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【3DCG】社内勉強会レポート~背景班&キャラ班合同~【Tips】

本日もお疲れ様です。
クリエイティブディビジョンキャラクターセクション所属の松本と申します。
今回は、先日社内で行われた勉強会の様子についてレポートしたいと思います。
勉強会は背景班の主催なのですが、設けられたお題が「広い解釈でOK」とのことでしたので、そのお言葉に甘えてキャラ班からも何人か参戦してきました。

▼前回の勉強会の様子はこちらの記事で紹介しています。

概要

■お題 :「扉」もしくは「はじまり」

 ・お題に沿って自主制作&自主学習をしましょう!
 ・そして出来上がった成果を共有しあいましょう!!
 ・制作期間は短いので(2~3日想定)ハードルを上げすぎず、気軽にやりましょう
 ・ただし、配布されているアセットそのままの流用はNG

与えられた条件は、上記のとおり。
参加したのは、背景・キャラ合わせて15名でした。
さて、皆さんはお題に対してどう応えたのでしょうか?

持ち寄られた作品の一部をご紹介します。

背景班

カメラ越しの一人称視点&物語が動くとき 【AKさん】

●ドア

■作品を作るにあたってチャレンジしたこと、またはコンセプトにしたこと
・流行りのカメラ手振れムービーを作りたいと思いました
・UE5のシーケンサーが以前より分かりやすく、カメラシェイクもかなり簡単に設定出来ました

■ここは良く出来た、または楽しかったと思うところ
・懐中電灯としてのライトアクターに対してもパーリンノイズのキーフレームを設定できたのは革新的(UE5.1からみたいです)
・UE5のシーケンサーが以前より分かりやすく、カメラシェイクもかなり簡単に設定出来ました

●はじまり

■作品を作るにあたってチャレンジしたこと、またはコンセプトにしたこと
 ・シーンをユニークテクスチャとして全てハンドペイント
 ・物語が動く(はじまる)時を想定しました
       ↓
  起承転結の起の一番盛り上がるタイミング
       ↓
  主人公が重要なアイテムを入手したとき、出会った時 のイメージ

■ここは良く出来た、または楽しかったと思うところ
 ・全部手描きは大変

松本コメント:2作品も…!「ドア」が少しだけ開いているところが、ホラーな雰囲気を感じます。
「はじまり」のほうは「剣に呼ばれた」感があってワクワクしますね。

天文時計から着想を得た扉 【KYさん】

■作品を作るにあたってチャレンジしたこと、またはコンセプトにしたこと
プラハの天文時計から着想を得て、扉と時計を合体させてみました。
旅先で写真を撮りたくなるような観光名所っぽいものを目指しました。

■ここは良く出来た、または楽しかったと思うところ
扉のデザイン考えてるときがたのしかったです。
画面外を想像させるために影に工夫を入れてみました。
今回諦めてしまったけど、石をスタイライズドな感じにスカルプトしてやりたいです。

松本コメント:重厚感がありつつも、鉢植えを添えることで生活感を演出されているのがテクいです。

旧オフィスエントランスドア再現 【SSさん】

■作品を作るにあたってチャレンジしたこと、またはコンセプトにしたこと
会社の扉を制作しました。初心に帰って手書きでテクスチャを作りました。

■ここは良く出来た、または楽しかったと思うところ
久々にフォトショップで制作したのは楽しかったです。

松本コメント:旧社屋のエントランス。再現度が高いです!これでいつでも思い出せます。

旧オフィスエントランスドア

1日のスタートを感じさせるキッチンカー 【MKさん】

■作品を作るにあたってコンセプトにしたこと
扉:お店に入るときの期待あふれる気持ちを表現したい。
始まり:1日の始まり、旅行の始まり独特の期待感を表現したい。
両方混ぜて、旅行スタートの朝に「モーニングをしながら旅先へ移動出来たら素敵じゃん!」と言う乗り物を描いてみました!

■ここは良く出来た、または楽しかったと思うところ
・今回は建物のデザインが難しく、何案も出しながら練った時間が振り返ると良い時間でした。
・モーニングには卵料理が必須なので、その気持ちは強く乗せました。
・全体的にそれじゃ走れないだろ(笑)と言うファンタジーを敢えて取り入れていく過程が楽しかったです。

松本コメント:今回唯一の2Dイラスト作品です。目玉焼きがおいしそうですね…!

