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【Vol. 17】スコットランド議会訪問の記録

あっという間に、3月。
日本帰国まで、あと3ヶ月弱くらい。

今学期は、Parliamentary Studies(和訳: 議会研究)という授業を履修している。履修者の9割以上は、スコットランドとイギリス出身のローカルの学部4年生。スコットランド議会やウェストミニスター議会の予備知識があることを前提に授業が進められていく為、過去にまともに英国内議会の勉強をしたことがないわたしは、毎回冷や汗を掻きながら授業を受けている。

悔し涙や冷や汗が出ない程、(自分的に)難易度が高すぎる授業もある。笑

毎回緊張感を持って臨むインテンスな授業を受け続けようと思う自分のモチベーション、それは、このスコットランド議会訪問(とウェストミニスター議会訪問)が授業のカリキュラムに組み込まれているということだった。

(心底楽しみにしていた、一生忘れないであろう「ウェストミニスター議会訪問の『悲劇』」に関しては、また別の機会に共有させてください。笑)

キャンパスで授業が終わった後、担当教諭とクラスメイトみんなで、歩いてスコットランド議会に向かった(メインキャンパスから徒歩20分くらいかな)。

アテンドしてくださった方々から市民の政治参加に関するお話を伺った後、待ちに待ったスコットランド議会見学が始まった…!

議会の建築について

天窓や壁に埋め込まれた窓から差し込む、自然光。
全体的に開放的で、日本のように「"ヤバいところ”に来てしまった!」みたいな張り詰めた空気感や圧迫感みたいなものは一切なく、とても居心地が良かった。

基本的に、木とコンクリートを基調にデザインされていて、議会内で自然とのつながりを感じられる、そんな空間でした。

The Garden Lobby(ガーデン・ロビー)

この写真は、The Garden Lobby(ガーデン・ロビー)と言われるカフェなどがある休憩スペースみたいなところ。天井が独特で印象的だった。こだわりのある建築に魅了されて、目を輝かせながら天井を覗くようにして見ていたら、ちょうど隣にいたクラスメイトがアテンドしてくださった方にわたしが気になっていたことを質問してくれた。

そしたら、このデザインの背景が期待値を超えてくる程、素敵な内容だった😻

この天窓は、「葉っぱ🍃」を表現しているらしい。
その周りは「石🪨」。

「議会というのは、どこか高い場所にある『特別な場所』であるというより、常に『land(地)』からはじまっていて、土や葉や石などを持つ『land(地)』と一体化しているべきものである。そういう強い想いがこの建築の背景にある。」とお話ししてくださった。

どこまでも草の根精神を忘れないスコットランドの姿勢が、個人的にすごく好きだ。議会訪問をして、より一層スコットランドが好きになった。

あらゆるところに大きな窓が埋め込まれていて、その開放的な空間を作り出す背景には「透明性」を重要視するという意味合いが込められているらしい。

'Open the doors! Light of the day, shine in; light of the mind, shine out!'

Parliament Hall Lintel Stone

本会議場へとつづく渡り廊下の前には、立派なまぐさ石があった。これは、1707年のAct of Union 以前、スコットランド議会が王室に属していた時代の旧議会の一部らしい。

このまぐさ石が掛けられているドアを通り抜け、本会議場へと向かう。
「伝統を引き継いだ先に、今がある」という意味が込められているそうだ。

マスメディアの報道でよく目にするアイコニック的な渡り廊下を通り過ぎた後、目の前に広がっていたのは、わたしの愛するArthur's Seat(エディンバラで最も高い山)が窓から見えてしまう程の開放的な本議会場。

スコットランド議会 本会議場

席は基本的に自由らしい。スコットランド議会議員(MSPs)は、それぞれ自分のIDカードを首から下げていて、好きな場所に座った後、そのカードを特定の場所にスキャンすると、自動的に議長に「出欠」と「席の場所」などの情報が送信されるシステムになっているらしい。ハイテク!

因みに、投票する際は、議会外から参画しているMSPsも同様、スマホアプリを介して投票をするらしい。インターネットの接続状況などによって、投票のプロセスが滞ることもあるはあるらしいが、従来の方法よりも遥かにスピーディーに投票できるようになったとお話しされていた。

繰り返すようだが、全体的に開放的で、傍聴席とMSPsが座る席の間に高いバリケードなどもなく、MSPsの席の延長線上に傍聴席がある感じだ。

ウェストミニスター議会では、傍聴席から物を投げる者がたまにいるらしく、セキュリティの問題からスコットランド議会ほど開放的にするのは難しいのだとか…。

どれもこれも興味を抱くものばかりだったが、その中でも最も魅了されたのは本会議場の天井にぶら下がるライトだ。

本会議場のライト

The Garden Lobbyにいた時のように、目をまん丸にしてまじまじとライトを覗き込むようにして見ていると、またあの例のクラスメイトが、わたしの心の声を代弁するかのように、

「これは先ほど言っていた葉っぱ🍃の形を表現しているのですか?」
とアテンドしてくださってる方に質問してくれた!
(心の中で "THANK YOU BRO💜" と叫んでおいた。笑)

そしたら、このライトのデザインに隠された意味がまたまた素敵すぎた😻

こだわりっている点が、主に2つあるらしい。
ひとつは、環境への負荷を減らすという点でこのようなデザインになっているらしい。夏場は、電気で議会場内が暑くなりやすいらしく、このようなデザインにすることでそれを軽減できるのだとか!

ふたつ目に、これは葉っぱではなくて、「Chamber(会議室)」を表現しているらしい。ガラスの中に埋め込まれた小さな一つひとつの光は、MSPsの数を表している。ひと、一人ひとりの存在を大切にする心が議会の建築から垣間見えて、何だかわたしが嬉しくなった😊

本会議場を見渡すと、あらゆるところにデジタル時計が掛けられていて、
それはすべての議会議員に平等に話す時間を提供するためだとか。


帰り際には、お土産屋さんで、議会冊子とブックマーク、ポストカードを購入してスコットランド議会を後にした。
次はひとりで、またゆっくり来ちゃおうっと!
というか興味ありそうな人いたら、一緒に連れてこよっと💝


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