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酒好き主婦のときどきホテル生活 vol.10

vol.10 でもね、お酒はダメなんだってさ


雪が舞う、2月の半ば。
[ HOTEL VILLA FONTAINE OSAKA UMEDA ]

今回の逃避先

初めてのホテル。
なんだかまだ体が本調子ではないのであるが、キャンセル料を払うのももったいないなぁという貧乏性丸出しで、お酒なしで、いうなれば今回は休養のつもりでいそいそと出かけた。
14時45分チェックイン。
ホテルのロビーらしからぬロビー。会員制秘密のバーのような感じ。チェックインカウンターは見当たらず、エレベーターを降りたら女性スタッフが「いらっしゃいませ」と、丁寧に挨拶をされた。
中央の大きなテーブルにはワイングラスに入れられたアメニティグッズがあって後ろのショーケースのようなところにはさまざまな種類のアロマオイルが並べられていた。
びっくり。

アロマオイルテーブル

女子が喜びそうだなぁと思ってジロジロ眺める。
私の宿泊プランにはアロマオイルのプレゼントが含まれていたらしくて、さっきのアロマオイルの中から好きなものを頂けるというので12数種類あるのを全部チェックして、よく眠れる香りのアロマオイルとアロマストーンを頂いた。
チェックイン自体は機械でスルッと終わる。

部屋は広い。床でストレッチや体操ができそう(やらないけど)

モダンな感じ、端っこのイラストは曼珠沙華かしら…

机が広いのは嬉しい。
机が狭いと肩がこる(ような気がする)
さっさく頂いたアロマオイルを使う。

ラベンダーベースの香りだった

私はアロマオイル好きなんだけど、家には猫がいるから使えないのですよ。アロマの香りで猫が体調を崩すこともあるらしいから…
よく眠れるというアロマオイルを選んだんだけど、スーッと体に溶け込む感じの香りでよく眠れそう。

冷蔵庫に買ってきた飲料を入れる。

みごとにノンアルばっかり

ねぇ、テンション下がるでしょ。このノンアルコールの数々。
しょうがないのよねぇ、点滴治療が終わったと思ったら飲み薬を大量にもらっちゃって、約1ヶ月頑張りましょうって医師から激励の言葉をもらってしまって…それが終わるまではアルコールなしよってやつ。

でも、やっぱり一杯目の挨拶だけはしようなな。

おつかれさまの一杯目

おつかれさまです。
ガッキーのあのCMが終わったからもうあの台詞は使わないことにしたよ。新しい方になんの恨みもないけどやっぱりガッキーが良かったかなって…
っていうか、ノンアルビールで偉そうに語るなって感じだよね。すまん。
ノンアルビールを飲みながら広い机で少し仕事。
午後5時頃になって眠くなったので仮眠。
この仮眠時間に夢を見た。それがすごい不思議な夢。
まぁ夢には不思議はつきものなんだけど、ちょっと変わった不思議さだったのよ。
学生の頃に交流があった友人が出てきて、実際にもう30年くらい会ってない友人なんだけど、夢の中で偶然街で再会するのよ。私は当然30年前の若いその人の顔しか覚えてないのだけど、その人はちゃんと30年分歳をとっていて、顔も体つきもすべて30年の年を経てるわけ。
街で声をかけられて振り向いたら、30年後のその人が立ってるわけ。最初は「えっ、誰?」と思ったけど「〇〇です、久しぶりだね」って言われて思い出したって夢。
夢って昔の人の夢を見るときは昔のままの姿で出てくるんだけど、夢の中でもちゃんと時間が経過しているんだなと思ったわ。
何かの本で『夢の中は時間の経過がない。だから現実味が感じられない』と書いてあったけど、この夢に関してはちゃんと時間が経過している。しかも30年という長い時間を確実に物語っている。不思議な夢だった。その人が実際に夢の中に出てきたような女性に成長しているかどうかは定かではない。
いつか、正夢になるかも。街を歩くときはその人を気にしながら歩こうかなと思う。
午後6時に目が覚めて「あぁ不思議」と思う。