始まりの季節を感じさせる背景 【ILさん】

■作品を作るにあたってチャレンジしたこと、またはコンセプトにしたこと
「はじまり」から連想して、「春の始まりの季節に入学の準備をしている魔法使いの机」をテーマにしました
UE5初チャレンジだったので、せっかくならルーメンなどを活かした背景にしたく、エミッシブを使えるテーマにしたというのもあります

■ここは良く出来た、または楽しかったと思うところ
絵作りかなり模試行錯誤しました。初期はもう少し暗い絵だったりしました
引きの絵だったので見辛いところは手を抜いていますが、ところどころスカルプトで作りこんでます
UE5すごい!たのしい!作業中自宅PC落ちまくりました

松本コメント:春の香りが漂ってくる作品ですね。見ていると前向きな気持ちになります。

手描きテクスチャによる扉作成【TKさん】

■作品を作るにあたってチャレンジしたこと、またはコンセプトにしたこと
扉でもあり始まりでもあることをコンセプトに僕が学生時代に使っていたMayaとPhotoshopだけで作りました。
ゲーム背景イラストレーターの吉田誠治さんの絵柄を参考に作りました。

■ここは良く出来た、または楽しかったと思うところ
イラストっぽく仕上げるためにあえて描かないところなどを考えることが楽しかったです。
反省点ですけどsketchfabの植物の表現が上手くいかなかったです。

松本コメント:初見時は、質感テクスチャが載ってるのかと錯覚しました。
どんなに技術が発達しても、手描きテクスチャの魅力ってありますよね。

キャラクター班

絶対に開いてはいけないドア【HTさん】

■説明・頑張ったところなど
「絶対に開いてはいけない」というコンセプトでドアを作成しました。
最初「はじまり」のテーマで、アンプルが砕け散ってウィルスが流出みたいなテーマを考えていましたが
あまり面白くならなそうだったので(あと飛び散る液体の表現が難しそうで)そこからの流れで
「研究所の流出してはいけないウィルスを扱ってる扉」を作成することにしました。

なお、実際にかかった時間は大体30時間くらいでした。
最初の扉のデザインに少し時間がかかったのと、
今回これまであまり使ってこなかった SubstancePainterを使ってテクスチャ作業を行ったのですが、
そこで色々試す時間が発生したのが原因かと思います。

レンダリングの際に開いてはいけないドアが何故か開いてるといったネタを入れましたが、
こういうアイディアは普段出すことがないので
(基本的にモデル単体を確認することが多く画像として出力はしないので)
そういったことを考えるのが楽しかったです。

あとどうでもいいんですが、カードキーには青、赤、黄の3種類が
設定されていたんですがそれの元ネタはDOOMからきてます。 
解像度や画面の暗さとか角度の問題であまり目立たなくなってしまって触れることもなかったので ここで供養しておきます。

今回の勉強会ではSubstancePainterの練習をメインに作業を行いました。
理由としては今主流のツールの中で使用経験がほとんどなかったのでこの機会に触ってみることにしました。

基本的な使い方に関しては少し前にマニュアルに沿ってテクスチャを作る課題を行っていたので一応把握していました。
ただ、今までアニメ系のモデル作成を行う事が多く、リアル寄りのモデルはあまり作った経験がなかったので、
なんとかリアルっぽくならないか、どういう汚しを入れたらいいかと集めた資料を見ながら考えてましたが、
どちらかというとSubstancePainterに慣れること、機能を探ることがメインだったので、
作品自体は結構ツールの機能に頼ったものになってしまったかもしれないなと思います。

substanceでテクスチャ作成をして感じたこととして、
資料はなるべく画像検索じゃなくて実物を見れると
もう少し細かく設定できたかもなと思いました。
(研究所の無機質なドアや壁をどういう質感にすればいいかなど)

松本コメント:勉強会当日は、みんなで開錠方法の考察などして盛り上がっていました!

真実の始まり【RTさん】

■説明・頑張ったところなど
「はじまり」という課題から、「真実の始まり」をテーマにしました。
イタリアの教会の天井画を参考に作成しました。

zbrushで多人数、数多いのオブジェクトの作成に挑戦しようと思いました。
未完成ではありますが、レースを表現するため、初めてSDを使いました。
基本操作が学べましたので、今後に活用していきたいです。
手描きで皮膚を表現するのが面白かったです。

松本コメント:ちなみに、示し合わせたわけでもないのに「はじまり」という題から「人類の原初」的な連想をされていた方が何人かいらっしゃいました。発想のスケールが大きいです。
短期間でいろいろなことに挑戦されているのも良いですね!

