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コンサルタントになるために必要な「質問力」の話

こんにちは、コンサル転職の中の人、「コン転」です。

現在、事業会社などで勤務されていて、未経験でコンサル業界に行きたい方を主な読者の対象にして、noteを投稿しております。

今回は、コンサルタントに求められる質問力についてpostさせていただきます。

質問力としては、広範には「聞く力」「話す力」なども含まれるかと思いますが、今回は「相手が答えやすい質問をするにはどうすれば良いか」にフォーカスしてお話できればと思います。

突然ですが、皆さんは

「ごめんなさい、言っていることがわかりません」

「結局、何を質問していますか?」

「その質問の意図ってなんですか?」

と言われる・聞かれることがありますか?

この事象(以下、コミュニケーションエラー)は、質問者の質問力が低いことによって起因することが多いです。
厳密には、回答者の回答力が低いことによっても起きるのですが、他人のせいにしてもコミュニケーションエラーは改善されないので、今回は質問者の質問力が低いことでコミュニケーションエラーが起きているという前提で話を進められればと思います。

※コミュニケーションエラーは本来であれば、もう少し広義の意味で扱われますが、今回は「相手が極めて答えづらい質問をすること」を「コミュニケーションエラー」と定義します


また、コンサル業界において、上記のような事象は上司(回答者)→部下(質問者)に対して起こることが多いです。

上司側からすると、いちいちコミュニケーションエラーを起こすような部下とは仕事をしたくないと思っているので、部下としては必ず直したいところです。

そのような方が本noteを見ていただき、少しでもこのようなエラーを改善していただければ、嬉しい限りです。

 少しでも良いと思ったら、noteやTwitterでシェアいただけますと幸いです。

 

どうしてコミュニケーションエラーが起きるのか?

 

「言っている意味がわからないです」

「ごめんなさい、もう一度同じことを質問してください」

「つまり何を言っているの?」

「僕の頭が悪くて理解できないんだけど、それってどういうこと?」

「その質問の意図は何?」

コンサルタントにスタッフで入社したことがある方でしたら、一度は経験したことがありますよね。

上記のケースはこちら側が質問をしている場合でなくても起こり得ますが、今回はその中でも、こちら側(=質問者)が「XXはYYですか?」と質問した時に、上記のようなことを言われたという事象を「(こちら側の質問に起因する)コミュニケーションエラー」としてお話しできればと思います。

 

質問に限って言えば、下記の3つがうまく行われれば、コミュニケーションエラーを起こすケースがかなり低減されるかと思います。

①こちら側が、相手を自分と同じ前提に立たせる

②こちら側が、相手に情報を伝達する

③こちら側が、(相手が質問に答えてもらいやすいように)想定回答を示す

※情報を伝達するという意味では、①-③も同じですが、ここでは②の情報を「質問したい本題に関する具体の情報」と定義することで、①-③のように整理しています。

逆にいうと、コミュニケーションエラーが起こる場合は、上記の3つの内のどれかまたは複数がうまくいってないケースが多いです。

例えば、下記があります。

・こちら側が相手の思考の前提に立てていない(上記①の失敗)

・情報が多いため、思考プロセスが複雑になり、相手がそれを理解できていない(上記②の失敗)

・こちら側が相手の想定回答を類型化できていない(上記③の失敗)

上記②の失敗については、真因は情報の多さであり、簡単にpptでまとめてから話す・PREPで話すなどよくある書籍と同じ解決策になってしまうので、割愛します。

ここでは上記①と③の失敗について、その真因と解決策を話しましょう。

 

①<こちら側が、相手を自分と同じ前提に立たせる>の失敗の真因と解決策

コミュニケーションエラーが起こる場合の多くは、①の失敗によるものなので、文章を多くしてお話できればと思います。

この事象が起きていることの真因は、「自分(質問者)が、相手(回答者)がどれだけ自分ないしは自分のプロジェクト・タスクに注力しているのかを見誤っていること」です。 

例えば、コンサル業界のアソシエイト・アナリスト(質問者)→マネージャー(回答者)への①の失敗によるコミュニケーションエラーを考えましょう。

マネージャーは、アソシエイト・アナリストが思っている以上に忙しいのです。

仮にマネージャーが2案件以上を持っておらず、単に1つのプロジェクトをデリバリーしていると言っても、パートナーから次の案件の提案の話がきていたり、案件の契約書周りをやらないといけなかったり、(年代的にも)家庭の方でやらないといけないことがあったり、、、と忙しいのです。

※本音を言えば、家庭の忙しさを仕事に影響させるべきではないという話はあると思いますが、理想論はあくまで理想論であり、現実はそうはいかないこともあります。

 

その時に、アソシエイト・アナリストから

「この前言っていたアレについて質問したいんですけど・・・」

「1週間前の会議で出たあの話についてなんですけど・・・」

と言われたら、どうですか?

なんの話だよって思いませんか?

マネージャーからすれば、アソシエイト・アナリストとの話なんていちいち覚えていられないのですが、アソシエイト・アナリストからすれば、(自分は相手との会話を全て覚えているから)マネージャーは自分との会話を全て覚えているだろうと思ってしまうのです。

でも、よく考えれば、マネージャーがその投下リソースを各タスクに割り当てているので、マネージャーが自分の話を、その全ては理解していないのは当たり前ですよね?


