見出し画像

楽器の練習を水に例えるなら。

ギターレッスンで、時折「1日どれくらい練習したらいいですか?」と質問される。
僕自身はギターを始めた中学生の頃は帰宅部で、午後4時半に帰宅して晩ご飯までの時間を練習にあてて、だいたい90分程度、ほぼ毎日。だけど毎日決まった長さを練習していたのではなく、ほどよく怠け、友達の家に遊びにいったりゲーセンに行ったりしながら、何もない日はギターを弾くという感じだった。

練習時間の質問を受けるたび「自分はこうしていた」と、ひと通り話すようにはしているが、練習”時間”については疑問がある。
僕は練習時間の長さを測りながら練習した記憶がない。飽きたらやめるし、面白かったら何時間も弾いていた。時間を基準にしていなかっただけで、楽器には触っていたように思い出す。

そこで、僕の練習に対するイメージを簡単に解説します。参考になれば嬉しいです。


練習=水、と考える

画像1

練習のイメージについてイラストにしてみた。
大事なのは最後の「寝る」ところにあるのですが・・・・
人間が1日に処理できることは限られていて、寝ることでリセットされる。リセットされたぶんが経験値となって、もう一段大きな器に貯まっていく。そこがいっぱいになると次のレベルに行ける。

画像3

次のレベルの器は途方もなく大きく感じるかもしれないけど、やるべきことは同じなのでやるっきゃない。


画像2

さらにコップもだんだん大きくなっていくので、限界まで練習しているとレベルアップが早くなる。

だいたいこんなイメージです。


練習経験は蒸発しやすい

画像4

練習の経験は怠っているとすぐ忘れてしまいます。水に例えるなら、蒸発しやすいのです。
それに比べて、レベルアップした器やコップは小さくならないというのが僕の考えです。それは良い側面もありますが、途中でやめてリスタートした時の目標が大きくて挫折してしまう原因にもなります。

最初の器は小さくて、いっぱいにすることは簡単。だんだんレベルアップの器は大きくなって、いっぱいにするのが難しい。
けど、やるべきことは一緒。やるっきゃないわけです。


飽きたら質を上げるチャンス

コップのサイズが大きくなっていくと、同じ練習量でも達成感が薄くなってきます。達成感がないと、飽きやすいです。

画像5

練習に飽きたら、練習の質を向上するタイミングです。量を増やすでもいいのですが、質を上げた方が新鮮でいいと思います。
なんにせよ、継続して続けることが一番大事なんですが、それはその人の生活リズムや気持ちのパターンなどがあると思うので、飽きたら一旦立ち止まるのも悪いことじゃないですよ。


練習時間に比例しない理由

練習を水に例えると、練習時間と上達が比例しない理由が説明しやすいです。
まず、1日に処理できる分量があるということです。人によって違うし、処理できる量はだんだん大きくなっていきます。いきなり長時間練習してもあんまり伸びない理由はここにあります。
脳生理学でも、脳が能力を習得には1週間くらいの時間を要すると言われています。大事なのは1日何時間やるか、ではなく、何日続けるか、です。

そして”飽きた”とか”退屈だ”という感覚も、脳が楽しめる時間を超過したシグナルだと言われています。今回の例でいうとコップがいっぱいになった状態なので、その日はもうそこまでで良いんじゃないでしょうか。あるいは、ちょっと寝てリスタートすると良いでしょう。飽きたり退屈な気持ちのまま練習しても、嫌な気分になるだけですからね。

自分のコップの大きさを誰かと比べる必要はないし、比べられないのです。
安易に”時間”という共通の単位を使って誰かと比べても意味がない


おわりに

この発想は楽器の練習に限らず、ありとあらゆる学習・習得について適用できると思うので、なにかしら参考になれば嬉しいです。


サポートなんて恐れ多い!ありがたき幸せ!!