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最近のインターネットが「つまらなくなった」理由

これは面白い記事だ。

この「インターネット利用者数及び人口普及率の推移(個人)(~2016年)」グラフも1997年、Windows 95登場以降だ。

インターネット利用者数及び人口普及率の推移

簡単にネット接続(今よりも難しかったし、回線速度も非常に遅かったが)できるようになった時代である。じゃあ、その前はどうだったか?というと、

⚪ 1980年7月頃、IBMは後にIBM PCとなるパーソナルコンピュータの開発に着手した。
⚪ IBMの主力商品である汎用コンピュータに比べるとごく少数のスタッフとわずかな予算しか与えられなかった。
⚪ 可及的速やかに商品化にこぎ着けるためにソフトウェアは自社開発せず、すべて外部から調達する方針を立てた。
⚪ マイクロソフトは「M-DOS」というOSを開発した経験はあるが、販売したことはなかった。
⚪ 1981年8月にMS-DOS 1.10/1.14をPC DOS 1.0としてIBMに提供。
⚪ 1982年、マイクロソフトはバージョン1.25からIBM以外のメーカーにMS-DOSのOEM供給を開始。
⚪ DOSは標準でグラフィカルユーザインターフェースやマルチタスク機能や仮想記憶を持たなかった。
⚪ 1985年11月、Windows 1.0はMS-DOS上で動くアプリケーションの一種でシェルに過ぎなかった。
⚪ 1987年にリリースされたWindows 2.0はウィンドウの重ね合わせが可能となった。
⚪ 1990年に発売されたWindows 3.0は、操作感の改良やタスク管理、メモリ管理など、各種機能が網羅的に強化された。
⚪ 1990年から1995年にかけて、Windows 3.0とWindows 3.1は全世界で1億台、日本国内でも400万台が出荷され、Windowsは事実上の標準の地位を確立した。
⚪ 1995年秋にWindows 95が発売され、ハイカラー(16bitカラー)以上のGUIを本格的に利用可能にした。
⚪ また、インターネット対応を謳ったことで世界的なヒット商品となった。

こんな時代ですよ。Windows 1.0なんて、マルチタスクができなくて、Windowsと一太郎をバッチファイルを自分でカスタマイズして使ってました。マイクロソフトOfficeなんてのもない。MS-DOSベースのIBM、Lotus 1-2-3(ロータス ワン・ツー・スリーか、マイクロソフトのMultiplan(マルチプラン)しかなかった。しかも、Windows上で動作しない。MS-DOS上でシングルタスクで動く代物。千行を超えるとパソコンが落ちます。

ネット接続は、電話の受話器にカプラーを伏せて、デジタル音源をシグナル化してやり取りしてました。音声なんて伝送できない。後で電話線の接続端子もでてきて、それでPCに接続してましたが。

私の最初のノーパソなんて、1989年発売のダイナブック、J-3100SS001です。フロッピーディスクで立ち上げですもの。メガバイト時代以前ですから、メモリーだってキロバイトです。画面はもちろんカラーじゃありません。

東芝ノートの歴史

そんな時代ですから、インターネット(と言ってもパソコン通信がせいぜい)接続率だって、1997年の9.2%どころではありません。1985年じゃあ、1.0%行けばいいだけです。

パソコン普及率(内閣府消費動向調査より)(~2017年3月)

その時代ですから、ネットつないで喜んでいるヤツなんて、オタクもオタク、この記事が書いているような、

「意識高い系や、権利ばかり主張する声も、いい加減に見たくもない。SNSにせよネット掲示板にせよ、そこで意思表示をする理由の根底にあるのは少なからず承認欲求と「自分を見て」というエゴがあるんだけど、そのエゴに一枚何かを噛ませることで、正義の旗振りをしちゃってる奴が結構いるじゃないか」

なんて、他者による承認欲求なんてチンケなヤツがネットに繋がっているわけがない。みんな、俺が俺がの自己承認欲求のヤツラばかりですよ。他者に承認欲求を満たしてもらおうなんてヤツはあまりいない。「自分を見て」というエゴを持つヤツなんてのもいません。少人数の中で、見られて当然と思っている人間ばかりなんですから。

だから、この記事にあるような、

「昔のネットはいい意味で頭ぶっとんでる奴らがたくさんいて面白かった。けど今はガチでうさん臭い奴らが増えたし、変に意識高い奴らがたくさんいてすごく居心地が悪い」

状態でした。

「お金配りだのクラウドファンディングだの動物を守るための寄付を募るフリーターだの、底知れないうさん臭さを発揮している奴はマジで多い」

こんなヤツもいない。そういうのはネットでやるものじゃない時代だったので。参加者も匿名じゃなくて、本名でしたよ。ビル・ゲイツって言ったら本人なんだもの。私はマイクロソフトの回線をシンガで使っていたので、ビル・ゲイツが討論に参加することも多かった。私の「hotmail」アカウントは、1997年に取得したのかな?

