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【ジャズ初心者】難易度を分解して考えよう

セッションを観察しているとプレイヤーの”癖”が目に入ってくる。癖、という言葉にはマイナスの意味合いが込められている。つまり「もうちょっと正せば美しくなる」という欠点が”癖”。
そして癖には『同じことを繰り返している』という特徴がある。そりゃそうだ、1回限りのことで癖を判別するのは難しい、楽器だと1回のフレーズが成功か失敗かを判別することはできない。意図的にやっているかもしれないし、ミスったのかもしれないから。

でも基本的にジャズは難しい。楽器もリズムも、ハーモニーの理解度やアイデアの使い方も、瞬発力を使って考えながら演奏しなければいけないから。

こういうこんがらがった難易度を克服するためには、難しさを分解して把握するのがいいんじゃないかと思う。

たとえば『楽器のテクニック』と『メロディ(リズム)をイメージする能力』と『聴くこと』、という3つの分野に難しさを分けて、それぞれについて考えてみよう。


『楽器のテクニック』の練習

楽器はどの楽器でも効果的な基礎練がある。ちゃんと指定された音を綺麗に出せる練習を続けていくと、必ず上達する。どんな練習方法があるかは自分で探してもらいたいんだけど、できるだけ網羅的な練習、根源的な練習をやるといいでしょう。

例:スケール練習、パラディドルなど


『メロディをイメージする』の練習

よく「ジャズは第二外国語だ」と例えられるのだけど、これは音楽を学ぶにおいて外国語を勉強する方式が上手く当てはまるからだ。
英語のクラスを思い出してもらって、センテンスを書き写して、それを音読して、例文を作って書き出す。これを音楽に当てはめると、音楽を聴いて、それを口で歌ってみて、同じように楽器で演奏してみる。

聴いて演奏する、の手前に『口で歌ってみる』のがコツなんだけど、詳しくは割愛して。
つまり、よく聴き、つたなくても真似してるうちに楽器でも演奏できるようになるし、瞬発力でフレーズがでてくるようになる。と、僕は考えているんだけどこれには一定のティーチングが必要だと思う。要するに文章を読むのに単語力や文法が必要なように、音楽にも音楽理論が必要になるってことだ。ちゃんとやるならね。


『聴く』の練習

ジャズセッションにおいて周りの演奏を聴くことはとても重要なんだけど、「どう練習すればいいの?」と感じている人が多いように思う。

ジム・ホールはインタビューで「あなたは相手の演奏にしっかり反応してプレイしていますが、コツはあるんですか?」と尋ねられて、

「弾かないことだよ!笑」

と答えていました。痛快で、だけど真実を突いた名回答だと思います。つまりセッションの時、自分がソロの時に演奏を休む習慣を心がけることで、これが『聴く練習』になるのだと思います。
ただ、これは言うは易しでかなり難しいことです。演奏していなくても”タイム感は維持されなければならない”し、なにより演奏してないことに”引け目”を感じてしまって、なにかやらなきゃ!って焦ってしまうからです。

なので、練習方法としては、引け目を感じるところは段々慣れていくとして、タイム感を維持する練習をすればいいんだと思うのです。
例えば好きなジャズの音源を聴きながらずっとカウントをとる、くらいなら誰でも始められます。誰でもできる、とは言いませんが・・・・



なにごともちょっとの積み重ね

音楽にはコツがあります。それはレッスンに通って先生から吸収すると早いんですが、そうでなくても「今できること」を積み重ねて、考えて続けていくことで見つけられると思います。コツは人によりけり、コツの差が派閥の差みたいなものだったりするので、合う・合わないは人格的にあると思います。僕はスパルタや精神論は好きではないので、合理的に、あるいは物理的に「こうなっているからこうでしょ」という派閥ですね。

いずれにせよ、ちょっとの積み重ねが効果を発揮するのがジャズってものです。地味だけど効果のあることを続けて、セッションを楽しんでくださいね。



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