6時半、晩ごはんはを食べに出る。実はね薬を飲み始めてから食欲がないんだ。特に夜は食欲がない。でも薬を飲まなきゃいけないから何かお腹に入れないと、と思いながら食べるというおもしろくも何もない晩ごはんの実態なんです。
予約してないのでホテルの周りをぶらぶらしながら探す。
食欲がない時でも何とか食べれるうどん屋に入る。初めて入るところ。
まぁ大阪はだいたいどこのうどん屋に入っても美味しい。
日替わりうどん定食があったので「今日は何ですか?」と聞くと、
「天ぷらうどんとちりめん山椒ご飯のセットです」と。
それにした。
隣の席でビールを飲みながらうどんを食べてる若者を見て「あぁ、飲みてぇ」と思いながらお茶を啜る。
切なさ満開だわ。

普通のうどんがありがたい


お客さんが増えてきたのでささっと食べて退店する。うどん屋の近くにある成城石井に寄ってカットフルーツやゼリーなどを買ってホテルに戻る。
この時間帯の成城石井は会社帰りの女性たちで大賑わい。特にスイーツコーナーは商品が見えないほど大勢の人だかりができていた。みんな仕事が終わった安堵の顔でスイーツを選んでいた。

もう今夜は早く寝ようと思って買ってきたゼリーを食べて部屋のお風呂に入る。シャワーがミラバスだった。こんなところで体験できるとはなんとラッキーと思いながらCMのように顔に当ててみる。気持ちいい。つるつる。
3段階(顔用、体用、頭用)どれも試してみた。いいよ〜、いいね。
欲しいな。でもこれ高いんだよな。お風呂から出てからネットで調べたら大体5万円くらいだわ。シャワーヘッドに5万円かぁとちょっと考える。

風呂上がりもノンアルで。
ノンアル白ワインとさっき買ったフルーツで何となくそれらしく…
その後、ライザップのノンアルビール。これはとても個性的な味。
う〜ん、これがライザップの味か…と訳のわからないことを思う。

グラスはいつも通り持参しました
ライザップのノンアルビール。ちょっと高め

飲みながらいろいろ考えた。
私は常々『悩みに格差はない』という考えで生きているのよ。
人それぞれ悩みがあると思うだけど、客観的に見ると大きな悩み、小さな悩みがあるけど、大きな悩みが偉くて小さな悩みはしょぼい。と、判断するのは間違っているって思ってるの。他人から見れば大した悩みじゃなくても本人にとってはもう人生の一大事かもれないのよね。それを簡単に「そんなこと」で片付けるのは良くないなと…
今回ちょっと病気になってそれを改めて自覚したんだよね。
病気にも格差はないんだということ。
どんな小さな病気でもその人にとっては本当に大事なことなんだと。
足が悪い方は足が丈夫な人が羨ましい、でもその足が丈夫な人は心臓に病を抱えているかもしれない。頭痛が治らない人は頭痛がしない人が羨ましい。でも頭痛がしない人はお腹に病変を抱えているかもしれない...そんなふうに考えていると格差ってないんだろうなと思った。
看護師や医師たちの仕事ぶりを見ていると、やっぱりね、人に寄り添うってその小さな悩みを馬鹿にしないってことなのかなと思った。
けっこう真面目だな私。飲んでないからかも。これを機会にお酒やめようかしら(やめないけど)

何やらよくわからない映画を見ながら眠った(夜中に起きてちゃんとテレビは消した)


2日目

6時半起床。
よく眠れた〜と叫びたいくらいのいい目覚め。
確実に家にいる時よりは眠れた。家だと猫が夜中や早朝に起こしにくるから。猫には申し訳ないが猫がいるのといないのとでは睡眠にかなり差が出るなぁ。うちの猫はまだ若いから夜中も早朝もガンガン起きているのよ。

