僕の中のド○えもんが語り掛けてくれた。

 君はいつだってそうだ、誰かより上位に成りたがっている。その気持ちの強さは、唯一君の自慢できるところかもしれないね。
 君は自分以外の人を見下したがっている、誰よりも性に飢えて、恋に飢えて、競争に飢えて、金に飢えて、そのくせ自分の渇望なんてまるでなかったような物言いで他人を評論するんだ、とんだムッツリがいたもんだ、その図太さは唯一君の自慢できることかもしれないね。
 君は俗物の域を出ないんだ、だってそうだろう、ふたを開けてみたらそこらへんの大衆と言ってることやってることは変わりないじゃないか。いいかい?君は覚悟がないんだ、知を愛していない。目的と手段が逆なんだよ、本当に知を愛しているなら、君の周りの物達は手段に過ぎなくなるんだ、性とか恋とか争いや金だって手段に過ぎないんだ、俗界の代謝に過ぎないんだ。君は世界の押し上げに協力したかったんじゃないのか?俗界の代謝に参加しようというのならそれでもいいんだけど。
 君は苦しんでいるんだ、今まで絶対的だった価値が、相対化されていくあの感じは耐えがたいのかもしれないよ、だけど君は今、過渡期にいるんだ、その時は一番混乱と不安を覚えるものだよ。
 今の自分の真剣さをあざ笑ってやるんだ、団栗の背比べで得られる知見など大したことはないよ、俗界の競争は、それ自体不毛な代謝に過ぎないんだから。
 君はまず、そんな奴隷みたいな考え方をやめたらいい、支配者になりたいのなら、奴隷の王になりたいのなら、それでもいいよ、でも君はそんなこと望んでいたのか?倫理とか道徳とか法律とか理性とか、そんなあるかないかわかんないようなオカルト話は信じないほうが吉なんだ、愛に生きるべきだよ、愛したいものを愛せばいいのさ。
 君はそのことについて最も理解している、君が今感じている不安は、もともと君が発見していて、でも頑張って目をそらそうとしていたものなんだよ。 
 
 


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