞いたりと、たくさん学習すれば良いからです。

但し、流動的知能(*2)はそうはいきません。

私たちは、成長して行く過程で危険を冒さなくなる代わりに、持っていただろう創造性の一部を失っていきます。

もし、社会環境が安定している状況下において目的(Why)が変わらない場合、結晶性知能を備えていれば効率的に活躍できる可能性が高いと推定できます。

しかしながら、今、現実の世界は急速に変わり続けており、この様な情勢であれば、時代と共に、この(Why)も変化していきます。

この変化に対応するには、新しい方法(How)を取り入れる柔軟な流動性知能が、どうしても必要になります。

しかし、年齢を重ねるに従って、流動性知能は減少して行きます。

また、信じている(Why)も(How)も固定化する割合が高くなればなる程、変化の激しい時代には適応できなくなると考えられます。

つまり、かつてないほど変化が激しく、先の読めない現在の社会においては、結晶性知能を確実に育てながら、変化に対応(未体験のことに取り組む能力)できる流動性知能も鍛えていかなくてはいけない環境下にあります。

例えば、自分の顔は、一番、自分が知っていると思っているかもしれませんが、実は、一番良く見えないのが自分と言われています。

では、自分を知るためには、どうしたら良いのか?

先週末は、雨降りの日が多かったけど、岸田衿子さんのこんな詩があります。

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「いろんなおとのあめ」

あめ あめ いろんなおとのあめ

はっぱにあたって ぴとん

まどにあたって ぱちん

かさにあたって ぱらん

ほっぺにあたって ぷちん

てのひらのなかに ぽとん

こいぬのはなに ぴこん

こねこのしっぽに しゅるん

かえるのせなかに ぴたん

すみれのはなに しとん

くるまのやねに とてん

あめ あめ あめ あめ

いろんなおとのあめ

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もう、色んな探し方が有りますが、日本文化には、この詩の様に、音連れにより、色んな事を気づかせてくれることも多くあります。

私なりに思うところでは、自分に影響を与えている周りの人やものの状況から想像することを通してしか知る方法はなくて、敢えて言えば、みなさんの表情のなかに見て取れるような気がしています。

謎に満ちた自分とは何なのかという問いかけへの答えを探す時、その見えないものは、何かに形をかえて伝わるものがあると思います。

また、何かの形を借りなければ、伝わらないものがあると思います。

そのひとつが、言葉であり、言葉も、また、同じようなものなのかもしれないですね。

届くことなく、音が消えてしまわないように、次の音を奏でてみる時に、必要なアイテムが語彙であり、それを言語化する能力です。

語彙力により、理解の引き出しが増えることに繋がりますので、多様なジャンルの本を読んだり、また、多様な人と会話する中で、どのような言葉が、どのような場面で、どのように使われているかを意識してみると良いのではないかと思います。

(*1)経験や学習などから得られる能力で言語力に強く依存する能力になります。洞察力・理解力・批判力・創造力などがあります。

(*2)新しい場面に遭遇した際に情報を整理し、処理する知能になります。計算力・暗記力・思考力・集中力・直観力などがあります。

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