また、ここでは明確に役職に上位または下位が分かれる例を記載しましたが、そうでない場合も同様です。基本、相手が、その投下リソースを全て、同じものに注いでいることはあり得ません。

なので、以前どんなに話した話の内容であっても、もう一度相手を自分と同じ前提に立たせることが必要なのです。

 

で、解決策としては、どんな質問でも最初の30秒〜数分は、以前何をどこまで話していたかの確認をすることが最も効果的です。

 

どんなに質問でも、それに背景がある場合は必ず時間をとって、その背景の説明もしてください。

例えば、先ほどの例でいうと、

「いや、その話はわかってるから、早く本題に入って(質問をして)」

などと言われることもあるかと思います。

 

その時は、直接本題に入っても問題ないですが、そのようなことを言われることが想定される場合であっても、必ず背景から説明してください。

 

なぜなら、この質問の目的が「自分が相手から有効な回答を得ること」で、背景を最初に話す目的が「相手を自分と同じ前提に立たせること」だからです。

なので、相手から背景の話はいらないことを指摘される場合は、相手が同じ前提に立っていると言えるので、上記後半の目的が自然とクリアされます。

一方、相手に背景の話をせずに本題に入る場合は、上記後半の目的がクリアされているのかはわかりません。

だから、毎回背景の話からするべきなのです。

 

③<こちら側が、(相手が質問に答えてもらいやすいように)想定回答を示す>の失敗の真因と解決策 

この失敗の真因は、(無意識的にも)自分が相手の回答を予測することを諦めていることにあります。 

この失敗をしている方は、下記2つのステップで質問の質を改善することが解決策となります。

1.オープンクエスチョンをする→(広義の)クローズドクエスチョンをする

2. (広義の)クローズドクエスチョンをする→(狭義の)クローズドクエスチョンをする

コンサルタントになる方は、絶対に(広義の)クローズドクエスチョンをするようにしてください。で、できる限り(狭義の)クローズドクエスチョンをできるようにしてください。

それぞれの種類のクエスチョンについて説明します。

オープンクエスチョンとは、回答の自由度が高く、相手に回答の方針まで委ねる質問のことです。

例えば、「明日の夜は何を食べようか?」「来週の日曜日はどこに遊びに行こうか?」

コンサルの場面で言えば、「来週の定例資料の骨子ってどうしましょうか?」などですね。よくない質問です。

(広義の)クローズドクエスチョンとは、回答の自由度はそれほど高くないが、複数の回答の仕方がある質問のことです。

例えば、「イタリアンで美味しいお店ある?」「コンサルになるためにどの本を読めば良い?」

コンサルの場面で言えば、「このトピックに関する資料を共有していただけませんか?」などですね。あまりよくない質問です。

(広義の)クローズドクエスチョンをする方も多くいますが、回答者の体力を奪ってしまうので、できるだけ避けるようにしてください。回答者の立場からすると、回答が面倒なので、このような質問をされる時には無視をしてしまうor適当な回答をすることが多くなってしまいます。

(狭義の)クローズドクエスチョンをするとは、回答の自由度が低く、複数の回答の仕方があるケースがほとんどない質問のことです。

例えば、「夜の料金が一人8,000-10,000円くらいで、六本木駅付近でXX(回答者)が美味しいと思ったイタリアンのお店ってある?今度妻と二人で行きたいと思っていて…」「コンサルになるために論理的思考力を身に付けたいのですが、特にロジカルプレゼンテーションの文脈でどの本を読めば良い?」

コンサルの場面で言えば、「今度クライアントにYYのテーマで提案をしに行きたいんですけど、YYのトピックに関する資料、特に過去扱った案件の詳細やYYの社会的な論点の全体像の資料があれば、共有していただけませんか?」などですね。

(広義の)クローズドクエスチョンと(狭義の)クローズドクエスチョンの違いは、質問者が回答者の想定回答を踏まえた質問をしているか否かとなります。

おそらく、「イタリアンで美味しいお店ある?」といきなり聞かれても、

・それって誰と行くの?(シーン)

・いくらくらいの予算?(予算)

・どこら辺の場所が良いの?(場所)

・みんなが美味しいと言っているお店?私が美味しいと思っているお店?(美味しいという感性の主体)

などによって場合分けされますよね。

なので、例えば、

「今度妻と二人で行きたい(シーン)店を探しているけど、

夜の料金が一人8,000-10,000円くらい(予算)で、

六本木駅付近(場所)

XX(回答者)が美味しいと思った(美味しいという感性の主体)イタリアンのお店を知りたいな。質問しよう。」と考えて、質問をすることが望まれます。

※ここでの想定回答というのは、例えば「奥さんと二人で行ける(シーン)店で、夜の料金が一人8,000-10,000円くらい(予算)で、六本木駅付近(場所)で、美味しいと思った(美味しいという感性の主体)イタリアンのお店なら、aa・bb・ccがおすすめだよ!」という回答のことです。質問者が想定回答を持っていないと、(狭義の)クローズドクエスチョンをすることができません。

まとめ

今回は、コミュニケーションエラーについて話しました!

その主な原因・真因、解決策についてわかったでしょうか?

要は相手のことを考えて、相手に違和感・不快感を与えないような質問をしようということでした! 

面白いと思った方は、noteやTwitterなどでシェアしてください!

それでは!

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