さっとシャワーを浴びて(またミラブルで顔シャワーした)お化粧してホテル内のレストランに朝ごはんを食べに行く。
聞くところによるとここの朝ごはん、お魚料理に力を入れてるらしくて焼き魚が絶品だとか…その場で切り身を焼いてくれるのだそう。楽しみ。
レストランは比較的すいていて感じがいい。
さっそく焼き魚コーナーに行く。どれにしようか迷って鮭を塩焼きにしてもらった。結局鮭だなんて私ってかなりオーソドックスだなぁ。
あとは和食のお惣菜をいろいろ取り分けて、デザートはわらび餅と日本茶にした。みんな美味しかった。焼き魚は焼きたてということもありやはり絶品。すいてるから、後の方に急き立てられることもなくゆっくり食べることができた。
こういう朝ごはんが毎日食べられれば健康的な生活がおくれるんだろうなと思う。でも、真似はできないのよ。いつもホテルから帰ってきてしばらくは「よし!」と意気込んで朝ごはん作るんだけど、3日も持てばいい方ですぐに挫折する。インスタなんかでいつも「えぇっ!」って思うような素晴らしい食事をアップしている方がいるけど、いつもびっくりするんだよね。あれってホントなんだろうかって疑っちゃう。
先日、その話を友人にしたら「あれは本当の人もいるけど嘘の人もいる」との見解だった。嘘の人の見分け方を教えてもらったけどなんだったかな?忘れちゃった。
確かにねぇ、写真もそうだけど文章も「嘘」の人がいる。写真の嘘とはちょっとニュアンスが違うけど。でもそれはね、小説なんかみんな嘘でできた物語だし、それはそれで読む人が楽しければいいのよね。
写真もそうなのかなとは思うけど、写真はかなり見栄の部分が占めているのかも。その見栄もその人にとっては生きていくモチベーションなのかなぁと思って一概に批判はできないなぁって。

ちゃんと朝ごはん

これは嘘のない私の朝ごはん

レストランがあるフロアーから客室に向かうエレベーターが混んでいて、並んで待っていたら、ヤンキー系の男性がそれまたヤンキー系の彼女と私の前に並んでいて「おいしかったね〜」と、楽しそうにおしゃべりしている。エレベーターが到着したらそのヤンキー兄さんが「お先にどうぞ」って私に順番を譲ってくれた。ここで拒否したらこのヤンキー兄さんの顔を潰しちゃうなと思って素直に「ありがとう、助かります」と言って先に乗った。
「お年寄りに譲りましょう」精神なのかしら?
えっ、私ってそれほどのお年寄り?
といろいろ勘ぐりながら部屋に戻る。

部屋で備え付けのドリップでコーヒーを入れて飲む。
テレビで朝の情報番組を流しながら少しパソコンで仕事をする。
一段落してテレビを見ると、一連の強盗殺人事件のニュースをやっていた。
そのあとロシアとウクライナの問題、続いてトルコとシリアの地震の問題。
今はこの3件で日本の情報番組は成り立っている。
あっ、時々ミサイルを発射させるのが好きな国の方の話もあるなぁ。
先日、地震の地域への募金をしてきた。大きな声で言えないくらい、
ここに書くのも憚れるくらいの微々たる金額ではあるけれど、地震に関しては明日は我が身状態。持ちつ持たれつなのではないかと思って…

ぼんやりバスルームの方に目をやったらバスタオルがスポットライトを浴びている。
これって意図した設計?偶然?
意図したのもだとしたら、かなりシュールよね。

使われたバスタオルに当たるスポットライト…そこに女の姿はなく、少し湿ったバスタオルが少しずつ過去のものになりつつあった

こんな出だしで舞台演出とかできそうだな。

見事なライティング

それにしてもお酒を飲まないって、こんなに時間に余裕ができるのね〜。
お酒をやめたらもっと有意義な時間が持てるのかしら…でもあれよね、私にとってはお酒飲んでる時間が有意義なんだから、やっぱり早く飲めるようになりたいわ。
その後、ぼんやりいろんなことを広く浅く考えんがら過ごした。
11時チェックアウト

Good bye days


外は寒い。
凍えながら帰ってきた。


あとがき
今回も取り止めのない戯言となりましたが、読んでいただきありがとうございました。
ご存知の通り今の私は少し体調を崩してまして、お酒が飲めない状態でのホテル生活となりました。
お酒が飲めないとかなり寂しいのではないかと想像していましたが、体を休めるという意味では家にいるよりもゆっくりできました。
それといろいろ考えることができた(まぁこれはいつものことだけど)
お酒がなくても成立するんだなと思えたことが収穫。
それとノンアルコール飲料が美味しくなってきていることが嬉しい。
てなわけで、もう少しの間ノンアル飲料で誤魔化しながら生きていきます。

尚、この記事はボイスレコーダーを再生しながらできるだけそのままの言葉で書いています。それによって変な言い回しなどがあるかと思いますが、ご了承ください。
それと、このシリーズはホテルの紹介やお酒の紹介をするのが目的の記事ではないため、ホテルの感想及びお酒の感想などは私の主観によるものです。
詳しく書かないのもそのためで、そこのところはご察しください。

それじゃ、また次回(次回は飲むぞ!)

イトカズ


vol.1〜vol.10までマガジンに収録してあります。


Thanks !



読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。