いやぁ、あの頃は良かったな。

最近のインターネットが「つまらなくなった」理由

つまらない。何がつまらないって、今のインターネットのことだ。日本人は、基本的に外面と内面が一致してないという愛らしさがある。ようは、外面はみんなそこそこ良いんだけど、内心は人の文句も言うし、陰湿なことを考えたり、他人が優遇されているのを見ると、自分がその他人ほど努力もしていないのに、妬ましいと思う。
そういうチグハグさがあるのが、私たちの人間らしいところというか、日本人的な奥ゆかしさだと思っている。ちょっと前までは、その普段ひた隠しにしている部分を、インターネットで全開にする傾向があった。ところが昨今は、そういう人もだいぶ減っている。
理由は単純。現実の世界が、インターネットに浸食し始めているからだ。これは全く馬鹿馬鹿しいもので、本来野暮もいいところって話である。

「ネットの居心地が悪くなった」と感じる人たち

ここのとこ、SNSをやっていてもイライラすることが多い。意識高い系や、権利ばかり主張する声も、いい加減に見たくもない。SNSにせよネット掲示板にせよ、そこで意思表示をする理由の根底にあるのは少なからず承認欲求と「自分を見て」というエゴがあるんだけど、そのエゴに一枚何かを噛ませることで、正義の旗振りをしちゃってる奴が結構いるじゃないか。
あんまり言うと炎上(笑)して、clubhouseとかで晒上げ魔女裁判を開廷されるので具体的なことは伏せておくけれども、まあそういう一部の”ネットが下手な人”ってどんどん増えている気がする。
でも僕としてはもちろん、そういう人たちにもSNSやネット掲示板を使う権利はあると思うから、「不適切だからやめろ!」とは言わないけどね。
閑話休題。先日、5ちゃんねるに「最近のネットって居心地悪くない?」というスレッドが立っていた。

スレ主の意見はこうだ。

「昔のネットはいい意味で頭ぶっとんでる奴らがたくさんいて面白かった。けど今はガチでうさん臭い奴らが増えたし、変に意識高い奴らがたくさんいてすごく居心地が悪い
まあ、前半はともかく、後半にはほぼほぼ同意するところである。いるよねえ、お金配りだのクラウドファンディングだの動物を守るための寄付を募るフリーターだの、底知れないうさん臭さを発揮している奴はマジで多い
ちょっと、このスレッドに寄せられた意見を引用させていただきたい。
わかる、自己顕示欲モンスターと承認欲モンスターと守銭奴モンスターばかり
どこもかしこもギスってるよな
ぶっ飛んでる奴は増えたが金にがめついとか胡散臭い方向にぶっ飛んでる奴が爆発的に増えた。金関係なく楽しもうって奴が減りまくって寂しい
このような具合に、今のネットに思うところがあるのは、スレ主だけではない様子だ。

見えない振りをしていたのが、旧来のネットユーザーだった?

そもそもSNSにせよネット掲示板全般にせよ、匿名文化はあるが、そこには本当の意味での匿名性はない。あんなの暴こうと思えばアカウントの持ち主、書き込んだ人物は割り出せるものだ。しかし、そういう事実があっても見えない振りをしていたのが、旧来のネットユーザーだったように思う。
時には、そのせいで暴走をして犯罪に至る者も出たし、Twitterを媒介にして恐ろしい殺人事件を起こした座間の犯人みたいなのも出た。でも使い方が悪ければ問題が生じるは、別にインターネットに限った話ではない。ハサミだって人に向ければ凶器だし。
今はインターネットに変な意味での多様性が出てしまっている承認欲求の発散以外にも、無料で読めて怒りを毎日チャージ出来るコンテンツとして。あるいは詐欺のための土壌として。あるいは自分が不謹慎と思っているワードを検索して糾弾するために。あるいは自社に勤める人物のアカウントをこっそり特定して、問題発言がないかチェックするために。
現実が、インターネットに過剰に干渉していくようになったんだよね。使い方が変化して、金儲けや相互監視に走り過ぎてるというか。
極端な話、SNSでも友達同士の会話に横入りして勝手に激高するだけして去っていくような異常者もだいぶ増えてる相互監視の渦がとめどなく蠢いている。なんとも気持ちの悪いインターネットが出来上がったなぁ、と。他人の発言を勝手に覗き見て、勝手に問題視する今のインターネット、実に健全だなぁ。

フランク・ロイドのエッセイ集



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