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【随筆】道草上手な旅人になる

人生が長い道であるとしたなら、

その道草が旅なんだと思う。

人生の中で、一番、道草をしたのは、何時だったんだろう?

子どもの頃、学校からの帰り道、道草ばかりで、よく叱られた日々を思い出す。

でも、やめられなかった。

時間を感じる夕暮れ時まで、つい、夢中になって遊んだ日々。

同じ道だけど、何かが違っていた。

いつもと違う川に流れる水の量。

木々や草花で見つかる虫たちの生活。

アリの巣の出口で繰り広げられる小さな世界のできごと。

大人になってみて、どうだろう?

最短距離ばかりの道を選んでいなかったか?

道草とは、未知への第一歩だ。

ドキドキもワクワクも、そこにある。

近道ばかりの毎日じゃ、決して味わえない感動がある。

つまり道草とは、本当の旅そのもの。

ガイドブックには決して載っていない。

その風景そのものを見にいこう。

その人そのものに会いに行こう。

人は、一言で、笑えることができる。

人は、一言で、優しくなれたりする。

その一言で、また、歩き出せる。

それだって、素敵な道草だ。

目の前のことを漫然と見て、鵜呑みにしない。

世界は、人は、はじめてで、できているのだから。

いつもの通りの道を、今日は、通らずいこう。

一生忘れない瞬間に、出会うために。

藤原家隆「風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける」

[浜田省吾プロデュース作品] みちくさ (Music Video / Animation Version)

【季節の行事】
夏越の祓とは、古くは古事記にものっており、1年の半分にあたる6月30日に、半年の間に身に溜まった穢れを落とし、残り半年の息災を祈願する神事です。

みなさんが、これから来る暑い夏を無事乗り切れ、また、これからの半年を、健康に過ごせるようにと、心からお祈り申し上げます(^^)

茅の輪くぐり 八坂神社

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