ドア要素を取り入れたオリジナルキャラクター【ASさん】

■説明・頑張ったところなど
Zbrush→SPでのハードサーフェスに慣れるために作成しました。

なんとかお題の『ドア』の要素をねじ込んだオリジナルキャラクターです。
不思議のダンジョン系で『襲ったら凄まじい反撃をしてくるタイプの商人』ポジションでイメージしました。
機械ですがあくまでもキャラクターとして愛着が湧くようにキャラ設定等考えながら作成しました。
キュートさと虚無感を出せたと思います。
最後にPhotoshopでポスター(コミック?)アート風の画像を作りましたが楽しかったです。

以下キャラクター設定となります。

〔USA-G1〕 
RABIPICE社が作った旧型のドリンク販売ロボット 
危険なダンジョンへ挑む冒険者達へ愛とドリンクをお届けする事が使命 
自社開発の高麗ニンジンを使った特製エナジードリンクは限界を超えて頑張れると評判 

プチ設定 
・辺境の地ほどドリンクの値が張る 
・アームがごついのは反撃用 
・電子決済のみ(現金は回収が困難なため) 
・扉のメモは誰でも好きに書いていい(誰かがダンジョン攻略のヒントを書いてくれてることも…!) 
・購入したらG1が扉を開けて手渡してドリンクをくれる(勝手にとってはいけない) 
・冷蔵機能は実はない 
・顔面部分にカメラが仕込まれておりRABIPICE社のダンジョン調査も兼ねている 
・最近新型が出たので立場が弱い 
・ほんのちょっぴり自我があるカモ… 
・RABIPICE社の社名の由来は『Rabbit and peace 』

松本コメント:この子、なんとか自社開発ゲームの中に登場させられないですかね?>社長

実際に参加したスタッフによる感想

勉強会は楽しめましたか?

「勉強会といっても交流会も兼ねていると仰っていたので気楽に参加できました。
制作されているものも幅広かったです。
発表は一人5~7分程度でリーダーの方が話を振ってくれたり、質問役を作ったりして話しやすい環境でした。
制作物はプロップから背景、スカルプト、映像、イラストなど多岐にわたっていて話を聞くのが楽しかったです。」

どういうところが勉強になりましたか?
また、印象深い作品があれば教えてください

「時計モチーフのドアの作品が、見た瞬間におお、となった作品でした。
特に人物の影が床に移っている表現は自分もやっておけばよかったと思いました。
キャラクターを作っている時にはあまりない視点だったなと。
あと自分は今まで手書きテクスチャが主体の案件に入ることが多かったので、
手書きでテクスチャを作成していた方が何人かいて、少し懐かしくなりました。」

「今回、背景の中にキャラクターを置いたことで、
背景とキャラクターの情報量を調整したりライトや装飾で視線誘導したりと、
画面全体での見え方を意識することができました。
キャラクター単体で作成しているとつい忘れがちになってしまう『作品全体のバランスを見る』という意識ですが、
背景班の方々の作品はその意識をしっかり持って作られていると感じました。
私がキャラクターをメインに据えてから背景を広げていったのに対し、
背景班の作品はキャラクターが居たとしても背景の一部として配置している印象を受け、
そもそも作品に至るまでのプロセスが異なり非常に良い刺激になりました。」

「入学の準備をしている魔法使いの机」というテーマで作られた作品が印象に残りました。
コンセプトからして素敵です。私からは出ない発想です。
ゲームエンジンを積極的に使って作られていて絵の空気感がもう春です。
モデリング、マテリアル、レンダリングとこの短い期間で手が早いと思いました。」

勉強会後の打ち上げはどうでしたか?

「皆さんとても親切で、技術からプライベートなどのさまざまな話題について話せました!
将来的にもっと多くの交流の機会があれば、嬉しいですね。」

「緩い空気ながらも雑談だけでなく、
勉強会では出なかった途中経過のものを見せてもらったり一番気に入った作品を話し合ったりと、
今後の作品作りへのモチベーションに繋がる会話もできて楽しかったです。」

最後に

いかがでしょうか?作品も解説も、それぞれの個性が出ていますね。
こんな感じで、当日は作品を見せ合いながらワイワイしていました。
バリエーション豊かで、見ているだけで楽しい雰囲気が伝わるかと思います!

主催の田中さんからのコメント

「皆さんご無沙汰しております、以前勉強会について書いた田中です。
今までは背景勉強会として開催していましたが、今回はキャラチームまで巻き込んでの開催となりました。
その甲斐もあって参加人数が過去最高となり、嬉しい悲鳴と本当の悲鳴をあげながら準備を進めていきました。
会そのもとしては、どことなく背景とキャラで作風が分かれていることが興味深かったですね (笑
背景チームとキャラチームは同じ職場にいても絡みが少ないので、
今回のようにチームの垣根を超えたイベントが次も出来れば良いなと思いました!!」


田中さん、楽しいイベントや、その後の交流会など設定いただきありがとうございました!
また社内で面白いイベントが開催されたら、こんな感じでレポートしていこうと思います。ではでは~

▼過去の【Tips】記事もぜひご覧ください

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